2018年ベストホテル&レストラン

本年もご愛読ありがとうございました。毎年恒例、年末の総仕上げとして、ベストホテルとベストレストランを3つづつ挙げることとしましょう。

【ホテル第3位】
シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート/宮崎
http://www.takemachelin.com/2018/09/sheraton.html
「該当なし」にしようかとも考えました。それぐらい私の美意識ギリギリにいるホテルです。2009年に滞在した際には感動に次ぐ感動だったのですが、さすがに2018年にもなると経年劣化が進み、どことなく古臭い印象が拭えない。クラブラウンジの飲食物もケチ臭く、全体的に家族向けに舵を切った印象。温泉の素晴らしさは相変わらずなのが唯一の救い。大規模なリノベーションを期待します。


【ホテル第2位】
リバーリトリート雅樂倶(がらく)/富山
http://www.takemachelin.com/2018/02/garaku.html
富山駅から車で40分と、僻地中の僻地にあるスモールラグジュアリー。「川のほとり、アートの宿」がコンセプトであり、沖縄の百名伽藍に似た雰囲気です。ジャパンを意識させつつも設備仕様は最先端で、まさに快適性に満ちた宿です。一番のお楽しみにはメインダイニングのレヴォ(後述)。レヴォでしこたま飲んでそのままお布団にダイブするというアクティビティとセットでの評価です。


【ホテル第1位】
Hôtel des Berges(オテル デ ベルジュ)/Illhaeusern(フランス)
http://www.takemachelin.com/2018/05/hotel-des-bergesillhaeusern.html
ミシュラン3ツ星を50年間維持し続ける奇跡のレストラン「オーベルジュ・ド・リル(L'Auberge de l'Ill)」併設の宿泊施設。ストラスブールから約60km南、人口約600人の小さな村イローゼン。柳の緑に囲まれ、コウノトリが飛び交い、白鳥が泳ぐ小川のほとりにあるスモールラグジュアリー。ここのスタッフは本当に感じが良いですね。おもてなしの心を見事に体現。フレンドリーながら失礼は一切ない。自然な笑顔で付かず離れず接してくれます。風光明媚な景色に身を委ね、センスの良い清潔な空間でゴロゴロと、何もしない贅沢。


【レストラン第3位】
ナベノイズム (Nabeno-Ism)/浅草
http://www.takemachelin.com/2018/03/nabeno.html
恵比寿のロブションのエグゼクティブシェフを11年務め、在任中はミシュラン3ツ星を堅持し続けた渡辺雄一郎シェフ。2016年、満を持して浅草の地で独立し、以来、レストラン業界の数多ある賞を総ナメ中。最新のミシュランでは2ツ星に昇格しました。

期待以上にドンズバでタイプな料理でした。革新的だが根本的に美味。また、美味しい・不味いの二元論だけではなく、何をどう考えて、何を主張したくて、何をどう調理したかが手に取るようにわかる構成がすごくいい。世界観がきちんとある。

独立時にはロブションの流れとは異なる革新性のため賛否両論あったようですが、先導するより追従する方が快適な料理界に一石を投じたシェフに、私は惜しみない拍手を送りたい。次回は夜にお邪魔させて頂きます。


【レストラン第2位】
レヴォ(L'evo)/富山
http://www.takemachelin.com/2018/02/levo.html
ホテル部門第2位「リバーリトリート雅樂倶」のメインダイニング。前衛的な地方料理ながら何を食べているかきちんと理解できる調理がいい。この皿の主題は何かと直感的に認知できる。ワインのチョイスは蛮勇そのものであり、所々ずっこける場面もあるのですが、記憶に残るという意味で意図的なのかもしれません。ペアリングなんてのは、ちょっとはみ出すくらいがちょうどいい。人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店です。


【レストラン第1位】
ル・マンジュ・トゥー(Le Mange-Tout)/神楽坂
日本のフランス料理界を牽引してきた谷昇シェフ。ミシュランガイド東京発刊以来2ツ星を連続で取り続ける実力派。徹頭徹尾、素晴らしいお店でした。接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店です。客層も好きだなあ。予約困難性や高価であること、奇抜であることに価値を見出すゲストはひとりもおらず、健全な関係の男女が意味のある時間を過ごすためにこのお店を訪れています。私にとって大切なお店。今後も通い続けたいと思います。


秋川雅史との新春クルーズ、霧島、大阪、石川・富山、名古屋、京都、青森、GWクルーズ、関西一円、北海道、ミシュラン3ツ星を50年以上維持するフランスのレストランを巡る旅、愛媛、石垣島、バルト海クルーズ、宮崎、八丈島、ミャンマー、徳島、静岡、紅葉の京都・奈良、オーストラリアと、自分でも呆れるほど旅に出た1年でした。年々旅行の回数ならびに期間が長くなる傾向にあり、延べると年に3か月近く旅行に出ている気がします。家賃がもったいない。

それでもレストランにランキングをつけるとすると、結局日本のレストランが上位を占めてしまう。やはり私は日本人がつくる正確な料理が好きなのかもしれません。

ちなみに昨年のベストレストランは
でした。詳細はコチラ⇒ http://www.takemachelin.com/2017/11/2017best.html

来年も変わらずお付き合いして頂ければ幸いです。それではみなさん酔いお年をお迎えください。Bon appétit !


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。