ラパルタメント ディ ナオキ/麻布十番


L'appartamento di NAOKI。食べログで3.88と高評価、かつ、ランチは日曜日のみの営業ということで、ランチの座席は争奪戦かなあとダメモトで電話すると、あっさり予約取れました。ラッキー!
エレネスクと同じビルの4Fです。この建物はハイセンスな飲食店が集結している。
昼なのでお酒は泡1本勝負。パン皿の意匠が面白く、グリッシーニを突き刺す穴まで。なんでもシェフはインダストリアルデザイナーを目指していた時期があったとか。
前菜の美しさに目を瞠る。失礼ながら4,000円程度のコースだったので、それほど期待はしていなかったのですが、ここまで手の込んだ皿が出てくるだなんて、食べる前からスキップしてしまいました。
萩のイサキ。軽くスモークした香りが鼻腔を心地よくくすぐります。新鮮も新鮮で栄養満点。
うずらの卵の目玉焼きと思いきや、白身部分は帆立のムース。海の味が舌先を満たした後は、黄味がねっとりと支配する。自家製のカラスミも厚切りでドンと来て悩殺。
島根の味はクスクスとキュウリと共に。素晴らしき味わいのボキャブラリー。これホームパーティで出したらモテるだろうなあ。
鶏肉はピスタチオとドライトマトを捻じ込んであります。これは普通。鶏肉のポーションが大きい割りに凹凸に乏しい味付けで平板に感じてしまいました。ピスタチオやドライトマトでどんちゃん騒ぎさせたらもっと好きになれるかもしれません。
下には100%カカオのパウダー、上にはパイナップルのコンポート。中にはなんと、フォアグラ先生が鎮座していました。基本的にフォアグラを甘く食べるのは好きじゃないのですが、この皿は例外。フォアの旨味と鉄分をカカオが中和し、パインの酸味が後味を整える。
シーザーサラダはまあ普通なのですが、プレゼンテーションが素敵です。
 焼きたての全粒粉パンも太陽の味わいに満ち満ちておりグッド。
他方、フォカッチャは香りが控えめで全粒粉パンよりは印象が薄かった。
スパゲッティはタコのミンチとジャガイモをジェノベーゼソース。量がたっぷり、かつ、骨格のある味付け。タコの旨味が強烈に美味しい。ここからは私の好みなのですが、温麺であればリングイネがいいなあと思いました。あとこの季節、冷製にしても良いかもしれません。
ラムはピンク色にローストした後に2分間の瞬間燻製。香ばしいかおりが食欲をそそります。見た目に違わず格別の味わい。ポーションも充分。文句なし。
ドルチェはココナツのアイスクリームに桃とルバーブのコンポート。4,000円のコースにここまで手の込んだ甘味を出す姿勢に敬意を表します。
食後の飲み物にはコーヒーを選択。ショウガのマカロンに八丁味噌のチョコレート、フィナンシェと最後の最後まで抜かりなし。見事なランチコースでした。

くどいようですが酒抜きだと4,000円です。これで近所のピッコログランデのやや割高な料理と変わらない値段だなんて。

欲を言えばあと少しの強烈な個性。今後、より一層の作家性を持った品々の創作に期待です。オススメ!



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麻布十番はイタリア料理屋も多い。ただし、おっ、と思えるお店は少数です。個人のお店のランチが狙い目ですね。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。


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