シェイクシャック/外苑前


NYで最も人気のあるハンバーガーショップ。日本上陸の際は3時間の行列を打ち立て「シェイク・シャック・ショック」を東京ハンバーガー界に巻き起こした話題のお店です。嘘です「シェイク・シャック・ショック」は私の造語であり誰も言ってません。
オープンから2週間が経ったので、そろそろ落ち着いたかなあと平日の夜に突入。思っていたよりも行列は短く、最後尾案内板持ちのお兄さんに待ち時間を尋ねると「30分ぐらいッス!」と気持ちの良い回答。
途中でメニューを手渡され、これまた字ばっかりのややこしいメニューであるため読み解くのに時間がかかります。そのためか、待ち時間など全く気になりませんでした。

ちなみにセットメニューのようなものはなく、全てがアラカルト。これは素晴らしい仕組みですね。私はファストフードで飲み物を注文するのが勿体無くてしょうがないと感じているクチで、「チーズバーガーふたつと水ください」という無駄が削ぎ落とされつつも、後ろめたさがおつりとして返ってくるという精神的に複雑なオーダーをするタイプであるため、うむ、当店のアラカルト方式は心に優しいぞ。
注文してから食べ物が出てくるまで10分ほど待ちます。キッチン内はてんやわんやしていましたが、客席は意外にも空きがチラホラ。そう、当店のボトルネックは厨房のようですね。腰の重い客のせいで列が一切進まない、なんてことはなく、少しづつでも確実に前へ進むので、覚悟していたほど行列のストレスは感じませんでした。
マスタードとケチャップなどはセルフサービス式。
ヒマなのでオペレーションを眺めていたのですが、フードが完成してからビールを注ぎ始めるので、目の前でみるみる冷めていくのを見守らなければならず胸が張り裂けそうになります。ピッチャービールの客にさえも同じ事をやっていたので、気の毒で仕方がない。
「シャック・マイスター・エール」。当店のハンバーガーのために造られているビールです。香ばしく深みのある味わいで素晴らしい。堂々たるクラフトビール。見た目よりも量があり、感覚的には中ジョッキよりも酔えます。
「シャック・スタック」。チーズバーガーに「シュルーム」と呼ばれる、大ぶりのマッシュルームを潰して揚げたものを具材として挟み込みます。

第一印象はバンズが美味しい。それからトロトロに糸を引くチーズもグッド。パティは標準的なグルメバーガーのそれ。シュルームは特徴的で面白い試みではあるのですが、どうにも揚げのベタベタ感があって、うーん。マッシュルームの取り扱いであれば、フランクリンアベニューに勝る店なし。
「スモーク・シャック」。チーズバーガーにベーコンが2枚。先ほどと同じくバンズとチーズが美味しかった。色々とありがたい説明書きがなされていたベーコンですが、プラス200円の価値はありません。
チーズフライは不味かった。アメリカの缶詰のオヤツのチーズソースのような味わいで、直感的に身体に悪そう。ポテトもぐんにゃり。技術の問題なのか油の問題なのかはわかりませんが、徹頭徹尾揚げ物がイマイチなお店です。「ポテトの無いハンバーガーなんて、橋本環奈のいないRev. from DVLと同じだ」という方を除いては注文する必要は無いでしょう。
ピッチャーのビールを注文して飲み会してるオッサン4人組が微笑ましい。ちなみに当店、室内と見せかけて窓というか壁というか、とにかく何もかもが全開なのでとても寒いです。テラス席の巨大ストーブ近くのほうが暖かいかもしれません。ご注意を。

結論として、かなり美味しかった。繰り返しますがバンズのレベルが高い。当店のような話題店は「せっかく並んだんだし豪華なものを注文しよう」という思考に陥りがちですが、そこはグっと堪えて、一番安い「シャック・バーガー(チーズバーガー)」と「シャック・マイスター・エール」だけに留めるのが賢者の注文だと思いました。

また、グルメバーガー屋としてはかなりリーズナブル。サイズは異なるものの、クアアイナよりも安く済む。30分程度の待ちであれば、また是非お邪魔したいなあ。色々注文してガブガブビールを飲む、飲み会みたいな形も良いかもしれません。また来ようっと。



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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。