ビストロ グルトン(BISTRO GLOUTON)/池尻大橋

池尻大橋駅から歩いてすぐの「ビストロ グルトン(BISTRO GLOUTON)」。メディアで派手に取り上げられることは少なく食べログのスコアも3.09と地味ですが(2023年11月)、地元民の間では根強い人気を誇ります。
カウンター席が7つか8つのみの小さな店内。ゲストの殆どは常連客で、予約ナシでフラっと訪れたりと居酒屋的な使い方が垣間見れます。黒板にビッシリ書かれたアラカルトメニューから好きなものを好きなだけ注文と、これもまた居酒屋スタイルです。

小更耕司シェフは乃木坂「Restaurant FEU」でそのキャリアをスタートさせ、フランスで腕を磨きました。帰国後はいくつかのお店の厨房を預かったのち、泣く子も黙るグランメゾン「ガストロノミー ジョエル・ロブション」を経て独立。
お店の雰囲気の割にワインは高いのですが、決して割高というわけでなく高品質のものを相応の価格で置いているという印象。カラフェでもきちんとしたワインを用意しており好感が持てます。
イワシの燻製サラダ。サラダと言ってもイワシがドーンと乗っかっており、脂たっぷりでバリ旨い。サラダには鮮やかな酸味が回っており、ひと皿目で心を掴まれました。
栗のスープ。ホクホクとした秋の風味に恵比須顔。かといってベタベタとわざとらしく甘いことは決してなく、スープそのものにお出汁もきいてとっても万歳。
豚足とフォアグラを詰めたシイタケのソテー。豚足のネットリとした質感にフォアグラの脂質。その全てを受け止めるシイタケの旨味と、素人は決して真似のできない婀娜っぽさがあります。
パンはどこかから取っているのかなあ。素朴ながらパンとして相当に完成度が高く感じました。
玉ねぎのローストはそのまんま玉ねぎのローストでした。美味しいのですが、個人的には「アズリーノ(Azzurrino)」のようにややこしくした方が好きかもしれません。もちろんそれだと全く別の料理になってしまうという異論は認めます。
カニクリームコロッケが絶品。薄く丁寧に揚げられた衣にナイフを入れるとカニの身がギッシリ。注がれたソースもカニの旨味がたっぷりで、そのへんの揚げ物屋のカニクリームコロッケとはレベチな危険物です。
メインは牛ハラミのローストにしました。これぞ王道のバベットステーキであり、フランスのビストロで食べるそのまんまの味わいです。たっぷり添えられたフレンチフライも良い雰囲気を出しています。
もう少し食べれそうだということで、キノコのクリームパスタも注文。ちなみにこの他にパスタはいくつかあって、このあたりのボーダレスな自由度の高さは当店の最大の魅力と言えるでしょう。
デザートはバジルのジェラート(?)とプリンを注文し連れとシェア。バジルの香りが圧巻で、そのままパスタにできそうなほどの主張の強さを感じました。
以上を食べ、かなり飲んでお会計はひとりあたり1.6万円ほど。普通の飲酒量であれば1万円程度に落ち着くはずで、このクオリティのフランス料理を好きに食べたことを考えると実にリーズナブル。

冒頭に「メディアで派手に取り上げられることは少なく食べログのスコアも3.09と地味ですが(2023年11月)」と記しましたが、ミシュランではキッチリとビブグルマンに選出されており、ある意味でミシュランの調査能力に舌を巻いたディナーでした。オススメです。

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