自己流でファスティングしたら酷い目にあった

先日もお伝えしたとおり、私は毎年健康診断がオールAです。

人生で一度だけ人間ドックに行ったことがあるのですが、問診の際に「長年人間ドックやっていますが、あなたみたいな健康な人は初めて見ました」と医者が驚嘆する有様。

もちろん診断2週間前からボクサーのように調整に入り、暴飲暴食を控えるようにしてのスコアなので意味があるかどうか良くわからないのですが、年に1度はそういう期間があってもいいじゃないかという割り切りと、これでスコアが悪ければマジで危険と納得するようにしています。春の風物詩ですね。

今回も2週間前から朝食はコーヒーのみ。ランチはサラダのみ。ディナーは予定があればしっかり飲み食いし、予定がなければここもサラダのみという、飲食形態をデクレッシェンドに向かわせます。

話は少し逸れますが、朝食は私の身体にとっては毒です。朝ごはんを食べると午前中は全く頭がまわらず倦怠感に苛まれるのです。もちろん旅館での朝食などは料金に含まれているので食べるようにしていますが、それでもやはり朝食は好みません。

また、たまたまかもしれませんが、「朝食を食べないと逆に太る」と主張する人に限ってデブだったり、「朝食を食べないと生産性が落ちるよ」と得意気に述べる人に限って愚鈍な会社員だったりするのは気のせいでしょうか。

閑話休題。ファスティングです。今年は健康診断が火曜日の14時~であり、その前の土日は全く予定がなく、月曜日も会食は無しという絶好の機会であったので、断食にチャレンジすることにしました。

金曜日のおにまる後、結局別のワインバーで飲み直し、そこからあんまり記憶は無い。クレジットカードの明細が3:20になっていたので、なんやかんやで寝たのは4時頃でしょう。


<土曜日:500kcal>
苛烈な二日酔いで水分しか受け付けず。
義妹からバレンタインチョコ代わりに牡蠣が届いたのですが、今日はパス。
おやつにエリカのマボンヌを数口。
さらに別件でアンリ・ルルーのクイニーアマンを貰ったので、こればっかりは鮮度が命と18時に食べ切りました。


<日曜日:300kcal>
ランチに牡蠣を生で頂きます。が、こちらの体調がベストでないためか、産地との相性が良くなかったのか、数個口にしただけで気持ちが悪くなり中止。外出中にぶっ倒れても嫌なので、土日は自宅に引きこもり、一日中フランス語の勉強と、来月のスイス旅行の計画を立てていました。
夜間に気持ちの悪さが雲散霧消したので、ボンボンショコラを3粒だけ頂きます。感覚が研ぎ澄まされているのか、ふだんよりも格段に美味しく感じました。


<月曜日:200kcal>
朝からフラフラ。頭が全然まわらない。幸い一日中打ち合わせであり、能動的な創作活動を必要としなかったので助かりました。品川から西新宿五丁目への移動が辛かったなあ。なお、私は日頃しっかりと運動することはなく
■自宅で映画を見ながらのストレッチ
■タクシーに極力乗らず40分までなら歩く
■大江戸線は全て階段
の3点のみです心がけていることは。体重が落ちているためか、本日の大江戸線の階段は足取りが軽く、跳ねるように駆け上がりました。
この日、炭酸水以外に口にしたのはアンリ・ルルーのボンボンショコラ6粒のみ。真剣に向き合うので並外れて美味。

ちなみに、100円のミルクチョコなどはチョコではなく砂糖の塊であるため論外ですが、きちんとしたチョコレートってカカオとナッツとフルーツばっかりなので、ダイエット中にはオススメですよ。1粒500円近くするため「こ、この1粒で500円だっっ、旨いはずだっ」と自己暗示をかけながら食べるので満足感も高いです。

ところで異常に喉が渇く。普段、食物から水分を摂取している分を全てカットしているためでしょうか。アヒルのように水を飲みました。また、妙に眠くカラダがフラフラ。おそらく身体全体が省エネモードに突入しているためでしょう。


<火曜日14時まで:0kcal>
眠気が異常に続く。ゆうべは7時間たっぷりと寝ているはずなのに、10時と正午に1時間づつ昼寝(?)を貪りました。だって起きてても頭が働かないんだもん。健康診断は2時からだったので、昼寝で時間をやり過ごせたのが嬉しかったでです。

また、なぜか下痢のようなおなかの痛さを感じるようになりました。当然何も食べていないから何も出ないのだけども、なんとも言えない不安感をおなかに抱えながら家を出る。
家から徒歩でロアビルへ。全く力が出ず、途中の鳥居坂で挫けそうになりました。それにしても不健康なビル筆頭格のロアビルで健康診断ってなんだか皮肉ですね。

健康診断においては採血が辛かった。もともと得意ではないのですが、採っている間に冷や汗が止まらなく、おそらく顔面も蒼白だったことでしょう。採血後はソファにぐでーっと倒れこみ、足を投げ出し非常に態度の悪い患者に見えたかもしれません。ごめんなさい。


