すし通/六本木

熟成魚のパイオニア、すし通。鮨に科学の要素を取り入れ鮨業界に衝撃を与えた革新者。顕微鏡で繊維の流れを研究して包丁を入れたり、旨味成分の化学な感じがどうのこうのとか、そんなお店です。

昼前にふと鮨が食べたいと思いダメモトで電話をすると「にぎりは予約で品切れだが、ばらちらしならOK」とのこと。食べログでは「常識を覆すばらちらし」「あんなちらし初めて」と絶賛に次ぐ絶賛だったので、まあそれでも良かろうとそのまま予約して入店。
二番手さんが作ってくださいました。赤酢の上に中落ちを敷き詰め、トビコとイクラをちらし、恭しくウニを並べた完成形がコチラ。まあ、あれだ、どうやったってOCです。
 魚に対する手の込みようは狂気を感じるほどなのですが、ガリは至って普通です。
個人的には味噌汁が気に入りました。味噌汁というよりも魚介汁。特に甲殻類のエキスの凝縮感。「濃厚魚介ナントカスープ」を売りにするラーメン屋は当店へ勉強に来ると良いでしょう。
ごはんはかなり固めに炊いてあり食べ応えがあります。中落ちにはホタテが紛れ込んでおり、旨味と歯ごたえのアクセントが素晴らしい。

確かに美味しいし、値段も高くないので素晴らしいお店なのは間違いないのですが、食べログの口コミが手放しで褒めまくっているのが気になりました。

例えば私の友人は当店の常連なのですが「あそこの熟成は、モノによってちょっと行き過ぎで好みじゃないネタもある。あと大将がしゃべり過ぎのときが多い。リラックスできない」と述べているし、私も「どこが『常識を覆す』なの?旨いけど至って普通じゃん」という感想。ちなみに大将は確かにベラベラしゃべりっぱなし。まるでよこ田のようである。

逆に、アルバイトの女の子が橋本奈々未に朝の連ドラ要素を注入した清潔の塊のようなショートカット着物美少女で、そっちのほうがよっぽど『常識を覆す』なのに、食べログでは誰も触れていない。ようわからんわ。

ともあれ、素晴らしい鮨屋であることは間違いありません。今度はにぎりを食べに行こう。


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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。