モワルーズ/麻布十番

「カラペティバトゥバで食事をしないのはバカである」と酷評されたのが悔しくって、その次の週に食事メインで再チャレンジ。21時過ぎの入店だったので、予約ナシで問題ないと高を括っていると「すみません、予約でいっぱいなんです」と無情な回答。
慌てて軒先で「満席で入れなかったどうしよう」とこれから集まる連れにスマホでメッセージを送っていると、2名の先客が店から出てくるじゃないか。

慌てて店内に戻り、今、出てったよね?どう?と尋ねると、「ですから、予約でいっぱいなんです!」しつこくてごめんなさい。超恥ずかしい思いをしました。

それではと、同じく麻布十番でトップクラスに人気のワインバー、モワルーズへ電話。今からお邪魔して良いかとドキドキしながら尋ねると「ちょうど今、空いたトコ。OK」。このようなコンティンジェンシープランをいくつも用意している私は流石である。
カウンターに着席。グラスシャンパーニュは1,200円と安い。
オリーブはフレッシュな味わいで良かった。アピシウスのそれとはベクトルが異なり、これもまたおかし。食事はコースに流れても良かったのですが、アラカルトメニューに魅力的な料理が並んでいたので逡巡していると「アラカルトを選んでふたりでシェアもOK」とソムリエのアドバイスが背中を押してくれました。
あっという間に泡を乾かしてしまったので、白へ。「おおっ!ペース、上がってきましたね!」とソムリエ。気立ての良い定食屋のおっちゃんのように気軽に接してくれます。
サバのマリネにグリーンマスタードソース。間違いなく美味しいのですが、驚きは無い。ソースも予想の範囲内。
シャラン鴨とアグー豚のパテ。これも普通だなあ。メニューで見るとどれもこれも煌びやかに見えたのに、実際に味わうと、あれれ?シェアしたのが良くなかったのかなあ。フルポーションで食べるとまた印象が違ったのかもしれません。
焼きたてのパンが秀逸。海草を練りこんだバターも的確。私はレストランの評価をパンである程度決めているので、先の2皿については目を瞑ることとします。
コクのある白を迎え撃つのは
オニオングラタンスープ様。「タケマシュラン オニオングラタンスープ」で検索すると山ほど記事が出てくるぐらい、この料理が好きなんです。シンプルな調理なんですけど、家で作るにしては面倒なので、レストランのメニューにあれば即決。こればっかりはハーフポーションではなく1人で食べきりました。満足じゃ。
この後は魚介1皿と肉が続く予定だったので、間を取ってピノを1本。怒られるかもしれませんが何かニンジンみたいな味がする、小梅系の面白いワインでした。
ブルターニュ風の魚介。海の響きを懐かしむスープが出色。それぞれの素材の旨味が同化し新たな味わいを生み出します。ううー、もっと飲みたいよう。
メインはランプ肉。美味しい。間違いの無い火入れ。シンプルな味付け、上質な肉。一口頬張るごとに笑みがこぼれます。こちらはハーフポーションながら、結構な食べ応えがありました。

噂に違わず良いお店でした。料理とワインの値付けのバランスもちょうど良い。一方で、ワインをある程度わかっていることが前提のようなスタンスのお店なので、ワインを飲まない方や下戸の方は印象が違うかもしれません。

「美味しかったね。でも、料理に限って言えばカラペティバトゥバのほうが好きかも。少なくともサバとパテで首を傾げる、みたいなことは無い」と連れ。むーん、ますますカラペティバトゥバにきちんと食べに行きたくなるじゃないですか。

頬を緩めながらのんびりと飲み食いし、25時に退店。都合ひとり1本近く飲んでいるので、フワフワとした高揚感。21時過ぎに飛び込みでここまで楽しめる店がゴロゴロある。すごい街です、麻布十番。


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麻布十番にはフランス料理屋がたくさんあるのですが、残念ながら割高でハズレなお店も多い。外さない安定したお店は下記の通り。
  • ラリューン ←クラシックな調理で正統派。むちゃ穴場です。
  • 麻布れとろ ←ここで合コンすれば幹事がモテる(と信じている)。
  • RRR ←ワインが割安。飲みまくれ!
  • ルバーラヴァン52 ←全般的に安い。2時間で追い出されるのが玉に瑕。
  • タストゥー ←トリュフを使ったデザートに身悶え。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。


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