ラ・リューン/麻布十番

食べログでは3.6と中途半端な評価、グルメガイドブックにはどこにも相手にされていない当店。ただ、ホームページを見た限り、自分が好きなタイプな店だろうと確信めいた何かはありました。

最大で10名ほどしか入れないであろう店内。それでも各テーブルに花が活けてあり、きちんとしている感がすごいです。
サツマイモにゴボウのパウダー。サツマイモが飛び切り甘く驚きました。
パンは特徴が無く別に普通。
バターではなく豚のリエットがたっぷり供されます。これは嬉しい!美味しい!
食事の値段はそこそこするのですが、ワインの値付けがめちゃくちゃ安いので、総額ではとても割安。
半熟卵。なんかミシェルブラスみたい。「スプーンで卵上部を少しづつ割り、フタを外すように殻を剥がしてからお召し上がり下さい」と客への要求レベルが高い。
な、なんとか上手く割れたか?
しかし面倒な割に特に美味しくはない。ただの卵である。レモンとビネガーのソースは面白い味だったんですけどね。
ウニ、カボチャのムース、ナスにコンソメのジュレ。これはとんでもなく美味しかった。北島亭のウニコンソメに加え、カボチャとナスで更に複雑な味わいを重ね合わせる。ポーションもたっぷり。最高。本日一番のお皿です。
フォアグラのポワレにジャガイモとタマネギをミルフィーユ状にしてプレスしたもの。黒トリュフをたっぷり。こちらも先ほどの冷前菜と甲乙つけ難いほど素晴らしい皿でした。タマネギとジャガイモの甘み、フォアグラのコク、黒トリュフの香り、それらをまとめ上げるソース。。。ここのシェフ、ただもんじゃないとこの皿で確信。
ビスキュイにハマグリをのせる。ビスキュイは余計かも。ハマグリ自体はヌキテパを彷彿とさせる旨み。
アコウダイ。当然に美味しいですが、他の皿に比べるとやや見劣りするかもしれません。それでもアンチョビとナスのソースや、あまーいキャベツにはセンスを感じました。ソースの幅が広いですねここのシェフは。
ラディッシュにパイ。これは意図が不明。
ニンジンのスープ。丸ごと一本を煮詰めて煮詰めてここまで濃縮。塩でしか味付けしていないのに、めちゃくちゃ甘く、深みのある味。恐れ入りました。
エゾジカ。ポーションがきちんとあり、基本に忠実、丁寧に調理されており満足です。ガロニの茎まで食べれるホウレンソウが、茎まで食べれるというか茎がうまかった。あとゴボウも。
デセールはタイムのシャーベットにリンゴのクレームブリュレ。タ、タイムって魚料理とかに使うあのハーブ!?一瞬聞き間違えたかと思いましたが、本当にタイム味で笑っちゃいました。面白い!
一方で、リンゴのクレームブリュレーは、
キャラメリゼにヒビを入れるとあふれ出すむにゃむにゃ。リンゴの甘み、砂糖の甘み、卵の甘み、様々な甘みが組み合わさり、それはそれは素晴らしいフィナーレでした。
ミニャルディーズは生チョコにフィナンシェ。コーヒーはポットごと置いてくれ、ガブガブ飲むことができます。コーヒー自体はそれほど良いものではありませんが、本当の意味で「食後にお茶する」ことができたので、本質はついているんだなあ。

厨房が小さく皿出しのテンポが若干よくないものの、ここ最近のフレンチではダントツにgood!いや人生においてもかなりの上位。こういう店が有名じゃないなんて信じられない。レストラン経営って、ほんと、難しいんでしょうね。。。

http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13002869/


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麻布十番にはフランス料理屋がたくさんあるのですが、残念ながら割高でハズレなお店も多い。外さない安定したお店は下記の通り。
  • ラリューン ←クラシックな調理で正統派。むちゃ穴場です。
  • 麻布れとろ ←ここで合コンすれば幹事がモテる(と信じている)。
  • RRR ←ワインが割安。飲みまくれ!
  • ルバーラヴァン52 ←全般的に安い。2時間で追い出されるのが玉に瑕。
  • タストゥー ←トリュフを使ったデザートに身悶え。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。