カンティーナ シチリアーナ トゥット イル マーレ/東銀座

シンガポールで働いている女子が「次の日曜、日本帰るから飲もう」ということで。
 東銀座、歌舞伎座の裏です。私以外は全員女子という謎の会合でした。「バレンタインに手作りチョコだけは勘弁して欲しい」という記事につき、「ムカついて途中で読むのやめた」「バレンタインに素直な女子の気持ちを陵辱している」と、
評判がすこぶる悪く袋叩きにありました。ついカっとなってやった。今では反省している。
 シチリアの瓶内二次発酵と期待したのですが、全然美味しくなかったです。これで8,000円はありえへん。死んでしまえ。
 イワシ?の南蛮漬けのマリネ。まあ普通。
 タコのマリネ。家庭料理ですな。私でも作れます。
 パンは凡庸。
 トリッパはポーションが大きく、内臓もたっぷり入っていて良かったです。こういうのはおうちじゃ作れないもんね。
 魚介のクスクス。これは謎でした。全然美味しくない。
初めてネロダーヴォラ(ぶどうの品種)を飲む。カベルネっぽいすな。
 電話線のぐるぐるコードみたいな麺にエビ。パスタの歯ごたえが良く、ソースはエビの風味が効き、本日一番のお皿。
 イイダコのリングイネもまあまあ。でもやっぱさっきのぐるぐるカーテンのほうがいいかも。
 シチリアでシラーって作ってるんですね。シラーっぽさはあるものの、普通です。
 ピスタチオのカンノーロ(筒状のペイストリー)。あっさりというか味があまりしなくてイマイチ。
リコッタチーズのほうがカチっとした風味で良かったです。

パスタが中々良かった。ただワインが高い。イタリアワインって、地場のぶどうが多すぎるし格付けのルールも有って無いようなもんだから当たり外れが多すぎて、自然と敬遠してしまうのですね。したがって、ピエモンテとトスカーナでギリなのにシチリアなんてどう考えても未開拓。自分の中に基準が無いからどうにも懐疑的に接してしまう。そういう意味で、イタリアワインってリーズナブルなはずなのに、今日は割高に感じたなあ、という夜でした。
唐突に「私はタケマシュランと寝たい」と懇願されました。私には取り柄など何もなく、せいぜい顔が福士蒼汰に似ているだけで、たまに袖クルしてあげることぐらいしかできないのですが、ここまで直接的に口説かれたのは初めてです。「彼女はこの後スタッフがおいしく頂きました」と〆たいところですが、単純に私の空耳であったらしく「私はタケマシュランに出たい」が真実だったのこと。なーんだ。というわけで写真をパチリ。どなたか結婚を前提にいかがでしょうか。



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十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。


