POSILLIPO -cucina meridionale- (ポジリポ -クッチーナ メリディオナーレ)/瀬長島(沖縄)

六本木や丸の内のでカジュアルダイニングを展開するHUGEの新店。都内の方にはリゴレットグループと言ったほうがピンと来るしれません。
当店の自慢は何と言ってもその眺望。徳島のカリフォルニアテーブルも素晴らしい眺めですが、当店から見える海の特長は真っ青であること。その自然の恵みには、景観としての圧倒的な説得力があります。
席につくとウェルカムドリンクが供される。それ単体としては美味しいのですが、若干の甘ったるさもあり、食前に楽しむ液体としてはいかがなものでしょう。
ランチセットのサラダとしては恐ろしく手の込んだ1皿。右にあるクリーム状のものはガーリックマヨネーズ、6時にあるのはアンチョビです。
ナイフを入れると色とりどりの野菜ならびにウズラの卵が詰まっています。手間としては普通のサラダとそう変わらないものの、そのアイデアとセンスの良さに脱帽です。

が、味はイマイチ。野菜そのものの味が薄く、全体としてぼんやりとした印象。もちろんアンチョビなどで塩気を足せという意図でしょうが、平たく言うと美味しくありませんでした。
パンはホイップクリームとハチミツを添えて。こちらも試みとしては悪くないのですが、パンそのものが不味い。水分が抜け切っており、いわゆるひとつの口の中パッサパサである。
メインの県産マグロのグリルにオマール海老。下に敷かれているのはジャガイモです。

予想通りこちらも全然美味しくない。ボリュームとしては悪くないのですが、味付けや火入れに思い切りが無く、不明瞭で弛緩した味わいです。エビそのものの滋味は上々であり味付け無しでも美味しかったのですが、マグロはベチャベチャとオリーブオイルだけが目立ち不味かった。ジャガイモの火入れは適当でガチャガチャな食感。付け合せのパンは言うに及ばず。ガッカリだ。
妻のピッツァも味見させて頂きましたが、生地が悪い。小麦の質が悪いのか発酵が悪いのか、ナポリ風にしては目も当てられない生地の風味でした。
デザートはヴァニラ風味のムース状のものでしたが、これまでの食事とベクトルが全く同じであり、不鮮明な味わいに薄っぺらいコクに肩を落とす。
眺望や内装、サービスについては申し分ないのですが、相対的に料理の不味さが目立ちました。ファミレスのほうがまだ美味しい。

それでもこれだけ食べて2,000円前後という意味で、費用対カロリー(効果ではない)はそう悪くありません。そういう意味で、特に味についれアレコレ議論しない、空気感を楽しむ会であれば使い勝手が良いかもしれません。


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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

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