天ぷらめし金子半之助/六本木一丁目

天丼の有名店『金子半之助』。日本橋本店は「都内で最も行列を生じさせる飲食店」と言われています。何度もテレビでも取り上げられており、行列が行列を呼び、現在はその待ち時間が3時間にまで達しているそうです。
しかしここ、「天ぷらめし(天ぷら定食)」をメインとした姉妹店であれば待ち時間ゼロで入れます。お隣は『つじ田』とのコラボ海鮮丼店の『つじ半』。
平日の夜にお邪魔したのですが、 待ち時間ゼロどころかガラガラです。店の半分は見切りをつけたのかクローズされており、写真は残りの半分のカウンター席。それでもこの客入りの少なさはどういうことでしょうか。
食券を買い着席するとすぐに供されるお食事セット。右下は黒豆を浮かべた黒豆茶。右上は天つゆで、粗めの大根おろしがギュっと詰まっており解かり易い味わい。
また卓上には3つの壺が。この食べ放題のツマミ(?)こそが金子半之助の人気の秘密。
この日はきんぴらぼう(?)に辛くない塩辛、たくあんの3点セットでした。いずれも定食屋の小鉢級の味わいであり、これが食べ放題とは気前が良い。天ぷらに塩辛的なものをご自由にどうぞ形式は福岡の天ぷら定食屋によく見られるスタイルですね。
ごはんの味わいは中くらい。天ぷらめしを注文すると自動的に付随します。大盛り&おかわりは有料であるため、うっかり太ることはありません。
あさりと三つ葉のお味噌汁はセットとして付帯せず、別途200円を要します。しかしながらこれが結構旨い。出汁のきいた上品なスープにアサリがこれでもかとブチ込まれており、負けずに三つ葉もたっぷりと投じられています。これで200円は悪く無い費用対効果です。
真打登場。私は『穴子の天ぷらめし』 を注文し、まずは12時から時計回りにイカのかき揚げ、エビ、マイタケ、かしわ。お味は中の下の上。ファミレスや『てんや』のそれと大差ない味わいであり、まあ、1,580円の定食相応のクオリティです。
天ぷら第二弾はシシトウに卵、アナゴです。このアナゴが実に貧相であり、メニューにあった写真とはマクドナルドぐらい印象が異なりました。味については多くは語るまい。
卵はゴハンに載せ、少し崩して一味をかけることを推奨されます。うん、これは一風変わった卵かけゴハンとして悪く無い味わいです。

食べ放題のツマミと味噌汁はまあまあですが、肝心の天ぷらが全然美味しくありませんでした。やはり天ぷらというシンプルな料理において「安くて美味しい」という事態は成り立たないのだと思います。

したがって、無理に高価なセットや追加の天ぷらを求めるのではなく、『天ぷらめしと味噌椀』という最安値のメニューを注文し、味噌汁とツマミを楽しむつもりでお邪魔するのが良いでしょう。なお、お隣の『つじ半』のほうが断然オススメです。


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てんぷら近藤の主人の技術を惜しみなく大公開。天ぷらは職人芸ではなくサイエンスだと唸ってしまうほど、理論的に記述された名著です。スペシャリテのさつまいもの天ぷらの揚げ方までしっかりと記述されています。季節ごとのタネも整理されており、家庭でも役立つでしょう。