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東洋軒/赤坂見附

2014年、飲食業界に激震が走りました。「ナリサワが老舗洋食店の総料理長に」。え?ナリサワってあのナリサワ?私が世界一好きなレストランのナリサワ?日本でトップクラスに前衛的な料理人が、伝統的な洋食を本気で作るとどうなるのか。なんてワクワクする試みでしょう。成澤シェフも「みんなが慣れ親しんだメニューだからこそ、違いに気づくはず」とそ自信マンマン。
とにかく入り口がわかりづらい。これがドアだと思って引っ張るとミシって言って、ただの壁でした。もうちょい奥ね。
内装はモダンかつシンプル。ナリサワに似ているかも。カトラリーにはお箸が紛れ込んでいます。
ミルクパン。これは唸るほど美味しかった。シンプルなものが旨いってのはホンモノです。3つも食べちゃっただよ。
バターはあるけれどもあんまし使いませんでした。
前菜一品目。連れは生牡蠣をチョイス。私は今シーズン100ダースは牡蠣を食べているのでちっともうらやましくなんかないもんね。
私はニース風サラダ。なんの変哲もないサラダですが、旨いのである。店員の説明も至ってシンプル。「これは○○産の××で~」と滅多矢鱈に食材アピールするお店は二流。一流は黙っていても良い素材を出す。
シーチキンが格別。恐らくちゃんとしたマグロをボイルして丁寧にマリネしたもの。恩着せがましい説明はなくサラリと提供するところが心憎い。
連れはアスパラ。温玉がおいしそうでした。
私はオニオングラタンスープ。アランデュカスの際と同様、素朴な料理の見解を知りたくてオーダー。が、やはりオニオングラタンはこれ以上の発展はないのかもしれない。いや、間違いなく美味しいのですが、想定の範囲内でした。
連れのメインはミックスフライ三種盛。カニクリームコロッケ、カキフライ、エビフライ。「カニクリームコロッケが悶絶」とのこと。すごいなあと思ったのが、食材によって全てパン粉を変えているのですね。薄く油を吸ったり濃く油を吸ったりと。しかもそのパン、このお店で焼いているの。イノベーティブではない分、恐ろしいまでのこだわり。
私のメインはメンチカツ。松阪牛なんですわ。
断面はコチラ。そう、肉汁がこぼれ出ない。絵的には寂しいですが、全ての肉汁および旨味がパン粉におさまるように設計されている証拠。何もつけなくても美味しい。肉がうまい。
出色はタルタルソースとウスターソース。なんだこれ。信じられないほどうまい。特にウスターソース。多彩なフルーツ使いに旨味1,000ベクレル。脇役がうまいんだ脇役が。
スペシャリテのブラックカレー。和牛の脂のコクが凝縮され、果物の甘味で包み込み、スパイスでキリリと〆る。人生で最も美味しいカレーとなりました。というか、これはカレーじゃないな。何か別の食べ物のような気がする。福神漬けも何か特別なひとつの料理として確立する勢い。
一方でハヤシライスは普通。水を使わず野菜の水分のみで頑張ったようですが、インパクトに薄い。あ、説明するまでも無いかもしれませんが、ゴハンがマジうめーっす。宮内庁の献上米とかそんなだったはず。
連れのデザートはキャラメルのムースにナシ。
私はイチゴのミルフィーユ。これは特に印象ナシ。普通です。

いやー、美味しかった。美味しかった。ミスターナリサワのパワーが100として、ナリサワでは独創性に70を振り分けているのに対し、当店は美味しさに90を投資しているように感じました。とにかく美味しい。

ただ、ただですよ。レストランとしての総合力という意味では手放しで褒めることはできませんね。読モを連れてきて口説くとかは絶対にムリ。だって出てくる料理がハンバーグとかメンチカツなんだもん。彼女たちにとっては味そのものよりも、「私は今ココにいる」という非日常感が一丁目一番地であるため、やっぱし見たこと聞いたことのない料理、すなわちドライアイスに醤油をかけて食べるとか、ステーキの中にフォアグラが入っててさらにその中にウニが入ってたけど実はトリュフだったとか、そういうのなんですね。そういう意味で、当店は玄人好みであり一通り食べ歩いてきた人向けだと思いました。

一方、玄人にとってもどうでしょう。そう、洋食の割に高い。どうせ高いならレストラン吾妻のようにチキンカレー5,000円サンドイッチ7,000円みたいに振り切ってくれればワオ!という感じなのですが、うーん、コース食べてひとり10,000円というのは中途半端でリアクションに困る。あと、ワインの値付けが高すぎる。

と、いうわけで、難しいお店です。今のところ新店でナリサワ客が流れているとは思いますが、5年後も勝負し続けることができるのか。応援の意味も込めて、ちょいちょいお邪魔してみようと思います。あ、外人連れてくるのは良いアイデアかも。「洋食」という日本独自料理をどう捉えるのか見物。


