House Of Memories(ハウスオブメモリーズ)/ヤンゴン

アウン・サン・スー・チーならびにミャンマー独立の父として有名なアウンサン将軍。彼のオフィスをそのままレストランにしたのが当店。当時の調度品がそのまま展示されており、その意義は博物館さながらです。
店側の予約連絡ミス(こちらに予約の証拠あり)により物置みたいなテーブルに案内されたのですが、無言のままずっと席につかないでいると、2階テラスの特等席を案内して頂けました。アジアはゴネたもん勝ちである。
ちなみに当店は団体客の受け入れに積極的であり大部屋女優であるものの、一定の品質ならびに費用対効果は死守しているという稀有な存在。当然に人気店であるため予約が必須です。
お通しとメニュー。このメニューはオシャンティーですねえ。新聞を模したものであり、ありそうでない仕掛けです。料理の説明は当然として、当店の歴史などにも随所に触れられており、ここ数年で最も記憶に残ったメニューでした。
ミャンマービールのドラフトがあったのですが、これといった特長は見出せませんでした。体調が優れない妻はライムジュース。これはここ数日で飲んだ生絞りジュースとは趣が異なり、おそらく砂糖で味付けされた、甘ったるいものでした。
前菜に大海老の春巻きを注文。1,000円強と、他の前菜の2〜3倍の値付けなのですが、その価値は大いにありました。旨味と弾力の強いエビを質実剛健な春巻きの皮がバリっと包み込む。本日一番のお皿です。
前菜の後はアジア料理屋らしく全皿同時提供です。この仕組みはどうにかならないかなあ。個人的には冷たいものから温かいものへ、味の薄いものから濃いものへと進みたいのですが、味の濃い冷菜が出た瞬間にストーリーが破綻してしまうのです。
何かスープでも取ろう、やはりミャンマーと冠がついたものが良いと、深く考えずに「ミャンマー・サワー・スープ」を注文したのですが大失敗。塩気が全く無く、何かドロドロしたヌルい液体にしか感じられません。
「ティー・リーフ・サラダ」。お茶の葉をふんだんに用いた豆のサラダです。いわゆる日本人が想像するような葉物野菜は用いられておらず、サラダと称しつつもオカズに近く、かなりお腹にたまる一品です。
魚のカレー。これは問答無用に美味しいですね。程よい辛さにムチっとした魚の食感。淡白ながらソースにピッタリの魚肉。ここのところ3店連続で魚介系のカレーにホームランが出ております。ミャンマー人は魚の取り扱いに長けている。「ミャンマーでは魚のカレー」を我が家の家訓として深く刻み込みました。
「マンゴーピクルス入りポークカレー」。ランチでも同じことを感じたのですが、魚と違ってミャンマー人は肉の調理が苦手なのかもしれません。豚がパッサパサになるまで煮込まれており、脂も旨味も抜けきっています。他方、ソースに期待を寄せるのですが、ビーフシチューのようにコッテリしており、南国で食べるには些か主張の強い味覚です。
ライスは5種類ほどあり判断に困ったので店員に相談すると「ココナッツフレーバーがベストだ」と胸を張る。しかしながらその風味は通常のライスと大差なく、彼の味覚が優れているのか私の舌がバカなのか、あるいはその両方なのかもしれない。

とはいえ飲んで食べてひとりあたり3,000円弱。ヤンゴンでトップクラスの人気を誇るレストランでこの支払金額であれば文句は言えません。加えて何と言っても魚のカレーが絶品でした。

そうそう、便宜的に「カレー」と表現していますが、実際には具材をスパイシーに煮付けた代物であり、厳密にはカレーとは異なる料理です。地元の方はこの料理のことを「ヒソ」と呼びます。カレーをヒソと呼ぶなど実にシュールである。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g294191-d2481737-Reviews-House_of_Memories_Restaurant-Yangon_Rangoon_Yangon_Region.html