リベルテ・ア・ターブル・ド・タケダ/麻布十番

当店の武田シェフはミクニを経て渡仏、彼の地でトロワグロやジャルダンテ・サンスを経験し、帰国後はサンス・エ・サブールで実績を残し、Restaurant-Iでは料理長まで務めたエリートです。ミシュラン一ツ星。

この日の東京は36.9℃を記録しとにかく暑い!あまりに暑すぎて麻布十番商店街の人もまばらでした。入店して最初にしたことは炭酸水ガブ飲みです。
さて、シャンパーニュはRM(家族経営のワイナリーが造ってるモノ)のコチラ。シャンパーニュづくりは資本力がモノを言うと聞いたことがあるので、レストランではNM(モエみたいな巨大企業が造ってるモノ)をお願いすることが多いのですが、当店はNMよりもRMに気合を入れているっぽかったのでRMにチャレンジしました。
 ミネラルがあって爽やか。本日の気候にピッタリで良かったです。
 アミューズは稚鮎。程よい苦味が暑さを忘れさせてくれます。ってかコレ、和食だよな。ナリサワの始め方を思い出しました。
 オクラとノリのフラン。ぬるりとした食感に磯の香り。季節感抜群で思わず頬が緩む。しかしこちらも和食である。フレンチと和食の境界線上で勝負するお店なのかなあ。店名の「リベルテ(自由)」はこのようなスタイルから来ているのかもしれません。
 パンは標準的。あ、私いつもパンについては「標準的」「普通」と書いていますが、これ全然悪口じゃないですからね。パンが美味しいレストランの確率は1割を切りますからね。
 バターは非常に柔らかく室温でも崩れそうになる。緑色が何かはわかりませんでした。
信州産のサーモンにクレソンなどの香り高い葉。ワサビで工夫したヨーグルトソースが面白い。仕上げは液体窒素で固めた、、、何だっけ?液体窒素にばかり気をとられてしまいました。総合的に悪くないのですが、サーモンはミキュイにしたり少し燻製するなどして香りを強調させる調理のほうが私は好きだなあ。
 千葉から今朝届いたカツオ。これは素晴らしい。こんなに厚切りのカツオは初めてです。たたき状態に炙られており香り高く美味。なるほどこちらで焦げ目を利かせているから、先ほどのサーモンはそのままで出したのですね。大葉のフリットの存在も心憎い。本日一番のお皿。
 メインは和歌山産の鴨のパイ包み。ソースはペリグー?これまで軽やかな皿が続いていたのに対し、突然ヘビー級が登場して唐突感がありました。一方でレフェルヴェソンスのような切り分ける歓びや見目麗しさは無いので、うーむ、ちょっくら残念賞。
 デセールはパンナコッタ的クリームに桃のコンポートを盛り付け、ソルベを乗せてメレンゲでフタをしたもの。パンナコッタ的クリームは上品な甘さにコクが感じられ美味しかった。桃は水ぶくれしているのか味が薄かったのが口惜しい。
 コーヒー、紅茶、日本茶から選ぶことができ、迷わず興味深い日本茶を選択。冷やしてグラスに入れられて出てきたのは想定外。ミントを利かせてあって、夏にぴったりです。印象的な一杯でした。
デセールもう一皿はチョコレート。クリーム状のチョコや粉末状のチョコにヘーゼルナッツがたっぷり。ざくざくとした食感で有終の美を飾ってくれました。ヘンなミニャルディーズ軍団よりも、こういうほうが嬉しいですね。

あまりに暑い日で、爽やかな皿を贔屓する一方でメインに重みを感じるなど色々とバイアスがかかった食事だったかもしれず、監査意見の基礎を与える十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかったため連結財務諸表に対して意見を表明しない。

ただし、調理にセンスが感じられたのは確かなので実力は確かなはず。次回は常識的な気候の時期に、ディナーでワインのデギュスタシオンを付けてみたいと思います。


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