<火曜日15時から:1,500kcal>
ようやく何とか普通に歩けるようになったのでロアビルを出る。もともとこの日は香妃園で食べようと決めていたのですが、思いのほか空腹感に乏しくまたロアビル前のつるとんたんの消化に良さそうなうどんのほうが良いのではないかと思案したのですが、つるとんたんにおいてもどうせ3玉まで無料サービスをフルに活用するだろうから、体へのダメージは変わらないだろうと初志貫徹で香妃園へ向かいます。
まずはカレー。味などの細かい記述は別記事にて。3分ほどであっという間、それこそ飲むように食べてしまいました。中華スープベースのルーが体にどこまでも優しい。
続いて鶏煮込みそば。これが失敗だったかも。味は美味しいのですが、望外に鶏の脂とゼラチン質が胃袋に暴力的に接する。半分近くを残して退店です。私は食べ物を残すのが大嫌いなだけに、自分の軟弱な消化器官を呪いました。ごめんなさい。

帰りがけにツタヤでスイス情報でも集めようと考えていたのですが、若干の嘔吐感があったので数分で退店。明日からの食材をスーパーで買い込もうと決めていたのに、食べ物を目の前にするともどしてしまいそうなので大人しく帰ります。

自宅に戻ると簡単に服を着替えてすぐにベッドに倒れこむ。胃袋がせり上がる感覚が常にあり、ここで吐いたら負け、と謎の正義感を携えながら眠りに落ちます。

起きたのは驚きの3時間後。ゆうべはたっぷり7時間も睡眠を摂り、今日にだって午前中は2時間眠りこけた上で追加の3時間。完全に身体がおかしくなっています。
昼食が消化されておらず、エネルギーに変換されていないのが原因ではと思い、即効性のありそうなマボンヌに手を出したのですが、気持ち悪くなっただけでした。

結局その後は何も口にすることができず、気の利いた作業もできず、そのまま就寝。夜中に腸内が狼のような唸り声を上げ始め、何度もお手洗いへ。


<水曜日:700kcal>
ひたすらおなかが痛い。消化不良感満載。そしてなぜか37.2℃と発熱。

ランチは温野菜だけにとどめる。普通に美味しく食べることができ、昨日に比べると整腸してきた模様。コーヒーなどの刺激物も問題なく受け入れることができました。

ディナーはおとなしく軽めに済ませようかと思案していたころ、「今、十番にいるの。いっぱい付き合ってくれない?」と連絡があり、1杯なのかいっぱいなのか戦きながら待ち合わせた結果、2パイントとナチョスのみでした。

彼女をタクシーで見送った5秒後、スーパーバイザーに「ウフフ、30メートルぐらい後ろから見てましたよ」と偶然声をかけられる。文春か。何もやましいことはしていないのにキョドってしまいまいた。


<木曜日:たくさんkcal>
腹痛と発熱は立ち消え平常運転へ。ランチはサラダのみ。しかしこれは大事をとったわけではなく、
ディナーの赤坂ヴァッカロッサに備えてでした。これにて私のファスティング物語は終了です。


<まとめ>
結論から述べると、「自己流のファスティングはするな」です。長々と引っ張った挙句、あたりまえすぎる結論ですみません。ちなみに自己流とは、ネットや本で情報収集した上で自力で取り組む行為も含みます。やはり断食というものは専門施設に入院して森林浴でもしながらプロの指導に従うべきだと得心しました。

それでも自分で取り組みたいという頑固な自立心をお持ちの方は、せめて回復食だけでもきちんと守るようにしましょう。特に私のような固形物や脂質、消化に悪い肉などはもってのほかです。「リバウンドするから~」「消化が追いつかないから~」のように理由は山ほど挙げることはできるのですが、単純に「気持ち悪くなる」のが一番の弊害。重湯やおかゆから始めるのはまことに正しい試みだと思います。

なお、断食時における意外な発見は下記の通り。

■空腹感は感じない
私は普段から空腹感に乏しいほうなので、この感覚が妥当かどうかは不明ですが、空腹感は意外と感じません。

■食事で気分転換できないのが辛い
空腹感は無いのですが、「食事をしていない」という事実が心の持ち様に重くのしかかり、気分転換に繋がらず辛いです。意識を切り替えるタイミングがなく延々に作業を続けなければなりません。

■喉が渇く
食物から摂取できる水分をカットしているから当然だとは思うのですが、それにしても水分を欲します。体感では通常の3倍以上、水を飲みました。

■力が入らない、めまいがする、寒い
身体へのエネルギー供給がストップするのですから当然ですが、覚悟していた以上に辛かった。普段の私はジャンプを素手で破る一発芸があるほどの握力なのですが、ファスティング中はおそらく30を切っていたのではないか。

■眠い
先にも述べましたが、身体が省エネモードに突入するためか、異常に眠くなります。まず仕事になりません。怖いのは、睡眠欲にかまけて横になるといつまでも眠ってしまうこと。餓死に至る最終局面は、意外と苦痛は少なく意識が混濁し、眠ったまま死に至るのではないか、そこまで考えてしまうほど極端な眠気を感じました。


ということで、私の人体実験記録をご覧になったみなさんは、是非とも自己流のファスティングは避けるようにして欲しいと思います。こんなに体調面で辛い思いをしたのは亜急性壊死性リンパ節炎に罹患した以来です。ほんと気をつけてくれよなみんなたち。

また、正しいファスティングを実施したとしても、本当に身体に良いのかどうかについては意見差し控え。きちんと専門家の監修のもとに実施してから判断したいと思います。その企画はまたいずれ。

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