ブラッスリー・ポール・ボキューズ 大丸東京 (Brasserie PAUL BOCUSE)/東京駅

ひらまつが運営する「ブラッスリー・ポール・ボキューズ 大丸東京 (Brasserie PAUL BOCUSE)」。リヨン郊外の本店は風雲たけし城のような威圧感のあるレストランですが、日本で「ブラッスリー~」と冠するポール・ボキューズはいずれも至ってカジュアルで、私も色んな店舗をしょっちゅう利用しています。食べログでは百名店に選出。
カジュアルとは言ってもそこは日本フランス料理界の雄、ひらまつグループの運営なので店舗設計は万端。東京駅直結の大丸のレストランフロアにあり眺望は抜群。サービス陣の動きも良く、笑顔は明るく、とても気持ちの良い時間を過ごすことができました。
乾杯の泡はクレマンドブルゴーニュ。ちょうど先日、パワハラ天ぷら屋でクレマンドブルゴーニュのシャンパンという謎ドリンクを見かけたばかりなので盛り上がってしまいました。このあとグラスで白と赤を1杯づつ頂いたのですが、いずれもフランス産ながらもニッチなチョイスであり、手頃で旨いワインを見つけてくる組織力は流石です。最近の銀座や六本木の、ブルゴーニュをボトルで注文して3万円~は当たり前でしょという狂ったナイトライフに一石を投じる姿勢です。
パンはシンプルなバゲットに鶏肉(だっけ?)のリエット。当店はあくまでブラッセリーなので、ゴテゴテとした装飾はすっかり取り払われています。
前菜にサラダ。なのですが、アスパラにはベーコンが巻き付けられており中央にはポーチドエッグが鎮座していたりとオカズ的なニュアンスも強く、少食なギャルであればこの皿と先のパンでランチは済んでしまうかもしれません。
ヴィシソワーズは大サイズとハーフサイズから選択することができ当然に大サイズ。思いのほか調味とクリームが強くコッテリとした味わいですが、キンキンに冷やされているので口あたりよくグビグビと飲めてしまいます。大サイズにして本当に良かった。
お魚はサワラ。付け合わせにタケノコとヤリイカを用いるという面白い組み合わせであり、これまたコッテリとした白ワインソースに思わず笑みがこぼれます。
メインディッシュはオーストラリア産の牛フィレ肉。肉そのものは非常にエレガントな味わいで、サシがベットベトの和牛に比べると実に綺麗な料理です。他方、ソースは濃厚なペリグー(マディラ酒ベースのトリュフソース)であり、色気が強く思いのほか食べ応えがありました。
デザートはラズベリーのムースにレモンのソルベ。普通に美味しいのですが、どうにも披露宴的な盛り付けでありパっとしません。ブラッスリーなんだから、もっとスプーンでどぷっって取り分けるような雑なデザートでいいのに。
流石はひらまつ、予約からお見送りまで安心・安定の品質でした。クセつよつよなオーナーシェフの小さなお店も楽しいですが、当店のように大箱ながらミスひとつなく理路整然と作業が進んでいく様を見届けるのは、ある種の感動すら覚える愉しみがあります。自衛隊の訓練に取り入れても良いかもしれません。

ランチのコースは3千円台から始まりお値打ち。ディナーもグループであればフリーフローのプランもあるので、仕事の打ち上げでちょっと贅沢に行こうかという気分にもピッタリ。東京駅にも直結しており利便性も高く、何かと使い勝手の良いお店です。

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