バローレ(Valore)/美瑛

美瑛の町はずれ、ナビとグーグルマップを併用しても迷子になってしまいそうな場所にある「バローレ(Valore)」。なかなかにカッコよいアプローチなのですが、「ここから先はレストラン!予約必須!客じゃないと立ち入り禁止!写真も撮るな!」的な注意書きがそこかしこに掲げられています。
そうか、そういえばこの店は色々と注意事項が40行ぐらいあったなと、公式ホームページを改めて見返す。時々こういうお店を見かけますが、普通の客はこんな注意書きを熟読したりはしないので、書くだけ無駄というかお店の品位を下げるだけなので止めたほうが良いですよ。
外観ならびに店内は、海外のリゾート地に来たかのような雰囲気。全ての座席が窓側に配置され、レンガや木材、アイボリーの壁材など、温かみのある内装です。ただし、最初に手渡されたおしぼりは臭かった。
この日は正午に一斉スタート。「絶対遅刻するなよ」的なニュアンスの注意書きがしつこく書かれていたので余裕をもって到着したのですが、早めに到着したらしたでほったらかしであり、飲み物の注文すら取りに来てくれません。
ゲストの全員が揃い、さらに10分の待ち時間を過ごしてようやく最初の料理。カブとヨーグルトのスープに水ダコ、ジュンサイなど。料理というよりも素材であり、水ダコこそは美味しかったですが全体として記憶に残りませんでした。刑事ドラマなら第一のガイシャというタイプです。
フォアグラのフランにピュアホワイトスープ(?)。鴨肉に豚肉のパテ(?)でしょうか。パテというかリエットというか独特のソフトタッチな舌触りが面白い。
前の料理から20分のインターバルを開けて野菜たち。マダイやカツオ、イワシなども差し込まれておりそれなりに美味しいのですが、客に時間厳守を要求しておきながら、この手際の悪さは何なのでしょう。私は運転があって酒を飲めないので、余計に待ち時間が長く感じます。
ローズマリーとクルミのフォカッチャ。クルミの食感がアクセントとなって美味。
やはり20分の待ち時間を要するパスタ。手打ちのタリオリーニに白ナス、トッピングに生ウニです。生麺なんて茹で時間は大したことがないのに、どうしてこんなに時間を要するのでしょうか。店内のゲストは皆ヒマそうにケータイをいじっています。
さらに待ち時間を要し、今回は30分の待ち時間でした。ちなみに写真に残されたタイムスタンプから記しているので、このあたりの時刻は正確です。魚はイサキ。トマトと魚介の出汁に、パリパリに焼かれた野菜など。別にややこしい料理じゃないのに何でこんなに時間かかるんやろ。
メインにも当然に30分以上を要し、豚肉の登場です。こんなもんオーブンに放り込んでおいて他の料理と並行して熱を入れておけばええやんか。もちろんそうやってマルチタスクに取り組むと微妙な誤差が生じるのかもしれませんが、素人の客からすれば時は金なり待ち時間はストレスなりである。
デザートはハスカップとラベンダー特集。大人の酸味にコクのある甘味が感じられOCです。本日一番のお皿でした。
お茶菓子はマンゴーにカスタードクリーム(?)。クリームのリッチな甘味が印象的で、本日2番目の美味しさです。スイーツはテンポ良く美味しいの出してくるなあ。いっそのこと、スイーツ屋に転向したほうが良いのではなかろうか。

コース料理にノンアルコールの飲み物を2杯、コペルトやら税やらで、支払金額はひとりあたり1万円弱。ごちゃごちゃとうるさい割に手際は悪く、味は普通、請求金額は一流のお店でした。そんなに余裕がないなら和歌山の「ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)」沖縄の「RE(アールイー)」みたいに、1組のみの営業にすればいいのに。
いずれの料理もまあまあ美味しいですが、この程度のイタリアンレストランなんて都内にはいくらでもあるし、家賃や人件費のことなどを考えればむしろ割高ではないかと思えるほどです。さすがに何か文句を言ってやろうと思ったのですが、シェフは厨房に引っ込んだっきり、一度も客の前に姿を現しませんでした。

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