ヴォメロ(Vomero)/東銀座


今日の女の子は毛色が異なります。

私の人との出会いは当ウェブサイトを通じて知り合う場合が多い。当然に美食という共通の趣味があり、また、是非はともかく私の価値観を理解した上で向こうから接触してくるため、出会った時には既に私に対して好意的なことがほとんどです。時間は有限であり、自分の好きな人とだけ付き合うことに決めた私にとって、当ウェブサイトは有能なフィルタとして機能しています。

しかし今日の彼女は当ウェブサイトの存在など全く知りません。ある会合で身長170cmというスタイルの良さに目を惹かれ、次に大学卒業と同時に即独立を果たしたという世界観に心を奪われ、純粋に彼女のことをもっと知りたいと思い、私から接触を図りました。ナンパではありません。
指定したお店は東銀座のイタリアン。店名はナポリ近郊の街の名前に由来し、当然に南イタリア料理やピッツァを得意とするお店です。
奥行きがあり、かつ、2階席もあるため、おそらく50席以上はあるでしょう。意外に大箱です。平日ランチのセットはいずれも1,000円かそこらであり、この立地でその価格設定はたいへんお買い得。近隣の会社員がひっきりなしに訪れ、行列が絶えることはありません。
ピッツァ・ランチ@1,280円を注文。お好きなピッツァに前菜とドリンクがつきます。写真はピーチティ。思いがけず甘いのが難点。シロップ抜きにすれば良かった。

「奥さん、怒ったりしないんですか?あたしと食事に行ったりして」言葉とは裏腹にそっけない態度で彼女は問う。怒ったりはしないよ。正確には、このようなことで嫉妬心を抱いたりすることのない女性を私が選んだ、という表現が適切でしょう。前妻は嫉妬の権化のような女であったため、それで充分に懲りたのです。古い例だと、高校生のころ付き合っていた子も同種の女であり、私が世界史資料集にあったポンパドゥール夫人を可愛いと評したところ、本気でブチギレられたことは、今となっては良い思い出です。
ピッツァ・ランチに自動的に付帯する前菜たち。オマケの割にはしっかりとした出来であり、フリッタータ(キッシュに似た卵料理)のベーシックな味わいがグッド。野菜もたっぷりです。
ピッツァ・チチニエッリ。具材はモッツァレラチーズにチェリートマト、バジリコ、シラスです。生地が正統的に美味しいですね。モチモチとした歯ごたえであり、記事そのものに味がある。

「確かに美人とか可愛い子とかに興味を持つのは、人として当然なことですもんね。美しいものを愛でて何が悪い」自分が美人だと知ってか知らずか、彼女はあっさりとそう述べます。「だいたい、そういうことに文句を言うのはブスばっかりですからね。可愛い女の子は基本的に性格良いですから」
ピッツァ・マルゲリータ。トマトソース、モッツァレラチーズ、バジリコです。まさに王道中の王道といった味わいであり、宇宙人にピッツァとは何かと問われた際に差し出したい味覚。

「付き合いで女子会には参加しますが、苦手ですね。愚痴ばっかりで、創造性のかけらもない。最近の世の中の面白くないことを言い続けて何が楽しいのかしら」
「女子会が生きがいのような子は、たいてい肌が乾燥しているんです。『出会いが無い』とか100%飛び出る愚痴なんですけど、そんなわけないし。今日もこうして、あるじゃないですか」確かに出会いはそこらへんに転がっているものであり、それが出会いだと認識する能力と、とりあえずは拾ってみようとする姿勢が重要なのでしょう。モテる秘訣とは、打席に立ち続けることなのかもしれません。


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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

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