エビス新東記/恵比寿


新卒で入社した会社の同期会。オッサン6人で恵比寿だなんてオシャンティー!入社同期って不思議な関係ですよね。研修を数週間共にしただけで別に一緒に仕事をしたわけじゃないのに謎の連帯感。
恵比寿のロータリー側から線路沿いをひたすら登っていくと突如現れる派手な建物。1Fが楽しそうなワインバーで、当店はその2階に位置します。
19:00集合だったのですが、私は安定の15分前到着。店員さんが「19:00まではハッピーアワーですよ」と悪魔の囁き。ひとりでアイドリング開始グラスビール350円。
ツマミもハッピーアワーは一律350円。海鮮春巻きは全体として味は悪くないのですが、何が入っているか不明で、あまり海の豊かさを感じることができませんでした。
カレー春巻きも内容物が不明ではありますが、ココナッツの風味がきいていて面白い味わいです。海鮮春巻きよりも特徴的という意味でオススメ。
6人中5人が19:00に揃うというパンクチュアルな集団。遅れた1人とは最初から「20:00頃になるから先に始めてて」と合意していたため、実質遅刻者はゼロ。ちなみにその「遅れた1人」は、ご丁寧に20:00ちょうどに到着です。仕事がデキるとはこういうことである。

大人になって携帯電話が普及してから遅刻者が急に増えたことに私は酷く心を痛めています。現代人は自分の実力を過信しすぎですよね。待ち合わせ時間が確定しているのであれば、そこから逆算して自分の処理能力やリードタイムをあてはめるだけなのに。遅刻癖のある人は自身の車幅感覚が欠落しているのでしょう。

また、飲み会の開始時刻になって数名が揃っていなくても私は遠慮無く会をスタートさせるのですが、その際に「まあまあちょっと待ちましょうよ、せっかちだなあ」のように、なぜか私に非難の目を向けられるのが大変心外。人の時間すなわち資産を奪うことが黙認される曲がった世の中だからISなんかが暗躍するんだぞ!
お通しのえびせんは美味しくない。いわゆる居酒屋でお仕着せ程度に出されるそれです。先日のタイ国専門食堂のえびせんのほうが4倍ぐらいレベルが高いです。
ニラ饅頭は思ったほどニラが入っておらず、そのかわりにエビがたっぷりと詰まっています。嬉しい誤算。焼き目もパリっとしていて美味しかった。
ワインは2,800円からと親しみやすい。仲間と囲めばどんなワインだって美味しいですね。

ちなみに6人中3人はシリコンバレーの謎のお金持ちから出資を得て日本でビジネスを立ち上げており、1名はアジアの某国でビジネスをスタートアップ、もう1名は世界的に知的で有名な会社勤務と皆さん大変優秀です。私ひとりだけ口の悪い健啖家みたいな扱いで仕事の話に馴染めず居心地が悪い。
食べるラー油ワンタン。思ったほどラー油は強くなく、どちらかというとシンプルな豚肉のシュウマイのように感じました。肉よりももっと食べるラー油感を出して欲しいところ。
シンガポール麻婆豆腐。これは全然美味しくない。こだわりのない豆腐であることは明らかで、スパイスの使い方も中途半端。ファミレスや学食の特長のない麻婆豆腐と大差ありません。おまけに高い。
こちらも2,000円代でした。6杯取りと考えると、ビールより安くつきますね。
五香 (肉湯葉揚)。八角のきいた肉を湯葉で巻いたもの。
お肉の密度がギュウギュウで一片でかなり満腹になります。ただしコチラもスパイスの思い切りが悪く、凡庸な仕上がりで印象に残らず。
福建麺(ホッケンミー)も麺そのものの味わいは薄く記憶に残りませんでした。もちろんこれがシンガポールのホーカーズ(屋台)で500円程度であれば何も文句はないのですが、千数百円ですからねこの店では。費用対効果といういう意味でナシです。
海南鶏飯。チキンライス。因縁の威南記海南鶏飯と同じく冷えた状態での提供。うーむ、やはり正統的なチキンライスは肉を冷やすのか。

あまりに気になったので、まずはタイ在住の友人にカオマンガイの温度について尋ねると「常温。屋台で食べるもので、作り置きを出すものだから、常温しかない」との解答。なるほど是非はともかく理に適ってます。

続いてシンガポール在住の先輩に聞くと「常温ですな。温かくは無い」。ぐぬぬ、余計わからなくなってきた。

さらにシンガポール在住の友人(美人)は「チキンライスは高級なものではなく通常4、5ドルでホーカーて売られている庶民の食べ物なので、冷水でしめるというのは日本らしい発想な気がする」との回答。

そんな折に決定打!レストランを経営しているシンガポールローカルからの回答!
これにて私の中のチキンライス冷温論争は終結です。威南記海南鶏飯さん、私が無知でしたゴメンナサイ。
閑話休題。スープで炊き込まれたライスは味が薄く、ガイトーンのほうが数段上。
カオマンガイと違ってシンガポールのチキンライスはタレが多彩なのが嬉しいですね。
こちらは3,500円。酔ってくると何飲んでも同じなので、これまでの白に比べると割高に感じます。
イカンビリス。イワシの稚魚の乾物で調味料のように使われる食材です。ポリポリとつまめるので酒のアテに最適。揚げた豆腐の食感も面白く、久々のヒット作。
サンバルイカ炒め。サンバルとはインドネシア料理やマレー料理によく用いられる万能な辛味調味料です。ヒステリックな辛さというわけではなく、常識的な味わいでした。
ラクサ。ココナッツ主体の麺。皆が皆「ラクサに目が無いんだよね~」とか言ってお前ら全員OLかよ。オッサンのクセに女子力高くて気持ち悪いぞ。スープがぬるく、全体的にボヤっとした味付けでイマイチでした。
ワインは安いものから注文していたのですが、3,000円を超えたあたりから妙に高いワインが増え始め、ちょっと趣旨が違うなあと思い、再びビールに戻り夜はいつまでも更けていく。

全般的に無難というか、万人受けを狙っている感じがするお店です。尖った中毒性は無い一方で、味にうるさいというよりはシャレオッティな雰囲気で会話を楽しみに来ている客を上手に集めている印象。料理人の腕がどうのこうのではなく、会社の方針なのかもしれません。

恵比寿駅チカだけど落ち着いた雰囲気なので、用途次第ではアリですね。エスニック料理覚えたて女子と合コンする時とか。




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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。余所者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
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エビス新東記
夜総合点★★★☆☆ 3.0