バンコクで交通事故の際、警察・救急を呼ぶ前に必ずすることは?

2017年9~11月にかけて2週に1度、延べ1ヶ月ほどバンコクに滞在しました。その際に記憶に残った事柄を、記録のために記します。

【渋滞】
十数年前に訪れた際にも感じましたが、想像を絶する渋滞です。BBCの発表した「渋滞の深刻な都市」ランキングでバンコクは堂々の1位。朝夕のラッシュ時であれば電車+徒歩が最も早いにも関わらず、なぜかタイの人々は車に乗りたがります。
都市計画が無いに等しく抜け道という発想も無い。小道を行けば必ず行き止まりに直面し、結果、全ての車が大通りに集中することになります。その大通りには中央分離帯もなければ、右折禁止・Uターン禁止も無いので、皆、思い思いに突然進路を変更し、その度に車列に断続的なブレーキがかかり、結果として渋滞が生じる。もはや末期的な交通事情です。

また、渋滞が酷いだけではなく、危険度も極めて高いのが特徴的です。人口10万人あたりの交通事故死者数で見ると、タイは世界第3位の38.1人(日本は5.2人で163位)。ちなみにタイ人はグロや死体画像を好むので、交通事故が生じると救急車や警察の手配そっちのけで写真を取り、我先にとSNSにシェアするそうな。

安全確保のため、在タイ邦人には運転手付きのしっかりした車を利用している人が多いです。私は率先して電車を利用していたのですが、どうしても車を必要とする場合は彼らの車に相乗りさせて頂きました。昼夜問わず休みの日であっても運転手が駆けつけて来、我々の食事中や飲み会の間じゅうずっと車内で待機していてくれるのです。

これが、慣れない。違和感。私はどうにも申し訳ない気分に苛まれ、こっちは飲んでるだけでタクシーもあるんだし、もう帰してあげたら?と思ってしまうのですが、ドライバーとしてはできるだけ残業と休日出勤で稼ぎを増やしたいという動機がある(「今週末ゴルフありませんか?」とドライバーから営業してきたりする)。つまり私の気持ちは丸っきり余計なお世話なのです。が、慣れないものは慣れない。

タクシー運転手の感覚もよくわからない。例えばバンコク中心地から空港までは40km近くあり道が空いていても小1時間はかかるのですが、日本でこの距離をオーダーするとタクシー運転手は小躍りして喜ぶもの。しかしながらタイのドライバーは表情を曇らせる場合が多く、乗車拒否されることも多々あります。目の前に大きく稼ぐチャンスがあるというのに「面倒くさい」が先に来る。また、空港の場所を知らなかったり地図が読めなかったりと、日本のタクシー運転手と比べると信じられない程にレベルが低いです。

Uberなどのライドシェアもあるのですが、GPSの精度が悪く配車までの時間が読みづらいので、時間が限られた移動には向きません。というかそもそも違法らしいです。友人は「ライドシェアと思われるから、後ろでなく前に座ってくれ。警察に止められたら友達だって答えてくれ。名前は何だ?互いに名前で呼び合おう」とドライバーからお願いされたとのこと。また、友人の運転手付きの車から降りた際、警官から激しく尋問されたこともあります。


【国王】
タイ国王の地位は、日本の天皇の地位の2万倍ぐらい高いような気がします。2016年10月にプミポン国王が逝去した際、「オフィスの中で泣き続けるスタッフが多くて仕事にならなかった」とのこと。
不敬罪も存在し、国王が他界してすぐの頃にゴルフ場で宴会をしていた日本人たちが軒並み警察に連れて行かれたというエピソードもあるそうな。
たまたま葬儀の期間にバンコクを訪れていたのですが、黒い服を着る方が殆ど(写真はASIA TIMESより)と聞いていたので、私も黒い服をたくさん持っていきました。葬儀が執り行われるエリアでは服装チェックなどもあり、ラメラメのキラキラしたケータイなどは没収され、鯖ギャルたちは追い返されたらしいです。

普段の生活においても毎日午前8時と夕方6時に公共の場やテレビなどでタイの国歌が流され、この間は全員立ち止まって直立不動の姿勢をとります。映画館では作品の上映前に国王賛歌と映像が流れます。この間も全員起立です。


【女子】
バンコクの女の子たちは総じてスタイルが良くカワイイですね。今年はシンガポール、台湾、フィリピンと、アジアの色んな国にお邪魔していますが、バンコクの女の子が一番しっくりくるような気がします(←何が)。

戸惑ったのは生足ミニスカ文化。オフィスビルであってもストッキングを履いている人は皆無でであり、その代わり(?)に制服などのスカートが妙にタイトで短いです。聞くと、「ストッキングを履くのは夜の仕事の人ぐらい」とのことなので、日本人女性がタイに来られる際は気をつけましょう。

お金の使い道がよくわかりません。一般的なOLの月収は10万円程らしいのですが、150円の屋台メシで節約する一方で、400円もするスタバのコーヒーを平気で飲み、10万円もするiPhoneをみんな持っています。謎の金銭感覚。

公衆の面前でリップクリームみたいなものを鼻の穴に突っ込んでいる女の子が多いです。「ヤードム」という嗅ぎ薬らしく、メンソールの香りで、鼻づまり・眠気・偏頭痛の解消などに効果があるそうな。その後おもむろに鼻クソをほじり出したりするのも興味深い。

子供好きな女性も多いです。ペッピーナで食事をした際、駐妻がお嬢様を連れて来たのですが、ありとあらゆる店員に話しかけられ、あやされ、抱きつかれ、写真を取られます。子供に優しく接するのは良いことですが、「通りすがりの人にキスされそうになることもある」と、ストレプトコッカス・ミュータンス問題など気が気でない。

基本的に女系社会です。友人の会社は「50人中、男は4~5人」とのこと。男性はドライバーや屋台などの仕事に就くことが多く、ホワイトカラーは女性がほとんどとのことです。


【微笑み】
「微笑みの国」とは良く言ったもので、タイ人は基本的にいつもニコニコしています。ホテルやレストランにおいても、日本人の慇懃無礼な笑顔とは異なり、自然体の笑顔で迎えられることが殆どです。極端な例だと、人から叱られている場合でも薄ら笑いを浮かべ、交通事故の当事者同士であってもニコニコと笑いあっていることもあるそうです。

聞くところによると、タイには下記13もの「微笑み」の種類があるとのこと。
  1. 自己の幸せに基づく微笑み。
  2. 賞賛する微笑み。
  3. 他人への丁寧な微笑み。
  4. 冗談がつまらないが仕方なく笑う微笑み。
  5. 「笑おうとするけれど顔がこわばってしまう」微笑み。
  6. 悲しみを表す微笑み。
  7. 人をからかう微笑み。
  8. 心の中にある悪意を隠す微笑み。
  9. 勝者の、敗者に向けてなされる微笑み。
  10. 勝ち目のない闘いに直面したときの微笑み。
  11. 「悪いことをしたとはわかっているが、これ以上嘆いてもしょうがないでしょ」という微笑み。
  12. 「あなたに借金しているのは分かっているが、返すお金がないんだもん」的な微笑み。
  13. 「あなたの意見には賛同できないが、どうぞご勝手に」という微笑み。
東電の記者会見でプレゼンターが苦笑いをしたことにつき、日本のメディアはここぞとばかり叩きまくり、欧米人も「あの状況であの表情はイミフ」という方が多かったようですが、タイ人だけは良く理解できたそうです。


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