ボタニカ/六本木

ドお盆は東京にいるのが一番。六本木界隈も心なしか空いています。
盛夏を言い訳に泡をガブリガブリ。食事の前に既にほろ酔い。
複雑な構成、すなわちジンやらマスカットやらミントやらで作られた何かで、口に放り込んでジュワリと噛んだらクイっと泡を飲んでモヒートです、と注文が多い一皿。説明が長い割に味わいは普通でリアクションに困りましたごめん。ややこしいのは良くないですね。灰皿にテキーラを入れて海老蔵仕立てです、ぐらいがちょうどいい。
オニオングラタンスープの夏仕様。こちらはお見事!おかわりです。タマネギのこっくりとした甘味をうまくチーズで閉じ込め、しかも冷製にしてしまう勇気には屈服する。本日一番の皿。
シンプルなパンでしたが、小麦の甘味がじんわりと響き実に美味しかった。6~7個は食べたかも。
ホイップクリームも気候に寄り添う味わい。ここで発酵バター丸ごとドーン、とかだと食べ疲れちゃうので、的確だったと思います。
キャーヴ・ド・ひらまつで飲んだ時はあまりピンときませんでしたが、今日はなかなかイケました。人間の味覚なんて、というか私の味覚なんてアテになりませんな。
サンマのタルタル。8月初旬でサンマって大丈夫かいなと思いましたが、
見事なナメロウ仕立てで納得の味わいでした。また、当店はひらまつグループの中でも価格帯が低くカジュアルであるためか、シェフの料理を始めホールのサービスも、のびのびと楽しんでいるように感じます。
自家製手打ちパスタのペスカトーレ冷製。ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん、なぜ突然こんなに貧相なんですか?
薦められるがままに丁寧に混ぜ混ぜしたのですが、うーん、見栄えが良くない。。。確かに生のホタテがゴロっと入っていて口当たりは悪くないのですが、やっぱ見た目がなあ。普通に温かいパスタでいいのに。天候を気にしすぎたのかな。全部夏のせいだ。
天候を気にしすぎたのかな、と思いきやシラー100%で攻めてくる。うーん、ちょっと頭を抱えてしまう。
豚。え?これが豚?というぐらい濃厚で旨味が強く、それいて上品な味わいでした。確かにワインとぴったりです。お見事。ガロニが生野菜なのも思い切りが良い。ひょっとしてこのシェフ、大物になるのではあるまいか。
デザートはセロリとレモンのコンフィを八つ橋で包むという独創性。驚きました。いや、出されたらなるほどコレもありかなと思いますが、無からコレを思いつくのは素晴らしい。
カヌレは抹茶仕立て。自由な発想で、それを許容する経営もワンダフル。
コーヒーは酸味が強くあまり好きではありませんでした。が、これは好みなので講評外。

ランチでお邪魔した際は、どの皿も無難に美味しく、それ以上に採光が良くて気持ち良いなあという感想止まりでしたが、ディナーはディナーで全然やるじゃないか!客層も良いし、何よりそんなに高くない。ちょっとかしこまりたい時の食事には最適だと思います。おすすめです。


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ひらまつ関連のお店にはかなり行きました。全般的に「外さないレストラン」で安心できるのですが、たまにハズレもあります。

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。