榮林(えいりん)/軽井沢

創業は1956年と軽井沢を代表する老舗の中華料理店「榮林(えいりん)」。元々は赤坂で「料亭榮林(えいばやし)」として産声を上げ、のちに「中国料理榮林(えいりん)」として業態を変更し、同時に軽井沢店にも開業しました。現在の本店は神楽坂へ移っているようで、軽井沢を愛したジョン・レノンが度々訪れたお店です。
店内は非常に広く、コテージ風の母屋と座敷のある別館の2棟構成で、200席近くあるようです。それでも夏場は常に満席に近いので、予約をして訪れたほうが確実です。また、冬季は休業していたのですが、コロナで移住者が増えたためここ数年は年中営業しているようです。
入店してすぐにキンキンに冷えたお茶がピッチャーで供されます。夏にはとても嬉しいサービスだ。一方、接客は観光地にありがちな機械的な対応であり覇気が感じられません。疲れているのはわかるけれど、この仕事を選んだのは自分なのだから、もう少しプロ意識を持って欲しいところです。
前菜盛り合わせ。これはまあ、中華料理屋のコース料理で最初に出てくる一般的な前菜盛り合わせ味ですね。とても普通です。
点心は焼売に翡翠餃子。こちらも人工的で連続的な味わいであり量産型。不味くはありませんが美味しくもありません。
魚介と高原野菜の炒め物。ようやくきちんと調理したという料理が登場し心が弾みます。それでもまあ、バーミヤン以上ホテル中華未満といったクオリティであり、旨いが味気ないといった印象です。
スペシャリテの「酸辣湯麺(スーラータンメン)」。この料理は中国起源ではなく赤坂本店の賄い料理が発祥だそうです。酸味が非常に強く胃液を食べているようでもあり、好みが分かれるところでしょう。
ザーサイは一般的なそれに比べると青味が強くフレッシュな印象。私は結構好きなのですが連れは顔をしかめて寄越してきたので、まあ、好みは人それぞれ。
デザートは杏仁豆腐。水分含有量が多くスっと舌の上で溶けていきます。

以上のランチコースが5千円弱。うーん、これはちょっと割高だなあ。もちろんピークシーズンのド観光地で予約ができてという意味ではこんなもんかもしれませんが、これなら都内の町中華で同じ予算をかけて好き放題食べたほうが満足度は高いでしょう。あくまで軽井沢を食べるつもりでどうぞ。

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