ペッピーナ(Peppina)/プロンポン(バンコク)

大学時代の友人で、現在は駐妻、黒木メイサ似の美女と密会です。
在タイ邦人に絶大な人気を誇るイタリアンレストラン。大人気店なので予約をしておいたほうが良いでしょう。注文時に駐妻が普通にタイ語を操っているので軽く引く。
サラダに焼野菜のバルサミコソース。タイの野菜は滅多矢鱈に油で炒めるものがほとんどなので、このように野菜本来の風味を楽しむ行為は久々で心安らぐ味わいでした。
パンが美味しい。もはやここがどこなのか不覚になるほどの欧風味です。「結構イケるでしょ?ここのお店、水以外は全部イタリアから持ってきてるんだって」
スペシャリテのトリュフ・ピッツァ。「真のナポリピッツァ協会」が認定した正真正銘のナポリピッツァであり、その食感とトリュフの香りに淫する。塩気が強くハッキリとした食べ応えで実に美味しかった。
リングイネはたっぷりのカニ肉とトマトソースで。この贅沢な一皿はイタリアとタイの邂逅そのもの。正統的なイタリアの味わいに暴力的なカニの量がジャストミート。この皿の最中、背の小さな彼女は一切の会話を拒絶し一心不乱に食べ続けていました。
「もう少し食べれるよね?」ということで、パンチェッタ(塩漬けした豚バラ肉)のピッツァ。力強いパンチェッタの塩気と旨味を卵が受け止め、全体としてバランスの取れた1枚。大人ふたりでこれだけを食べ切ったので、さすがに満腹。

良い店です。この店をこのまま日本に持って来たとしても、味だけで勝負していけることでしょう。雰囲気はカジュアルであり短パン&ビーサンでも問題なさそう。もちろん子連れもOK。
「バンコクに来てくれてありがと。ハイ、これ、プレゼント」とサシェ(乾燥させたハーブや香料を入れた香り袋)を頂きました。ありがとう、でもこれ、タイの名物なの?と問うと「よくわかんないや、あたしの気持ちだと思って」
「ねえねえ、〆にラーメン行かない?」と完全に大学生のノリである。そういえば駐妻とは学生時代に川崎二郎で小ブタを食べ、その後、川崎の「世界の山ちゃん」で朝まで飲み明かしたものである。
驚くほど美味しい。これはタイとか海外とか抜きにして、日本で勝負したとしてもかなりのレベルなのではないでしょうか?ちなみに本店は千葉とのこと。この1杯をたったの80バーツ(250円)で食べることができるのは奇跡でしかない。シンガポールの1杯2,000円の一風堂は反省するように。

帰り道、南国の空気が人を大胆にさせるのか私の手を握り締め、腕を絡めて歩く彼女。「ねえ、もう帰るの?車で一緒に帰らない?」と直接的なお誘いを何度も何度も受けましたが、私の明日の朝は早いため、丁重にお断りし、小さな身体を優しく抱きしめて別れを告げる。

私が見えなくなるまで振り続けられる紅葉ほどの小さな手。そう、腕を絡めてくる彼女とは、駐妻の娘のことでした。


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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

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