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メイソンジャー


ハッピーモーニングプロジェクトという朝活集団がありまして、私は彼女たちと長年癒着しているのです。
この日は「進化系デトックスウォーター」のプレスリリースにご招待頂きました。メイソンジャーに好みの野菜や果物を入れ、水とパルスイートを加えて一晩置いておくと、翌朝には素敵な水が完成しており、その水を飲み終わった後の野菜や果物も美味しく頂けるという、圧巻の一石二鳥ぶりです。
褊狭な当ブログと異なり、多士済々の著名ブロガーの皆様。
 女子に囲まれて幸せなオッサンであった。
お土産にメイソンジャーを頂いたので、おうちでもやってみよう。まずはレモネード風。見栄えだけのためにペリエを並々注いだので、ゲップが止まりません。
 本格的に熱湯消毒し、話題のジャーサラダにも挑戦。
 レンチンしてほぐした鶏ささみをドレッシングでマリネ。
 ゆで卵。味を沁みこませたい場合はこの順序で良いですが、卵のプロポーションを保ちたい場合は、最後あたりに投入しましょう。
 キュウリにトマト。カタいもの、重いものから詰めていくのがポイントです。
 最後に葉っぱ系。暴力的な圧力でグイグイ押し込んでいく。フタを開いた瞬間葉っぱが飛び出てくるぐらいの詰め込みっぷり。
食べる際は、ジャーをひっくり返してドレッシングを馴染ませてからお皿にあけます。一旦ジャーに詰めてから再び皿にあけるのであれば、洗い物がひとつ増えるだけじゃないかという無粋な指摘はしないこと。
ちょっとしたレストランのサラダっぽく見えるのが不思議。サラダ作りが楽しくなりますね。野菜を大量に買い込んで自由なパズルのように詰め込みまくる快感。3~4日ぐらいなら日持ちするので、大量生産して忙しいときにザザっと食べるという方程式が成り立ちます。

いいですねメイソンジャー。突然ブレイクした理由が何となくわかった気がしました。もちろんメイソンジャーである必要は無いのかもしれませんが、なんか響きがいいですよねメイソンジャー。

センシ バイ ハインツ ベック/大手町

丸の内は家賃が高いのか、レストランの割高感が否めない。したがって、お店探しにいつも苦労するのです。今回は2014年末に日本初上陸したハインツベック、のセカンドラインへ。

ハインツベックはロブションのドイツ人版みたいな感じですな。ミシュラン3ツ星レストランを抱え世界中にレストランを展開。ひいては飲食系のコンサルティングや芸能活動までも手がけるといった感じです。
うーん、カッコイイ。店内はガラス張りで、これぞ都会の最先端の先端といったところ。
当店はイタリア料理店なのでコチラ。泡が細やかかつ辛口で、シャンパーニュと遜色なし。
タコのマリネ。ペラペラのタコ数切れに塩コショウしただけ。家庭料理。
手元にあるとついポリポリとかじってしまう。
パン群はいまいち。ボソボソしてました。「そういう粉なんだから当たり前」と言われればその通りですが。
オリーブオイルは香りが華やかで素晴らしかった。
直径30センチ深さ5センチの巨大なお皿、に25ミリリットルほどのチキンスープ。いや別に不味いってわけじゃないけど大げさすぎ。
ブロッコリーのパスタ。クリーム系。100グラム超の大盛りサイズ。私にとっては嬉しい量でしたが、普通の女子では厳しいでしょう。味はまあ普通。
寒ブリ。こちらも印象無し。ソースが凝ってある風ですが凡庸です。
赤ワインはどっしりとヘビー級。アリアニコ(ぶどうの品種)ってタウラージしか飲んだことなかったのですが、高くなくとも美味しいですな。
メインは牛の煮込み。そういう料理なのかもしれませんが、脂が抜け切ってモソモソした食感で残念な結果に終わりました。
ドルチェはホワイトチョコ風味のプリン的な?濃厚で好きです。
一方で小菓子たちはイマイチ。
私がホワイトデーのお返しにお持ちしたピエールエルメの圧勝である。
ラテは美しい。

というわけで、色々と惜しいお店です。雰囲気は良い。かっこいい。値段も丸の内ということを考えれば許容範囲。ただ、料理があと一歩なんですよね。雰囲気に食事が追いついていなくて、水の無いプールのように何か大掛かりな忘れ物をしている。

もっとクールに気取った皿を惜しげもなく連発すればキマると思います。そういう意味で、もう3割ほど食事の価格を上げても良い。ワインはそのままでね。



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