香港油鶏飯麺/シンガポール


2016年のミシュラン・ガイド・シンガポールにて最も話題をさらったのは「ミシュラン・ガイド史上初の屋台メシが1ツ星獲得」です。
その台風の目に位置するのは「香港油鶏飯麺(Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice and Noodle)」。シグネチャー・ディッシュのチキンヌードルは2ドル(160円)と世界で最も安価な星付き料理でしょう。
どこからどう見ても普通の屋台です。一躍庶民の大スターとなったシェフ(?)である親父さんの姿をこの日は見かけることができませんでした。
軒先から5メートル離れたところに立て看板。ミシュラン星付き料理を僅か160円で食べることができるのだから行列必至。もちろん昔から評判は高く行列は絶えなかったらしいのですが、ミシュラン掲載後は3時間超の待ち時間が生じることも。
開店は10:30。私は開店5分前に到着したのですが、20人およそ10組の行列でした。1組あたり5〜6分の時間を要し、私は都合70分程列に並ぶことに。
店のリソース全てを待ち順列に割いているわけではありません。ひたすら弁当箱を作っているなあと眺めていると、どこからともなく現れるUberEats的な兄ちゃん。お店の方と数を確認し合い、30個近くの弁当箱を持って姿を消しました。

つまり、在住者はバカ正直に列に並ぶのではなく、このような手口で出前を取ったほうが効率的です。この店の弁当を何十個も差し入れたヒーローになれるだろうな。
お待ちかね、チキンヌードル。皿につけダレを流し込んだ上に、博多ラーメンのような細麺を乗せ、さらにその上にローストした鶏肉を盛り付けます。

なるほどチキンは柔らかく鶏肉の味もしっかりと残り、甘辛いタレも食欲をそそる直線的味わいです。麺はいわゆるバリカタであり、ガシガシと胃袋に放り込むことができオヤツのような食後感。確かに旨い。しかしそれは「160円としては」という意味であり、これがミシュラン1ツ星店の料理とは私は認めない。これが1ツ星と言うのであれば、麻布十番にある80%のレストランはミシュラン獲得間違いないでしょう。
ローストポーク丼とチャーシュー丼はそれぞれ2.5ドル(200円)。さすがに両方を食べ切る自信は無かったので、ハーフ&ハーフはできるか?とお店のおばちゃんにお願い。明らかに迷惑そうな顔をされましたが、50セント増しの3ドルで対応して下さいました。

しかし味はいずれもイマイチ。決して不味くはありませんが、どこにでもある屋台味であり、決してミシュラン1ツ星の味ではありません。大丈夫か?シンガポールのミシュラン調査員。
ちなみに当店が入居するビルの対面に、大手資本が入りチェーン化した大規模店が出店したようです。
日本のミシュラン1ツ星を取ったラーメン屋もチェーン化に忙しいですが、手掛けているのは同じプロデュース屋とのこと。ビジネスとしては悪くない取り組みですが、美食を愛する者としては複雑な心境です。
完全にファストフード状態であり、行列は一切無い一方で、いずれのメニューも本店の倍以上の価格設定です。それでもチキンヌードルは350円程度なので、あの味が350円で食べることができると考えれば良心的なほうか。

ミシュラン・ビジネスの未来を見ました。このように、B級グルメで星を狙い大企業と提携していっちょ上がり的な手口もアリかもしれません。スタートアップのIT企業がシリコンバレーにバイアウトされてイグジットする感覚に似ている。


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