おにまる/麻布十番


シンガポール女子の東京案内の締めは当然におにまるです。彼女にゆかりのある飲み仲間も組織的に集め、立ち見が出るほどの大宴会。
シンガポールと私は京葉線の東京駅での乗り換えなどで結構な距離を歩いてきたので喉が渇く。ビールを一気飲みする溜息が宴のゴングです。いきなり芋焼酎から始める女性もいらっしゃり、今日中に帰ることは諦めました。
「こういうの、シンガポールで食べることができないから最高かよ」熱気に溢れたコメントと共に日本の味にかぶりつく。

ところで、開始後数十分は女性の中に男は私だけという状況。たまたま訪れた読者の方に「あ!タケマシュラン!いつも読んでます~」と目撃されました。若い女性に囲まれてキャッキャ騒いでいたところを見られてしまい、なんだか痛いオッサンのようで恥ずかしかったです。
「タコタコ食べたい絶対タコ」と、ご近所さん(以下タコ)。ここまで熱狂的にタコを欲する女性は珍しい。ちなみに彼女は1日に2度UberEatsを注文する私に次ぐシェアリング・エコノミー厨です。
スペシャリテのごまさば。先に述べた通りシンガポールは鮨屋においていかにサバが好きかを熱弁してくれたのですが、「マジでこいつ鮨屋でサバの話を30分もしやがって」と面白おかしくみんなに聞かせると、「30分も話してないもん!」と想定通りの突っ込みが入りました。

かかったな、とほくそ笑みながら「ごめん、サバ読んだわ」と完璧なスマッシュが決まったとドヤったところ、「そういうの本当にやめたほうがいいですよ」「やばくない?」「マジできめえ」「ハゲマシュラン」と散々な評価を受けました。
シラスサラダ。これを注文したのはタコ。あまり参加率が芳しくない怪我の功名か、普段の我々が巡りあわない料理を注文してくれます。
「納豆食べたい!」とシンガポール女子。おやすい御用と五色納豆。香ばしい海苔で巻き取りながら一口で頬張ります。電光石火で食べ切った直後に彼女が発した言葉は「おかわり!」
日本酒へ。シンガポールは醸造酒が苦手。レモンサワーとハイボールばかり飲んでいるのでLDHかよ、と突っ込むと「ウイスキーが好きなんです。昔から父が飲んでいて、この香りに馴染みがあって」と、彼女のお嬢様っぷりを垣間見た瞬間でした。
シイタケ嫌いが到着してビールを頼むよりも先にチキン南蛮を注文。さすがの常連組のチョイスである。

さて、今日、僕らはふたりでどこへ行って来たでしょう~?と問題を出すと「興味ない」とつれない回答。そんなこと言うなよ~、ディズニーシーなんだ~えへへ、と無理矢理伝えると「マジできめえ」と切り捨てられました。
ミスターボリュームアップも到着。シイタケ嫌いがミスターボリュームアップに「おう、今日、こいつらふたりでドコ行ってたか知ってっか?ディズニーシーだぞ」「マジできめえ」今日は良くきめえと言われる日である。

くどいようですが、念には念を入れて「手を繋ぐの先かチュウが先か論争」を提起すると、今夜に限っては全会一致の「手を繋ぐのが先」でした。うーむ、今日この場にいるメンバーは大学時代からの友人。やはり価値観が似通っていたから当時の付き合いが始まったのかもしれません。
マジでおかわりしやがった。まあ良い今夜はシンガポール人に対してのカピチュレーションということにしましょう。先ほどと刺身の内容が異なるのは大将の優しさである。

「てゆーかマシュランがシンガポールとディズニーシー行ってるってLINEグループで超話題になってて、マシュラン超ウケる、ってかマシュランって何?超キモい!」とタコ。笑え笑え。笑われているうちが華である。
その後もタコは3歳児のように「マシュランはさあ、マシュランはさあ」と何度も何度も私に呼びかけます。ピーンと来ました。この女は妬いている。シンガポールと私がふたりきりでディズニーシーを楽しんできたことを妬いている。

お前、実はオレのこと本気で好きだろう、と単刀直入に問うと「今頃気づいたの?」と濡れた眼で見つめ返される。一瞬ドキドキしてしまったのですが、周りの「お前らまじできめえ」という非難の色に気づき、続きはまたいずれ近々に。
2時を過ぎ、翌日に友人の披露宴を控えたシンガポールたちは帰宅準備。

それでもシンガポールはせっかくの来日期間を無駄にはするまいと、翌朝8時から麻布台のクロワッサンの名店、メゾン ランドゥメンヌ トーキョーで朝食を摂る予定を立てていました。

「マシュラン!明日は8時にクロワッサンだから!いつまでも飲んでないで、早く帰るんだぞ!」とその場でお誘いを受けました。だぞ、って何だよ超かわいいじゃねえか。
残されたメンバーで引き続き酒に淫する。なんだかんだ4時過ぎまでダラダラ。クロワッサンに辿りつけないのは明白な天命。Tシャツでは凍える寒さの秋の夜明け。シンガポールの熱帯夜に嫉妬する。

「今日は1日ありがとう!シンガポールも遊びに来てね!ナイトサファリ行って、マリーナベイサンズで泳いで、ユニバーサルスタジオ行って、屋台でタイガービール飲んで、水族館でダイビングして、カペラホテルでディナーするの。待ってるから!ほんと、待ってるから」真冬のシンガポールも悪く無い。スマホを操りスケジュールを確認しながら床に就く。

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東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

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