松記鶏飯/小川町


SONG KEE JEE FAN。都内のシンガポール料理屋ではトップクラスの有名店。広くない店内に現地の屋台村よろしくギッチギチにテーブルが詰め込まれており、木曜日のサーズデーから満員御礼すごい熱気です。
タイガービールのドラフトがありました。740円はちょっと高いなあ。まあ、ローカルの気分を味わうスパイス代金と捉えることにしましょう。
グリーンチリは100円。覚悟していたほど辛いわけでもなく、ピリっとした刺激とサラりと通り抜ける酸味が後を引く。
モヤシとハムユイの炒め。これは控えめに評価して絶品ですね。発酵させた干し魚の直線的な塩分と凝縮された旨味がビールの蒸発を後押しします。
ペーパーチキン。醤油や紹興酒、ゴマ油などで作ったタレに鶏肉を漬け込み、パラフィン紙で包んで揚げる料理です。
思わず無言になり味覚に没入してしまうほど旨かった。鼻腔をくすぐるスパイスの香り。肉汁に溢れたジューシーな食感。脂の旨味と健康的な鶏の味。本日一番のお皿です。
趣向を変えてインドネシアのビンタンビール。雰囲気のいいサービスの方が「おつぎしますよ~」と軽やかに注いで下さいました。もんのすごく忙しいのに客を気遣う精神的余裕。心なごむ接客です。
キャロットケーキ。大根餅の炒め物です。2週間前にシンガポールで食べてすっかりハマった名物料理。なのですが、筋目正しい入念な調理であり、シンガポールで食べたよりも美味しかった。滑らかさに加わる緻密な食感。サンバル(辛味調味料)の適度なパンチ力。連れは初めてのキャロットケーキだったようですが、すっかりお気に入りの様子。
どういう事情か、当店のワインリストはものすごく厚い。ワイン好きの彼女も興味津々であり、お試しにとハウスワインをグラスで1杯。しかしながら「ワインに罪は無いけど、やっぱりシンガポール料理にはビールかも」とのことでした。
サッポロの生は560円でした。うん、旨い。1杯目はテンションを上げるためにもタイガーにすべきですが、その後はサッポロでも充分。
肉骨茶(バクテー)。バクテーには大まかに3種類の調理方法があって、当店は潮州スタイルです。透明なスープにコショウの香りが泳ぐ。トンコツスープに漢方やニンニクの香りが響きます。可食部が結構多く、これで2人前1,600円はリーズナブル!スープは一滴も残さずに飲みきってしまいました。だって美味しいんだもん。
〆の炭水化物はラクサ。シンガポールを代表する干しエビとスパイスのココナッツスープのヌードル。様々なハーブな香りとココナッツミルクのとろりとした食感。ツルツルモチモチした食感が印象的な麺との相乗効果によって、素晴らしい構築感が心に残りました。

良いお店ですね。猥雑で騒がしい雰囲気が料理にぴったりと寄り添います。もちろん捉え方によっては騒々しいので、しっぽりしたい会にはそぐわないお店なのでご注意を。今度はランチでチキンライスを楽しもう。


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神田は良い街です。東京駅すぐ近くと至便であるのにも関わらず、5,000円も出せばしっかりと飲み食いができるお店が多い。気長に開拓していきたいと思います。
  • やまし田 ←リーズナブルできちんと美味しい牛タン料理屋。
  • 松記鶏飯 ←シンガポールで食べるより美味しいシンガポール料理。
  • ヴィノシティ ←費用対効果抜群のワインバー。
  • ヴィノシティ マジス ←ロゼ主体。哲学があるワインバー。
  • かんだ光壽 ←日本酒のレパートリーに舌を巻く
  • 魚祥 ←500円でイクラまみれ
  • 丸五 ←2,550円のトンカツに行列1時間。
  • 味坊 ←羊肉主体の超有名中華料理屋。
  • 万世橋酒場 ←300円の牛すじ煮込みが絶品。

月刊『散歩の達人』のハンディ版。チャラついていない大人向けの硬派なガイドです。地図が解かり易く名所旧跡の紹介もしっかり。神田周辺をお散歩する際には是非。

松記鶏飯