ワインバー エム/恵比寿

wine bar M。グラスワインが豊富、かつ、ブラインドで出してくれたりと、受験者内では有名なお店です。「ワインスクール同期との勉強会を開催するので、ワインエキスパートであり著名なグルメブロガーののタケマシュラン様に先生としてお越し頂きたく」とか何それ超やりづらい。
恵比寿の雑多な街並みから1本路地に入った静かなビルの2階にあります。店内は常に満席。ワインが好きそうな女性客多し(写真は公式webサイトより)。
指定された時間に来ると誰もオランダ。私はスペシャルゲストであるはずなのに、時間通りに来たのは私だけという酷い仕打ちを受けました。腹いせにひとりハイネケンをガブリ。
「遅れてサーセン!ジム行ってました!最初、泡で良いですか?」と屈託の無い笑顔で登場する外資証券。じ、ジムだと?馬鹿にしやがって。お前はバンメシ抜きの刑じゃ。ちなみに神咲豊多香の隠し子は、健康診断で肝臓の値が悪くドクターストップのため欠席。24歳だというのになんとまあ。笑っちゃいけないけど笑ってしまいました。
タイのカルパッチョ。 鮮度が良く歯ごたえバッチリ。タイってそんなに高くないのにものすごく美味しい食材ですよね。イクラがふんだんに散りばめられており海が豊か。
オーソドックスなパテ・ド・カンパーニュ。何もかも健全で素直に美味しい。粒マスタードが美味しくって、これは恐らくタスマニア産である、と適当に言ってみたら本当にその通りで、無闇に自己の評価を上げてしまいました。
シーザーサラダはドレッシングがベッタベタで酷く味が濃かった。もちろん正統的なシーザーサラダと理解はできるのですが、焼けるような味わいでワインには合いませんでした。
パンは真っ直ぐな味わいで好き。「筆記試験、何点ぐらい取りました?」と眼を輝かせながら私に質問を投げかける菅野美穂似の女の子。130点満点中122点。ただ、僕は生まれつき頭が良い上に誰よりも勉強する鬼に金棒系なので参考にならないですよ、と返す。すぐにその眼から輝きは失われました。
本日のメインイベント。ブラインドテイスティング開始。私はフランスのリースリングとドイツのリースリングと回答。答えは日本の甲州とドイツのリースリング。ちょっと特殊な甲州で妙に美味しかったことを差し引くと、私としては完全正答に近いと勝手に納得し、ウキウキしました。他の参加者は産地はおろか品種まで何も当たらない状態。私のドヤ顔が止まらない。
ガーリックシュリンプは、月並みな表現ですがプリプリのエビとホクホクのジャガイモがラブリーな組み合わせ。ただ、換気が悪いのか調理中にニンニクの匂いが店全体を多い尽くすので、ワインの香りが一時的に全く中断するのは残念な仕様です。
日本のマスカットベーリーA、日本のカベルネ・ソーヴィニヨンと回答。正解はフランスのピノ・ノワールとオーストラリアのシラーズでした。0点である。穴があったら入りたい。「何寝ぼけたこと言ってるんですか、これはどうしたってブルゴーニュのピノでしょう?」と皆のドヤリングが果てしない。テイスティングのお勉強もいいですけど、まずは1次の筆記試験突破が肝要じゃないのかな?と、あからさまに論点をすり替えて、ハイ、これにてブラインドは終了!もういやだ!
鴨も基本に忠実な調理で真一文字な味わいです。備え付けのキノコのソテーに大地の味が感じられて良かったです。
ここからはボトルで。南アフリカのもので、毎年ブドウの品種とブレンドを変えその内容は秘密という面白いワイン。チョコレートやカカオの香りが爆発し、骨格のあるタンニンも感じられ、ものすご好きな味わい。
ビストロで餃子!?なんでもニラやニンニクは使用せず、肉の比率が高いミートソースのような餡を皮に閉じ込め、バリっと焼き上げた逸品。ありそうでない発想。本日一番のお皿です。「先生、餃子に合うワインって何ですか?」と問われ、アサヒスーパードライだね間違いない、と返す。以後、こいつは間違いなく偽者だ、という侮蔑の視線が私に向けられるようになります。
チーズ盛り合わせ。12時から時計回りにミモレット、ブリドモー、マンステール、シュロップシャー・ブルー、クロタン。「チーズの勉強してんだろ説明しろよ」と扱いが大層悪くなってきた。それぞれどのようなチーズかと懇切丁寧に説明します。少しだけ名誉を挽回できた気がします。気だけかもしれません。
テンプラニーリョ。良く飲む奴らだ。ブラックベリーに炭のような香り。黒系果実の凝縮感。これをお店で飲んで10,000円を切ってくるのは素晴らしいですね。

酒も回り始め、「お歳はいくつなんですか?」という無礼勇敢な質問を菅野美穂に投げかける男子。はにかみながら「ろく…なんです…」という答えに対し、全員がああ26歳ねと納得したその瞬間、「36歳にもなって、こんなにはしゃいじゃってゴメンナサイ」という爆弾発言。全員がドリフのようにイスから転げ落ちました。お世辞でも何でもなく、本気で20代だと信じ込んでいてタメ口全開だったのに、私より年上とは。今さら敬語に戻すのもヘンなので、発想を変えてファーストネームで呼ぶフレンドリー路線で行くことにしました。
ワラワラヴァレーのメルロ。リッチな味わいでタンニンがきめ細かい。今夜のボトルワインは全部当たりだ嬉しいな。

ところで菅野美穂につき、私が独断で猥談OKと判断し、「じゃあ最近チューしたのいつ?」と一石を投じてみる。飲み会でこの質問をするとかなりの確率で盛り上がるので、皆さん自由にお使い下さい。もちろん法事のような親戚同士の集まりで使用すると波紋を呼ぶ蓋然性も高いので、用法・用量をお守りください。

「関ヶ原の戦いの頃ですかね」と、菅野美穂の見事なリターンに拍手喝采。それじゃあ歴史を動かそう、それは今夜になるかもしれないね、と言いあぐねながら夜は明るく更けていく。

心から今さらなのですが、Twitterを始めました。当ブログは訪問日よりも約1ヶ月遅れての記事オープンですが、Twitterではできるだけリアルタイムに投稿していきたいと思います。


現在のフォロワー数は1桁と、ネット界最弱の状態で目も当てられないので、読者の皆様ぜひぜひフォローをお願いします。



関連記事
テイスティングは生まれ持っての繊細な味覚に拠るといったことはなく、地道な練習あるのみです。誰でも最初は「赤ワインなんて全部同じじゃーん」と思うものですが、そのうちコーヒーと紅茶ぐらいの違いに感じるようになります。その特訓記録をまとめました。


ソムリエの筆記試験の勉強方法は千差万別ですが、私は地理から入りました。地図と一緒に対応するアペラシオンなどの表が記載されており、上手に整理されていると思います。白地図もついており、復習し易いです。


関連ランキング:ワインバー | 恵比寿駅代官山駅中目黒駅