スイス vol.1~氷点下キャンプファイヤー~

「スイスにアゴアシ付きでお越し下さい」という大変ありがたいオファーを頂戴しました。飛行機やホテルはもちろん、現地交通手段や食事まで全て向こう持ちというVIP待遇。さらには現地の若者3名がガイドとして付くという夢のような旅行です。

現地滞在は7日間。到着初日はチューリヒでパーティに参加。翌日はルツェルンとベルン、3日目はヴェルビエ、4日目朝にホストと解散し自由行動でツェルマット2泊。6日目に再びチューリヒに戻り、7日目に発つというプランです。
ホストが気が利く方で、私が自由行動中に個人的にお邪魔したかったレストランも全て予約しておいてくれました。ここまで至れり尽くせりな旅行は人生で初めて。ただ、弊害もあって、実感が全く沸かないんですよね。事前に「地球の歩き方」を熟読して知識を仕入れることもなく、地図や時刻表を仕入れて旅のしおりを作るでもなく。完全に無計画での参加となってしまいました。「旅行は出発までが一番楽しい」という言葉の重み。

現地のガイドたちからは「小さなボトルでいいから日本酒が飲みたいです。あと、こっちで買えない日本のスナックを買ってきて欲しいです」という、なんて幼気なリクエスト。おじさん頑張っちゃうぞということで選びぬいた土産物がコチラ。
日本が抹茶とワサビで回っている緑の国と誤解されたら私の責任ですごめんなさい。柚子のピールとか、梅昆布とかは中々に鋭いセレクションだと自画自賛。

スイスへの直行便はスイスインターナショナル。成田から。第一印象は、あぁエコノミーなんだ、なのですが贅沢言っちゃあイケマセン。タダですから無料なんですから!
機内食は期待できないので、ANAラウンジでカロリー補給ならびにアルコール消毒。今回はANAを使用するわけじゃないのにお邪魔してしまい恐縮です。麻婆豆腐おかわり。
搭乗時刻が近づきゲートへ向かうと何故か私の名前が盛大に連呼されています。これはもしや直前のインボラ(無償アップグレード)か!?とドキドキし、思わず小走りで駆け寄ったのですが、係員の口から思いもよらない台詞を向けられました。「機内で召し上がる特別チョコレートのお支払いが未だのようですが」。

何こいつ意味わかんない、という表情を浮かべると、「も、もしかして、ご注文されていませんか?」と焦り始め、私が注文した覚えは無いがホスト側の誰かが気をきかせて内緒で注文しているのかもしれない、あーあ、サプライズ、バラしちゃったね、とおどけてみせる。彼女にとっては生き地獄。

互いに確認を取り合うと、まさに私が予想した通りの顛末。気持ちは嬉しいが何という詰めの甘さ。ホストのドジっ子ぶりを笑い合い、その場は丸く収めました。
スイスのビールのデザインが大胆。

のんびり読書を楽しんでいると、品の良い年配のチーフパーサーが「お話は伺っております。この度は私達のスイスにお越し下さり、本当にありがとうございます」と挨拶に来てくださいました。
「こちらは歓迎の意を込めて我々よりプレゼントです」ということで、レダラッハ。嬉しいですね。

彼はベルン南部のトゥーンという街の出身。ベルンというのはスイスの首都らしいです。私はジュネーブが首都もしくは100歩譲ってチューリヒが首都だと、この瞬間まで信じて疑いませんでした。
だってグーグルで検索して最初に表示される地図がこれですよ。ベルンは首都としての自覚が足りないと思います。

私のスイスに対する知識の甘さを見かねてか、かなりの長い間スイスにおける旅のポイントなどを懇切丁寧にご説明して下さいました。

チューリヒ到着。荷物をホテルへ届けてもらうよう手配し、現地スタッフの案内で山へ向かう。「ちょっと歩きます~」といいながら雪道を20分近く歩く。スイス人の「すぐそこ」は徒歩5分であり、「ちょっと歩く」は徒歩20分です。ご参考まで。
我々は準備よくトレッキングシューズだったので事なきを得ましたが、彼女たちは普通にオフィスワークを終えたままのヒール靴で大変そうでした。
我々を案内して下さる方々と挨拶を交わし、ホットワインで乾杯。氷点下でキャンプファイヤーを囲むとかバカでしょう。
食事の準備が整ったとのことで、レストランへ。皆でチーズフォンデュをつつく歓迎パーティです。
日本で形だけのチーズフォンデュを試したことはありますが、本格的なものは今回が初めて。想像以上に白ワインの味が強く、若干ですがアルコールも感じます。それにしてもすごい量。5リットル以上ある。
当たり前ですがスイス人はチーズフォンデュを食べるのが上手い。我々はポタポタとしずくを落としたり、パンが鍋の中で行方不明になったりと惨憺たる有様でしたが、彼らは鍋の中で思いっきりグルグルとかき回したりしても、1滴も零さず美しく一口で食べ切ります。
こんなに食べれないよーと思ったチーズの水位があっという間にこんなに低く。

その後もスイスと日本の国際交流会は続く。スイス人は皆、3~4カ国を話すことができて凄いのう。「なぜ日本人は学校で英語を学んでいるのに話せないんだ」という素朴な疑問を向けられ答えに窮する。さらには「最近の日本の若者は漢字が書けず、平仮名と片仮名のみで通していると聞いているが、本当か」とまで疑念を持たれたので、「それを日本では前向きに"ゆとり"と捉えています」と説明しておきました。
チョコファウンテンなどのデザートを楽しんだ後、あまりに眠いので早めに失礼することに。
酔いと眠気と暗闇の雪道を歩くのは中々に怖かった。
ホテルまで送ってもらってチェックイン。この辺りでミネラルウォーターを買える場所はあるかと問うと、「スイスは水道水飲めます!」と自信を持ってご回答頂けました。いいですねこの仕組み。


「スイス」シリーズ目次

スイス関連の本は手当たり次第に読みましたが、やはり地球の歩き方が最も上手くまとまっていました。Kindleに入れて持ち歩けば旅行でも荷物になりません。この情報量で1,700円は安い!


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旅行が好きです。油断するとすぐに旅に出ます。楽しかった大型旅行の先頭記事をまとめました。リンクに飛んでから、順々に次のページをめくって頂ければ幸いです。