不都合な真実に脅えてアラスカへ<8日目>~乗船150回目1,600泊の老夫婦~

■Misty Fjords Seaplane Exploration/ミスティ・フィヨルド国定公園(アラスカ)
ヘリコプターでの氷河遊覧の催行が中止となり、すぐさま予約したオプショナルツアー。ケチカン東部にある風光明媚なフィヨルドであり、水上飛行機かボートでしか訪れることができず、「北部のヨセミテ」とも呼ばれています。

しかしながら不運というものは続くものであり、視界不良のため水上飛行機が飛ばないとのこと。ケチカンは雨が多い地域であり、朝も早くから鈍色の空が広がっていたため覚悟はしていましたが、それにしても今回の旅行は天候に恵まれない


■ダウンタウン(Downtown)/ケチカン(アラスカ)
 ケチカン(Ketchikan)はアラスカ最南端の街であり、メインランドから北を目指す旅行者が最初に訪れる街。そのため「アラスカの1番目の街」としても知られています。
しかしながらジュノースキャグウェイなどと同様にアラスカの鄙びた田舎町そのものであり、ゴールドラッシュ時代の歓楽街であるクリーク通り(Creek St.)や、
 アラスカ先住民の遺産であるトーテムポールが名物となってはいるものの、見るべきものは特にありません。今後、この地を訪れる予定の読者の方は、オプショナルツアーなどを利用することを強くお勧めします。


■ポーラー・トリーツ・エスプレッソ(Polar Treats Espresso)/ケチカン(アラスカ)
https://tabelog.com/america/A5905/A590506/59002400/
 無料wifi完備のコーヒーショプでネットに接続。久しぶりにメッセージをチェックすると「知り合いの女子アナにイケてる独身男性を紹介してやって欲しい」「来週、元女子アナとの食事会があるから来ないか?」など、実にくだらない連絡事項ばかりである。そういえば最近は女子アナ案件が多いなあ。「『独身男性』の定義とは?バツイチや恋人がいたりしても良いか?」「OK行く行く参加します」などと手早く返信。
また、暫くブログを更新しておらず、業界関係者の中で「タケマシュラン死亡説」が流布されるのもアレなので、ストックしてある記事をまとめてアップ。ビジネスに係るメールもいくつか返信。この時期に海外に行くとは特に宣言していなかったので、時差の関係により日本時間の丑三つ刻に仕事をしているかのように見えることでしょう。働き者と思われるに違いない。


■リピーター向けパーティ(Captains Circle Cocktail Party)/ルビープリンセス(Ruby Princess)
https://tabelog.com/america/A5905/A590501/59002401/
 最後のフォーマルナイトには船長主催の、リピーター向けパーティが開催されます。パーティと言っても壮大なイベントが待ち受けているわけではなく、カクテルなどが無料で飲み放題になり、皆、思い思いに歌って踊る雰囲気です。乗船回数の多いゲストの表彰の後、おなじみのくじ引きタイム(賞品はシャンパーニュ)を経て船長との記念撮影で〆るという段取りでした。
ところで約3,200名のゲストの内訳は、
  • ゴールド・メンバー(2〜3回目の乗船または2〜30泊):300人程度
  • ルビー・メンバー(4〜5回目の乗船または31〜50泊):70人程度
  • プラチナ・メンバー(6〜15回目の乗船または51〜150泊):100人程度
  • エリート・メンバー(16回目以上の乗船または151泊以上):40人程度
でした。8割近くが一見客という事実に驚き。我々はルビー・メンバーでありプラチナ・メンバーまであと一歩という所なので、もうちょっと頑張っちゃおうかなあという気になってしまいます。上手いですねこの仕組み。

ちなみに今回の航海で一番の常連客は乗船150回目1,600泊の夫婦。外見から判断するに90歳を越えてはいましたが、夫婦でこういうふうに年を取るのは幸せだな、と羨ましく思った夜でした。


■ダ・ビンチ(Da VInci)/ルビープリンセス(Ruby Princess)
最後のフォーマルナイトはメインダイニングで摂る。なるほど熱烈に勧誘されただけあり、立派なロブスターと大海老であり、大変美味しゅうございました。今回の船旅は毎食エビとカニを食べることができ実に幸せである。


■Magic To Do/ルビープリンセス(Ruby Princess)
 最後のフォーマルナイトのショー。しかるに最も気合が入っているはずあり、しかも言語の壁を取っ払うマジックショーだと期待に胸を膨らませて参加。
BGMは生演奏と本格的。しかしながら内容はお粗末の極み。歌って踊るショー(ディズニーの出来損ないレベル)の合間に唐突にマジックやイリュージョンを挟み込んでくるのですが、そのクオリティの低さと言ったら無い。空中歩行のタネは丸見えだし、空中浮遊はキコキコと鉄製の何かで吊り上げている音が丸聞こえ。小道具を使った手品に至ってはテニスサークルの新歓コンパレベルです。

長い客席の中央に座っていたため途中退席もできず、仕方なく睡眠時間に充てようと決意したのですが、その寝入り端にガツンと頭に衝撃を受け何事かと飛び起きると、どうやら演出の一環でステージから客席へ向かって紙テープが投げ込まれ、たまたまそのうちのひとつが私の頭に命中したようです。演出の一環と信じたい。


■Grand Gala Prty & Balloon Drop/ルビープリンセス(Ruby Princess)
 航海の終わりも近づいたということで、吹き抜け広場でお疲れ様パーティ。年末年始のイベントさながらにカウントダウンを行い、0と同時に大量の風船が降ってきます。老若男女問わず皆風船は大好き。妙に盛り上がったイベントでした。
終了後は当然にエレベーターが大混雑。我々が乗り込んだ後にデブな夫婦が続いたのですが、エレベーターはうんともすんとも言わず扉も閉まらない。

「知らん顔してるけど、お前らだから」という皆の冷たい視線に気づくまで数十秒を要し、気配を察したデブ夫婦がようやく降りたと思いきや、間髪入れずもっとデブな夫婦が乗り込んでくる。アメリカのコント番組であれば爆笑が渦巻いているところであろう。

「知らん顔してるけど、もっとお前らだから」という皆の冷たい視線に彼らは気づく気配は無く、我々は早々に見切りをつけ、一段飛ばしで階段を利用することに。我々に何人か他の客も続いたのですが、彼らは一様に細身。このようにして体型の格差社会が進行していくのですね。


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