柊家/京都市役所前 vol.1

京都の老舗旅館。ミシュランガイドにおいてはレストランとしても宿としても素晴らしいと評されたオーベルジュ。著名人だと川端康成が一時期ハマって、しょっちゅう泊まりに来ていたらしいです。

もともとは江戸時代の福井の武士だったのですが、「農民の方が儲かるんじゃね?」ということで庄屋に転職してそこそこてうまくいっていたところ、庄五郎というレイジアゲインストザマシーンな青年が上京して居を構え、ふるさとの魚介類を売ったり運送業をしたりで一旗あげ、知り合いを家に泊めたりしているうちに副業として旅館業を始めたところが、柊家の始まりらしいです。一方で、庄五郎のせがれはアーティストの才能があったらしく、刀に模様を彫る職に就き、武士とのコネクションを築き上げ、一気に柊屋をブレイクさせたとのこと。なんだかリアリティ溢れる由来で良いですね。
なんとも風格のある佇まい。数百年前からここにあると思うと胸熱です。打ち水とかされてると、キリっとしちゃう。
下足番に靴を預け、ロビーに通される。うおぅ、我々以外、全員が外人じゃないか。閲覧用の雑誌や案内板などに英語が溢れており、おおーさすがKYOTO!
素敵な笑顔の熟練サービスマンに部屋へ案内される。そのスマートな身のこなし、外資系ラグジュアリーホテルのそれと変わらないかそれ以上。一流であればコンテンツが異なったとしてもゲストに与えるものは全く同じですね。
部屋はかなり広い。80平米ぐらいあると思います。
文机は足を掘ってあり、座りやすく。
テレビは隠してある忍者スタイル。そうですよねテレビってほんとインテリアの敵ですもんね。
2階なのに小さなお庭がついています。

ミニバーも充実。
洗面所は和を保ちつつも機能的。

お風呂も清潔。浴槽の木目が美しい。
トイレは超高級和食店のそれと同じ。
クローゼットにあったお裁縫セットが超キュート!
部屋を探検しているうちに、女中さんがお茶を持ってきて下さる。
宿の案内を熟読。無線LANや英字新聞に気軽に対応。いいですね、この柔軟さ。世界を舞台に勝負するとはこういうことなのでしょう。

大広間は柱が無く全面ガラス張り。
日が暮れると、より一層雰囲気が良くなります。


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