清水港みなみ/静岡駅

静岡にはサウナマニアの聖地である「サウナしきじ」がありますが、サウナーであるオリラジ藤森が「サウナしきじ」とセットで必ず訪れるお店が「清水港みなみ」。
名前からして清水駅にありそうですが、静岡駅すぐ近くです。清水港は冷凍マグロの水揚げ日本一を誇り、日本で消費されるマグロのうちの約70%は清水港での取り扱いだということは「末廣鮨」の記事で既に述べました。

人気店であり行列必至。オリラジ藤森が「10:40に並び始めるのがベスト」としていたので、念には念を入れて10:30に並び始めると、難なくポール・ポジションを獲得することができました。
注意書きが多い。これまでの幾多のトラブルの墓標と言うべきか、解決してきた勲章と言うべきか、人気のほどが伺えます。
店内には30席近くあり、思いのほか広い。店員は全て感じの良いオバチャンたちであり、快活な挨拶と愛想の良い受け答え。経営者の人柄が滲み出ております。

着席してすぐに注文を取られるわけではなく、まずは全員着席の後、注文を取り始めます。緩やかな入れ替え制ではありますが、注文を取ったり調理をしたりにある程度の時間を要するため、何が何でもファーストロットに入る必要は無いかもしれません。
マグロ丼やネギトロ丼、漬け丼のようなベーシックなメニューの他、季節限定数量限定の丼も。お邪魔する機会は限られるので、私は「本鮪大トロ丼」「鮪三昧丼」の2セットを注文。二度聞きされるかとヒヤヒヤしましたが別段変わりない接客だったので、2セット食いの猛者もそれなりにいるのでしょう。
左が「本鮪大トロ丼」で1,780円、右が「鮪三昧丼」で1,380円。食べる前からアレですが、これはどう考えてもお買い得ですね。費用対効果が良いどころの騒ぎではなく、このような暴挙に出てどうして経営が成り立つのか不思議に思える価格設定です。
まずは「本鮪大トロ丼」から。見渡す限りのトロであり、まさにマグロの登呂遺跡である。食事とは味や脂が薄いものから食べ始めるのがセオリーですが、今回は途中から満腹で気持ち悪くなってしまうおそれがあったため、高級食材から取り組みます。

文句なしに旨い。これが1,780円とは奇跡を通り越して神話。私にとってマグロとは、ある一定レベルを超えるとどれも同じであり、大間産だろうが何キロモノだろうが取るに足らない問題なのです。

奥沢にある鮪で有名な「入船寿司」の大トロ丼は1.4万円ですが、ブラインドで食べれば当店の1,780円の丼との差など、一般人はわからないものでしょう。
「鮪三昧丼」は1,380円。こちらは本鮪中トロ・本鮪赤身・鮪たたき・すき身・漬け炙り・トロびんちょう鮪と、様々な品種ならびに部位を食べ比べることができます。もちろん上野のアメ横で売られているような形ばかりの粗悪品では決して無く、銀座の「はっこく」などの超一流店で出されても素人は区別のつかない極上品。東京の立派な鮨屋では大トロが1カン1,000円を超えることが珍しくないのに、当店ではこれだけ入って1,380円です。モノの値段って何なんだろう。食後感は月島「魚仁」に近い。
お椀も美味しい。魚介の出汁が聞いており、真っ当な鮨屋で頂くお椀そのものです。あたりまえですが2セット注文なので2杯つく。お腹たぷんたぷんやで。
卓上に置かれたガリも地味に美味しい。ワサビやお茶なども静岡のきちんとしたものだそうで、安かろう・良かろうという得難い価値がここにはありました。
11:30に退店すると、お店からは数十人の列が伸びています。「階段下から先は1時間以上待ち」だそうで、もうその頃には目当てのタネも売り切れ始めているでしょうから、絶対にミスが許されない旅行者であれば、やはり10:30頃から並び始めるのが得策でしょう。

都内であれば1万円超えは確実の丼を1,000円代で楽しめる滅茶苦茶なお店。静岡に来た際は是非どうぞ。オススメです。


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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。

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