ビストロアリゴ/神保町



おにまるで美人音楽家と飲んでその場でCDを注文してモテちゃった事件を覚えてますか?先日、彼女のコンサートにお邪魔させて頂いたのですが、「この前は来てくれてありがとう。お礼したいからお食事でも」という嬉しいお誘い。
訪れたのは神保町の裏路地にあるボロい趣深い古民家。2階へは店の脇から勝手口を抜け、靴を脱いで上がります。ブーツなどややこしい靴は控えましょう。
畳敷きの和室に床の間、ちゃぶ台、座布団。こんなビストロ見たことがありません。掘りごたつ仕立てではなく本当に地べたに座るため、女子はズボンで来ましょうね。また、足の組めない欧米人にも難しいお店かもしれません。
冷房はかけず窓を全開にしてちょうど良い気候。しっとりと纏わり付く湿気を追い払うには生ビールが一番。ちなみに1Fは立ち飲み、2Fは座敷であり、同じメニューであっても1Fのほうが少しだけ安く価格が設定されています。
お通しのパン。標準的なバゲットです。「これ、もし良かったら聞いて」と、彼女のCD何枚かを頂戴する。ジャケットには彼女の美しい顔が大きく印刷されており、その場で眺めるには少しだけ気恥ずかしく、もう少しだけ得意気な気分。「中に手紙も入っているからね」
パテ・ド・カンパーニュは厚さ3センチと大迫力。取り囲むベーコンの塩気もパンチがあって良く、荒々しくガツンと食べるに最適な前菜です。
泡。グラスワインは500円以下からスタートと格安なのですが、やや少なめに注がれます。きちんと6杯取り換算すれば700円ぐらいじゃないかなあ。いずれにせよ安いことには変わりありませんが。
アリゴ。チーズを勉強するに避けては通れない料理です。マッシュポテトにチーズが混ざってビヨーンと伸びる。ミッシェル・ブラスでも出される、フランス中南部を語る上では必修科目。バゲットに絡めてムシャムシャと頬張り至福のひと時。
ソーヴィニョン・ブラン。どこのかは知らん。こちらも500円を切ります。
うずらのローストを注文したかったのですが残念ながら本日は入荷無し。代わりに鶏モモ肉を注文。到着して驚き、ソフトボール大の巨大な肉塊。
ふたつに割ると、鶏肉のミンチがギッチギチに詰め込まれています。この密度には脱帽。300g近くあるのではあるまいか。しっかりとした味付けもグッド。正攻法のビストロ料理に納得です。
カリニャン100%のワインを飲むのは初めて。MBAとまでは言わないものの、イチゴの香りが圧倒的で面白かったです。
〆は自家製のジンジャーエールを用いたサワー。グラス下部に数センチ堆積するほどのショウガの量で風邪をひきたくなる。熱帯夜に相応しい爽快感溢れる味わい。大満足。

飲んで食べてひとり5,000円を切ってくる超優良店。客層は30歳前後で、ガブガブ飲んでワイワイやりたい雰囲気です。気の置けない仲間と来るのに最適。次回は事前に大人数で予約して、車座になって酔っ払いに来たいと思います。オススメ!

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