最も効率よくダイブマスターになる vol.01

私には趣味という趣味がありません。強いて言えば旅行と外食なのですが、それは果たして趣味と言ってよいものなのかどうかいつも不安になる。スキンダイビングは割と好きなんですが、趣味と言うにはスキルが全然低いし、「趣味はスキンダイビングです」「なにそれ?」「器材なしで潜ることです」「ただ潜ってるだけじゃん」という会話の流れにいつも辛い思いをするのです。明確な資格もありませんし。

というわけで、私の公式の趣味はスキューバダイビングとすることにしました。そして遊び半分というよりは、結構本気に趣味してるんだぜということを証明するために、ダイブマスターを取得することに決めました。

ダイブマスターとは、プロのスキューバダイバーのスタートライン。実際にダイビングショップで働けたりもします。どうだ、かっこいいだろう。同僚に600本のダイブマスターがいて、ひそかに憧れていたのです。あ、「本」っていうのは実際に海の中に潜った回数のことです。大体1本30~40分。身体の仕組上、普通は1日3本しか潜れないので一気に本数を稼ぐのはできません。100本潜れば中級者。ボウリングでアベレージ140、ゴルフだと100切るぐらい。上級者は500本~。

ちなみに私のダイブマスター取得にあたってのコンセプトは「最も効率よく」です。資格だけが取れればそれで満足。ダイブマスターになるための最低本数である60本ポッキリ登録を目指します。器材はもちろんフルレンタルで。

という話をダイビング仲間にしてみると「ダサすぎる」と言われました。

金曜日は仕事をお休みすることにし、木曜夜の最終便で羽田から那覇へ向かいます。飛行機の搭乗は2歳以下または障害者連れ→上級会員またはプレミアムクラス→その他、という順序であり、私は2番目なので優先搭乗アナウンスがあった際にゲートに並んだのですが、いきなりズイっと私の目の前に割り込んだオッサンが居て、おお、横入りされたぜと感激してそのオッサンの顔をじっと覗き込んだ所、「俺はな、優先搭乗なんだよ!」と超絶自慢されました。思わず吹き出しそうになって、いやここで爆笑したら喧嘩になるとじっと我慢して無表情を貫き通したところ、なんとなんと席が隣同士。「あ、は、いやぁあ、お隣でしたかぁ、偶然ですなぁ」と途端に気まずそうに謝罪してきて完全にへそが茶を沸かしていたのですが、ここでも頑張って完全無表情を決め込んだところ、彼は終始申し訳なさそうで、居心地悪そうでした。横入りはいかん、横入りは。彼は一歩成長したことでしょう。現代の枕草子、はづかしきもの。
メニューが変わって小十が監修のお弁当ということで期待大だったのですが、別に美味しくなかった。。。よしたけのばらちらしが一番よかったなあ。

那覇で仲間と合流してホテルへ。ダイビングに二日酔いは禁物なので飲むこともなくすぐに就寝。
三重城港から慶良間へ向かう。完璧に晴れて最高。ただ風が若干強く、波が荒い。私は生来乗り物酔いしづらいタイプなのですが、仲間の内のひとりは合計6回吐いてました。
 ポイントは黒島北。透明度30m超。あまりに透明すぎてどこまでも落ちていってしまいそうで不安になってしまう。

 お魚も良いですが、こういう絵も幻想的で素敵ですよね。


ランチはゆし豆腐に
島弁当。弁当にソーキが入っていていいですね。
少しポイントを移動して黒島東。


 かなり流れが速いところでロッククライミングのように岩に掴まりながら回遊魚を待つという修行。水深30m近いからあっという間にエアが無くなってしまう。みんなでエアを分け合いながら命からがら浮上してきました。
エアがもう残りわずかなのに、水深5mで3分安全停止するもどかしさといったらない。あ、安全停止ってのは、深く長く潜った場合は身体の仕組上、一気に浮上しちゃ具合悪くなっちゃうので、ちょっとした深さでしばらく留まることを言います。

水上に出ても流れが早過ぎて中々ボートに拾ってもらえない。何度も何度も浮き輪を投げてもらい、大変な1本でした。

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