レ セゾン/日比谷

帝国ホテルの花形レストラン。フランスの三ツ星料理店のシェフを引き抜いてくるというヤンキースもびっくりの人事。しかーし日本のここでは一ツ星と、やはり料理は難しい。そしてそこが面白い。

さて、お察しの通り、当店はとにかく高いです。東京の高額フレンチベスト5に入ると思います。
まずは液状に近いチーズのコロッケ。美味しいけれど、最近こういうの多いですね。
アミューズに白ニンジンやらなんやら。ポーションが小さすぎて味の判断ができない。
パンは全般的に可も無く不可も無く。と言いつつ5個食ったけどな。
フォアグラやらカラスミやらウニやら。必ず美味しいこの組み合わせ。反則だと思う。それでも見た目はきっちり美しく仕上げてくるあたり、さすがです。
鯛。これは非常におもしろい。皮目をパリっと、というかもはや松かさ焼き状態でバリバリ音がする。一方でソースはどっしりドドーンとうわーこれぜってー頑固なフランス人のフランス料理やーという一皿。奇抜ではないけど、シェフの哲学がものすごく前面に出ています。
真打登場。ジビエ料理!!この写真を見て美味しそうと思える方は相当フランス料理を食べこんでる方ですね。

雷鳥です。客観的に見るとグロい。調理法は一匹丸ごと脳味噌から内臓までローストして、さらにそいつから取れるダシやら血やらをソースに使うという、ハンニバル的なお皿です。

ちなみに肉のを手のひらサイズに広げてそこに内臓を詰め込んでキレイにくるりと筒状に巻いてカットしたのがこのお皿。書いてて気持ち悪くなってきた。

まず香りというか匂いが半端無くすごい。基本的に私は草食出身ですが、今日ばかりは肉食男子になった錯覚を覚える。そしてどっしりとした味、独特の風味、ザラっとした舌触り、血やらなんやらが溶け込みまくったソース、、、とびっきりにうまい!

ここまでジビエジビエした料理を提供してくれるレストランは日本に何軒あるでしょうか。今シーズン、私はキジとシカぐらいしかジビエを食べて無かったので、ガツーンときましたね、今回はガツーン!ガツーン!
ガロニ(付け合せ)たちもジビエにあわせた独特のもの。
さすがに興奮しすぎたのでデザート前にチーズ。
臭みが強いと言われるブルーチーズ。しかし先ほどの皿がICBMだとすればブルーチーズは焼夷弾にすぎないのである。
プレデザートはリンゴのシャーベットにチョコが入ったおもち。リンゴが上質。チョコが熱くてびっくりしたけれど、味自体は別に大したことなし。雪見大福のほうがいいかな。
山崎12年をきっちり効かせたアイスやらクリームやら。
あー! マンゴー!ナンバー、ツー!だめださっきのジビエで気力を使い果たして雑にしか書けません。ちなみに上にのってるのは白コショウのアイス。おもしろいし、きちんと美味しかったです。
ショコラも手抜き無く本気で美味しい。こういうの、JPHだと1個500円するよな…。

いやー、うまかった。アピシウスみたいな荘厳な雰囲気の割に、サービスは結構気さくで居心地も抜群。さすが帝国ホテルと唸ってしまう。

しかし、とにかく高い。あと3割安ければ。でも、3割安くなっちゃうと客層も下がって予約も取れなくなって、という具合に超人気店の典型になって、常連は離れていくんでしょうね。逆に、予約取りやすくてサービスも完璧で客層も申し分ない、という部分にその3割を支払っていると考えるべきなのかもしれません。世の中の値付けは、意外と妥当なのかもしれない。色々考えることの多い夜でした。

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