最も効率よくダイブマスターになる vol.10

いよいよレスキューダイバー。

レスキューダイバー講習を受講するための前提として、アドバンスドオープンウォーターの認定およびエマージェンシーファーストレスポンスの認定が必要なんですね。前者は既に取得済みであり、後者も陸の上での講習のみだったので余裕のよっちゃん。「レスキュー」と聞くとなんだかすごそうですが、講習に参加するだけであれば割とハードルは低いのです。
「予習としてテキストを読み込んでおくこと」との指示はありましたが、ひととおり目を通したところで時間切れ。仕上げに電車の中でやろうと思いきやそのまま爆睡で伊豆着。

いつものにこやかなインストラクターが、今日に限っては非常に厳しい。「器材の確認等、全て自分で行うように。ファンダイブではありません。タンクも自分で背負うこと」うおーいきなりギックリ腰になったらどうしよう。一応防水カメラも持ってきたのですが、そんな雰囲気ではないのでカバンにしまっておきました。

最初は水面上の意識ある溺者に対してフロートを投げる練習。レスキューで真っ先に優先されることは、救助者すなわち自分の安全の確保です。自分の安全が確保できない場合は人に任すか諦めろ無理すんなという、とてもわかり易いルール。したがって、水に入らないで済むならそれでいいじゃんという理由から、こういう練習があったりします。

次はパニックになった人の救出。ここでも面白いのは、最初に習うのが「いかにパニクった奴からうまく離れるか」ということ。溺れてる人をキックして離れるとか笑ってしまう。しかし実際にパニックしている人は飛びついて自分を沈めにかかってくるわけで、ナメてると逆にこっちが溺れてしまいます。結論としては自分が潜行してしまい(溺者は水中まで追いかけてこない)、溺者に対して背後から忍び寄り、浮上とともに溺者のタンクを両足で挟み身動きを取れないようにして一気に気道確保して安心させ落ち着かせる。その後はそのまま曳行。これは簡単ですね。仰向けに引っ張るだけ。

続いてはコンパスを使いながら行方不明者の捜索。非常に難しい。透明度が7mぐらいしかなかったから臨場感があって良かったです。しかしこの講習、沖縄みたいに透明度30mとかだったら練習になるのかね。

水中で意識を失っているダイバーを発見したら、背後から抱えてゆっくり浮上。見つけたからって興奮して一気に浮上すると減圧症になったり肺が破裂したりしてしまうので、慌てず騒がず、のんびり浮上。実際の事故現場では焦ってしまってこれは難しいだろうなあ。

水面にたどり着くと溺者と自分のウエイトを外してBC(空気が入るジャケット)を膨らませて浮力を確保してレギュ(空気吸う器械)外してマスク外して呼吸確認して救助を呼んで、気道確保しながら5秒に1回人工呼吸しつつ溺者の装備を全部外して自分の装備も外して曳行のスピードアップを図り、浜までたどり着いたら自分のフィンを外して溺者を担ぎ上げてビーチで心臓マッサージ。

と、いっぺんにやることが山ほどあって大変すぎます。特に、「5秒に1回人工呼吸しつつ」ってのが本当に難しい。人工呼吸の際には両手で溺者のアゴを押さえつける必要があるわけで、その他の作業(溺者の装備外したり自分の装備を外したり)は実質3秒間隔で、しかも片手しか使えないわけだから参ってしまう。ひとつでも手続きを忘れてしまうと「最初からやり直し」という無常な声。あああ足がつりそうだよお母さん。

そんなわけで、4時間近く海に入りっぱなしでした。むちゃくちゃ疲れた。女の子とか、ツラ過ぎて泣いてしまうらしいですレスキュー講習は。翌日の課題シナリオ「ビーチから遠くに溺者を発見。救助に向かう途中で沈んで見失う」を与えられ、本日は一旦解散。
 コンビニにお茶のコーラ。物珍しくて買ってみると、なんのことはない、ただのコーラでした。お茶の風味は全く感じられず。
 夕食はレスキュー同期とホテル近くの居酒屋へ。
 刺身盛り合わせに
 キンメダイの煮付け。

お酒は抜きなのでゴハンセット。なぜお酒が抜きなのかというと、翌朝一番で筆記試験があるため、この後お勉強をしなければならないからです。あああビール飲みたいよおおお母さん!

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