クチーナヒラタ/麻布十番

平田夫妻が営むクラシックなイタリアン。だったのですが、大病されてスーシェフにお店を譲渡。新しいオーナーシェフは町田さんという方なのですが、店名はそのままヒラタです。
パンは温められておらず。ただしイチヂクのパンなど光るものがあり、満足しました。
連れの前菜。サワラのカルパッチョ。「まあ、うん」とのこと。やっぱしサワラって旨味の薄い食材だから難しいですよね。
私はタラのコロッケ。たこ焼きサイズが3つ。
タラの身をギッチリと詰め、軽く薄く揚げたもの。こちらも旨味の薄い食材のため印象に残らず。ヒラメのカルパッチョとかにすれば良かったかなあ。
ポロ葱のモツァレラチーズ焼き。これは美味しい。ジューシーなポロ葱、チーズお焦げ目、焦がしネギのアクセント。写真のまま素材のまま。正直な料理です。
ホタテと絹サヤのクリームパスタ。無難に美味しいのですが、私でも作れる味です。レストランで食べる感動は無い。
連れはシンプルに生ハムとコショウのパスタでした。
メインにミラノ風カツレツ。これも無難。美味しいが家庭料理の域を出ない。盛りも冴えない。
連れのドルチェはイチゴのミルフィーユにフランボワーズのタルト。
私はアーモンドのタルトにパンナコッタ、エスプレッソのアイス。パンナコッタの弾力性が印象的でした。アイスも上々。

ところで、連れと私のドルチェの内容が異なりますが、我々がリクエストしたわけではなく、店側が勝手に異なるものを出してきたんですね。これはいかがなものでしょうか。仮に好みが全然違ってたらガチャガチャお皿を交換したりせねばならず、どうにもみっともないし、かといって我慢して食べ続けるのもアレだし。。。何らかの意図があってのことなのでしょう。だが無意味だ。

料理を総括すると、先代を意識しすぎてか、ずいぶんと年寄り臭い皿が続いたような気がします。昔からの客を大切にしたい気持ちは理解できるのですが、このままだと次が続かない気がします。踏襲皿と個性皿を交互に織り交ぜるとか、ご自身のやりたいことをもう少し素直にやればいいのに。まだ若いのにもったいない。

厳しいことを言うようですが中途半端です。ただ、課題は明らかであるし、サービスのレベルは非常に高いので、数年、いや半年で化ける可能性もあります。誰か身近な大人が背中を押してあげればいいのにな。

ところで冒頭の平田夫妻はご病気から回復され、現在は広尾で「ちいさな台所ひらた」という紹介制のお店を開いたとのこと。というわけで、誰か私を連れて行って下さい。


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麻布十番はイタリア料理屋も多い。ただし、おっ、と思えるお店は少数です。個人のお店のランチが狙い目ですね。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

クチーナ・ヒラタ