クレモンティーヌ ビス(Clementine Bis)/祐天寺

祐天寺駅から歩いて5-6分ほどの住宅街にある一軒家フレンチ「クレモンティーヌ ビス(Clementine Bis)」。積極的にメディアに出てはいませんが、フランス料理界隈では根強い人気を誇るビストロです。
これはすごい、完全にフランスのビストロそのものである(写真は公式ウェブサイトより)。テーブルやソファはまだしも、棚や黒板、タイルに至るまで全てフランスのエスプリを感じさせるものばかり。

山岸英二シェフはホテルのレストランを経て渡仏。ブルゴーニュで3年を過ごしたほか、ルクセンブルグでも腕を磨いたそうです。帰国後はいくつかのレストランの厨房を預かったのち、2002年に当店を開業しました。
ワインは都心のレストランに比べると控えめな価格設定ですが、住宅街のビストロという意味ではやや高めかもしれません。我々は泡を一本から赤ワインへと移行したのですが、ビールやジュースを飲んでる方も結構いました。
アミューズから手が込んでいて、ゴルゴンゾーラの風味をきかせたワッフルに鶏レバーと鳥レバー、ラ・フランス。のっけから濃厚な味わいで酒が進みます。
前菜にシマアジ。ムチムチとした歯触りの強力な個体であり実に新鮮。カリフラワーの土っぽい甘味に文旦のアクセントもきいており、私はこの料理がとても好きだ。
ポーチドエッグにアンディーブと柿のサラダ、ポルチーニ茸のトースト。名前だけ聞くとシンプルな料理ですが味わいはグっと深く、そのいずれもが美味。
全粒粉のパンは素朴ながら力強い味わいであり、料理のソースを拭って食べてもうそれだけで立派なごちそうです。
バターナッツかぼちゃのポタージュ。いわゆるカボチャのようにベトベトした甘さはなく、濃厚ながら綺麗な味わいです。
お魚料理はアカハタ。白身魚で穏やかな味わいですが、甲殻類のソースと合わせて食べるにちょうど良し。マイタケのフリットによる転調もきいており、懇切丁寧な味わいです。
メインはカイノミ。言わずとしれた希少部位であり、フランス料理店で食べる機会はなかなかありません。これが、旨い。赤身と脂身のバランスが良く、肉の力強さとジューシーさを同時多発的に愉しむことができました。焼肉屋で食べるよりも全然美味しい。話は変わりますが、焼肉は調理を客に任せている時点で料理じゃないと思います。突然こんなこと言ってごめんね。
デザートは栗のタルトスフレ。栗のホクホクとした甘味とスフレの奥ゆかしい温かさが良く合います。加えて添えられたアイスからはローズマリーの風味が感じられ、なんともセンスあふれる締めくくりでした。
食後のお茶には抹茶のマカロンも付いてきて、パッションフルーツのクリームが実にオシャレ。ごちそうさまでした。

以上のコース料理が1.5万円ほどで、ワインをそこそこ飲んでお会計はひとりあたり2万円強といったところ。都心から外れた住宅街のビストロとしては高めの価格設定ですがその価値は充分にあり、質の高い食材を用いた王道のフランス料理をこの支払金額で堪能することができるのは寧ろリーズナブルと言えるでしょう。

ゲストもきちんとしたカップルが中心であり港区のようなケバケバしさは無く、落ち着いて食事と会話を楽しむことができるお店でした。

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