スイス vol5~ついに高山病~


今回の旅において初めての連泊、かつ、大変に素晴らしい宿泊先であるため、今日はゆっくりとホテルライフを愉しむこととします。
朝食をたっぷり摂った後、窓よりマッターホルンを眺めながら二度寝。最高か。
昼近くになったのでボチボチ出かけることに。向かうは標高3,883メートルのマッターホルン・グレイシャー・パラダイス。ロープウェイで手軽に登れるのは嬉しいのですが、料金が往復で12,000円は辛いなあ。
何度かロープウェイを乗り換え、途中の大きなレストランがある駅で高地順応を兼ねてお写真タイム。
マッターホルンを見る角度が昨日のゴルナグラードと異なり、正三角形。まるであぐらをかいているかのよう。新田次郎の「座したる巨人」という表現に納得。
さらにロープウェイを乗り継ぎ、3,883メートルに到達。ツェルマットの街は標高1,500メートルほどであり、総乗車時間40分でこの高さに達してしまって人間として大丈夫なのでしょうか。
高山病なのか、顔面蒼白、風呂あがりのような立ちくらみ、呼吸が速さ浅さ、正常な思考ができず、山座同定する余裕もありません。
ちょうど雲が我々の高さに流れてきて、わーいわーいフワフワだーと、雲の中に入ることを楽しみにしていたのですが、雲が近づくにつれて空気がうねりを上げ始め、生命の危険を感じたので慌てて建物に避難します。雲って怖いんやな。
ヨーロッパ最高峰のレストランでビールでも飲もうと楽しみにしていたのですが、気持ちが悪くそれどころじゃありませんでした。数十分過ごしても身体が順応する気配もなく、白い世界を覇気なく眺め続けているのもアレなので、暗い気持ちのまま下山します。
なんだかんだブラブラして、3時間ほどを山中で過ごしました。麓に戻ると山頂で締めたペットボトルが気圧の関係でペチャンコに潰れており漠然とした恐怖感。そりゃあ体調悪くなるわけだ。

富士山もロープウェイで気軽に頂上に行けるようにすればいいのにな。「自分の足で登ってこそ価値がある」のような謎のドM根性論が日本人のOSにプリインストールされているのは本当に残念です。
ツェルマットの街の土産物屋をひやかします。途中、駅で明日の氷河特急、すなわち「世界一遅い特急」のグレイシャーエクスプレスを予約。
続いてスーパーを2軒ハシゴ。スイスでは500mlの水を自販機で買うと400円ぐらいするのですが、こと生活必需品に限り、買い方を工夫すればそう無茶苦茶に高いわけではありません。
逆に、もちろん関税やら輸送費やらの影響もあるのでしょうが、ヨーロッパの地ビールについては日本の半額だし、ナチュラルチーズに至っては3分の1ほどの値段で買うことができます。
私は圧倒的に夏の海派で、山とか寒いとか苦手だったのですが、ここまで極端に寒いと爽快感すら感じられ、愛おしい気候にさえ思えてきました。
夕食はミシュラン1ツ星のイタリア料理屋へ。「なんでスイスにまで来てイタリアン?」と思われるかもしれませんが、ここはツェルマット。イタリアとの国境まで数キロの地点なのです。詳細は別記事にて。

「スイス」シリーズ目次

スイス関連の本は手当たり次第に読みましたが、やはり地球の歩き方が最も上手くまとまっていました。Kindleに入れて持ち歩けば旅行でも荷物になりません。この情報量で1,700円は安い!


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