シンガポールvol.1

「今日は1日ありがとう!シンガポールも遊びに来てね!ナイトサファリ行って、マリーナベイサンズで泳いで、ユニバーサルスタジオ行って、屋台でタイガービール飲んで、水族館でダイビングして、カペラホテルでディナーするの。待ってるから!ほんと、待ってるから」

2016年10月おにまるでの一節から4ヶ月。私の辞書に「社交辞令」という言葉は無く、代わりに記載されているのは「ノリが良い」。本当に来てしまいました。人生で3度目およそ10年ぶりのシンガポール。トランジットホテルで身体を休めてからシティへ。
市街地へはMRTという電車で簡単にアクセスできるのですが、自動券売機で切符を買う際に「10ドル札を使うことができるのは○ドル以上の切符から」という謎の制約があるのでご注意を。小額紙幣を持ち合わせていない場合は改札すぐそばの駅員に掛け合いましょう。
私はezlinkというスイカ的なカードを購入。12ドルで5ドルはカード代、7ドル分乗車できるようです。
シンガポールは様々な文化的背景を持つ人種が住む近未来都市。それらを統一された概念で統制するために罰金というルールが多用されています。
例えば電車および駅構内での飲食は500ドル(4万円)の罰金、喫煙は1,000ドル(8万円)、可燃物5,000ドル(40万円)、ドリアンの持ち込みは無限大です。熱帯の国で水すら飲むのがNGというのは大変に厳しい。

ちなみに面白いところでは「鞭打ちの刑」が現存しているとのこと。刑の執行にあたっては直径1.27センチメートル以下の籐製の鞭を用いることが定められており、肉は裂け傷は筋肉にまで達するという生き地獄。傷を見ればすぐに「あ、あの人鞭打ちの刑にあったんだ」ってわかる程らしいです。打たれるほうはまだしも、打つほうがもっと辛いだろうなあ、仕事とは言え。
わあお、マリーナ・ベイ・サンズの存在感が想像以上。あまりにも異様な光景についつい空を見上げてしまいます。日本がこれに勝つにはみなとみらいに六本木ヒルズを10本ぐらい建てて上に四国でも載せるしかないでしょう。
マリーナ・ベイ・サンズのショッピング街。溢れんばかりの曲線美。これだけ採光が良いにも関わらず館内は冷蔵庫のように冷やされており、でんこちゃんが来れば卒倒すること間違い無し。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイという植物園でシンガポール女子と合流。
「マシュランひさしぶり〜!って、そんな久しぶりでもないか!」そう、彼女と会うのは私の誕生日パーティ以来3ヶ月ぶり。東京で離れて住んでいるよりも、違う国に住んでいたほうが何だかんだ理由をつけて会う機会が増えるものです。
「月曜日は仕事お休みするから、土・日・月の3日間デートだね!」跳ねるように歩く彼女。そう、今回の旅行プランは在住者の彼女に全てお任せ。レストランの予約からアトラクションのチケットまで完璧にアレンジしてくれているのです。

それにしても、不気味な木や建物がそこらへんにウロウロしているのは普通に訪れる衝撃。「10ドル払えば登れるし、上はレストランになってるの」とシンガポールは振り切り方が凄い。日本社会でこのような企画をぶち上げると、会議で100%棄却されることでしょう。
フラワードーム。クールでドライな植物を空調設備により維持しています。お隣のクラウドフォレストはさらに気温を下げ、高山植物を展示しているそうな。
「今日のランチはここね!すっごく人気なんだから」とフラワードーム併設のレストランへ。詳細は別記事にて。
食後は彼女に用事があったため一旦解散。私はマリーナ沿いを散歩。くどいようですがMBS(マリーナ・ベイ・サンズ)が圧倒的。ちなみにこの建物の設計はボストン在住イスラエル系カナダ人建築家のモシェ・サフディ。曲線を始めとするあまりにも難易度の高い構築物であったため、入札時にデベロッパーの辞退が相次いだそうな。
その中で受注した韓国の双竜(サンヨン)建設は適正工期より21ヶ月も早い27ヶ月で工事を終え前倒し納入。莫大なインセンティブを得たそうです。ちなみにこの双竜建設はゼネコン業界では悪名高く、手がけた大型物件の崩壊事故が後を絶たず、現在は会社自体が倒産しこの世から消えてしまったようです。さあ!MBSを楽しむなら今のうちですよ!
ホテルのお隣にあるMBSショッピングセンター。コンベンションホールやカジノはこちらの建物内にあります。
金融街をのぞむ。モード学園みたいなビルが100本ぐらいあります。
マーライオンは修復工事中。口から水は吐いていませんでした。珍しいタイミングでお目にかかることができラッキー。
マリーナを一周し終わったのでホテルにチェックイン。これまで泊まったリッツの中でもトップクラスに素敵です。詳細は別記事にて
窓からの景色に見とれていると、唐突に黒い雲が街を飲み込み
世界の終わりかと思うほどの豪雨となりました。世界的な先進都市ではあるものの、天候のダイナミックさは完璧に南国のそれです。
クラブラウンジで酒。一般的な高級ホテルの無料アルコール提供は夕方2時間程に限られることが多いですが、当ホテルはいつでもOKです。のんびりとシャンパーニュで唇を潤しながら読書を楽しむ至福の一時。
シンガポール女子と再合流した頃には既に私は酔っ払い。ねえ、シンガポールってホント素敵な街だよね住みたくなってきた、と今日一日の感想を述べると、「何言ってんの。あなたリッツの中でお酒飲んでるだけじゃない。東京とやってること何も変わんないから」
「引きこもってないでお散歩行こうよ。シンガポールに何しに来たの?」と私を追い立てる連れ。
日が落ち涼しくなるからか、昼間に比べて出歩いている人が圧倒的に多い。様々な人種の人々がごちゃごちゃに混じり合いながらひとつの熱気をつくりあげる。コスモポリタニズム。50年後の世界は移民が進み血が混じり合い、どの都市もこのようになっているかもしれません。
近未来的な人種と潔癖なまでに整理された街並み。拘束された犯罪。毎日がお祭り騒ぎのような夜景。良い国だな。一夜にして恋に落ちました。


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シンガポール目次

シンガポールはどのようにして国力を高め、国際的なステイタスを上げているのかが整理されています。防衛・外交・労働・経済・教育・環境・農業・情報・交通について網羅的に知ることができる名著。

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