ワインのばか/西麻布

ワインエキスパート試験、無事に合格。中々に骨の折れる作業でした。想像以上に時間と金を要する。必要努力量で言うとTOEIC900ぐらい。簿記で言うと2級と1級の中間。つまり、かなり難しいのです。ワイン好きが腕試しで受けても絶対に合格できない試験だと思います。

ところで、私のことを資格マニアと揶揄する方がたまにいますが、なんだかんだ言って日本は肩書き社会なので、自分のスキルをプレゼンテーションするには、資格は手っ取り早い手段だと私は考えています。

また、教養をはじめとする人間的な魅力というものは、金を払ったからといって手に入れることができるものではなく、そこには自身の努力を費やすしか無いと思うのですね。運が良くて大金を得ることができても、汲めども尽きぬ知恵の泉を得ることはできない。5億円の豪邸に住むことよりも、きちんとしたレストランにゲストを完璧にエスコートすることのほうが価値があると考える今日このごろ。
だがしかし、このバッヂが20,570円するのは全然納得がいかぬ。

さて本日はテイスティングの勉強で特訓を施して下さったワインバー、「ワインのばか」さんへ合格報告。最近知ったのですが、「イワンのばか」にかけているらしいです。
待ち合わせに六本木ヒルズの「オービカ モッツァレラバー」。バーカウンターもしくはスタンディングであればドリンクが480円。
おつまみも付きます。プレモルの小瓶は小売でも200円ぐらいなので、この価格設定は極めて良心的。ただ、ハッピーアワー対象となる席は限られ争奪戦となるのが難点。
さて「ワインのばか」。これまでは試験に出そうなワインのグラスを重ねるという、ストーリーの無い飲み方しかしてきませんでしたが、今夜はボトルでいっちゃうもんね。お祝いなのでシャンパーニュ。ドラピエ、ベルエポック、クリュグというラインナップ。手始めにドラピエ。ドサージュゼロながらそんなに辛く感じない。
また、今日は当店でしっかりと食べるのです。まずは野菜たち。黒ダイコンの瑞々しさが良かった。
泡を1本飲んだし、いきなり赤にいっちゃいましょうということで、コチラ。マーティンボロの楠田さんの逸品。世界的に評価が高く、流通量の少ないピノ。当店のマスターはKusuda Winesにしばらく手伝いに行っていたことがあり、優先的に分けてもらえるとか。という前評判は抜きにして、心の底から美味しかった。華やかな香りと絶妙な酸味、しなやかさ。一口で虜になってしまいました。
ローストビーフ。赤身主体で噛み締めるたびに実直な肉の味が広がります。つまり、先ほどのピノとぴったりなのである。ああおいし。
2人で2本を通過。私は常日頃、「自分の酒量は1.5本が限界。そこから先は記憶を無くすので免責」と宣言し続けているのですが、「じゃああと1本飲んでもOKってことだよね」と、なぜ限界が最低限達すべきラインにすり替わってしまうのか。肉の野性味と黒胡椒の香りがドーンと胃に落ちる。
連れが甲斐甲斐しくも下のローソンでドーピング剤を買ってきてくれました。ぺちゃんこになりそうな肝臓が復活、した気がする。
スペシャリテの低加水パスタ。中勢以のベーコンの薫香、トリュフオイルの芳香が食欲を掻き立てる。
ぴったり1.5本を超えたので、予定通りこのあたりから記憶が曖昧です。グラスでサンテミリオンがブルガリアなワインを。
わ、美味しい。やはり私はボルドーブレンドが好きなんだなあ。勉強中は好きなお酒まで分析的に飲んでしまい、肝心の味わいが置き去りにされることが多かったのですが、うーん、やっぱ美味しいや。またお肉が食べたくなっちゃうぜ。
確かリースリング。当店でリースリングを飲むのは初めてです。また、試験対策という意味では「リースリングは甘けりゃドイツ、辛けりゃアルザス」という、ろくでもない判断基準を使用していたので、シャープな味わいのドイツ産に動転してしまう。

今夜も良く酔った。やはりお酒は分析的でなく、自由気ままに飲むのが良いですな。立派なソムリエの方々には「家では一切アルコールを摂らない」「プライベートではビールしか飲まない」「ワインは仕事だもん」と割り切っている方が意外にも多いことがほんの少しだけ理解できたような気がします。少しだけね。

http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13161449/

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ソムリエの筆記試験の勉強方法は千差万別ですが、私は地理から入りました。地図と一緒に対応するアペラシオンなどの表が記載されており、上手に整理されていると思います。白地図もついており、復習し易いです。