ワインのばか/西麻布

ロオジエの後に、まだまだ飲み足りず酔いたい気分だったので、ワインのばかに新年のご挨拶に行こうよ、とおそるおそる提案する。「じゃあ、もう遅いし、2杯だけね」とお付き合い頂けることに。
以前こちらでクスダのピノを頂いた際に感動的に感動し、かつ、「実はクスダのシラーもすっごく評価高いんですよね」と伺っており、いずれは飲もうと心に決めていたのですが、「今日、置いてますよ、僕が収穫手伝ってた06の」と悪魔のささやき。

でもなあ、2杯だけって約束したしなあ、と逡巡していると「いいわよ、ふたりで1本なら、ちょうどでしょ?」。どのあたりがちょうどなのかさっぱりわかりませんが、彼女がちょうどと言うのであればそうなのでしょう。グラスの数だと2杯も3杯も誤差の範囲かもしれませんが、冷静に考えると5割増の酒量です。

楽しみにしていた味わいはシラーとはかけ離れた綺麗な味。シラー特有の黒々とした果実味は微塵も感じられません。ブラインドで飲めば新世界のピノと答えてしまいそう。時間が経つとさすがにシラーっぽさが出てきましたが、ううむ、面白い。これはピノだのシラーだのではなく、「クスダのワイン」なのでしょう。
以前、ナニワヤのローストビーフをステマしたことがあるのですが、それにまんまとひっかかり、店主もご購入という運びとなりました。いやあ、いつどこで食べても美味しいですな。
あっという間に約束の1本を空け、鉄観音で一服。「あははやっぱタケマシュランと飲むと超楽しいわ」のように、キャッキャ騒いでいたところ、カウンター3席隣の方から「も、もしかしてあのタケマシュランさんですか?」とお声がけ頂き、成り行きで肩を組んで飲み続けることに。冒頭の「じゃあ、もう遅いし、2杯だけね」とは何だったのか。
ピエモンテのバルベーラ。しっかりとした色合いながらカジュアルな味わいでバランスが良かったです。
満腹ではあったものの、ツマミを出されれば全て平らげてしまいます。すると喉が渇き、水分を欲する。キリがありません。
〆にはモルゴンのしっかりと熟成した1杯。なんだかんだで3時近くまで飲んでしまいました。ロオジエでの乾杯が午後6時半。8時間以上飲み続け、睡眠時間より長く酒に浸かっている計算。まこと、美食とは肝臓を使う仕事である。


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