セカンド コルク(2nd cork)/赤羽橋


東麻布を歩いていると、宙に浮かぶようにディスプレイされる一輪の薔薇。不審である。
何だろうとバラが浮いたビルに足を向けると「cork」との看板。どうやらバーのようです。コルクだから、ワインバー?『目の前にあるドアは開けてみる』というドラクエ的発想でアドリブで入店。「そんな装備で大丈夫?」と心配性の彼女。
答えは実にオーセンティックなバーでした。席数はわずか6席であり、すべてカウンター席ながらも、座席はすべてソファ仕様という面白いつくり。バックバーはもちろん背面の壁に至るまで、店中を埋め尽くすウイスキーのボトル。なるほどウイスキーの栓にもコルクは用いられていたか。
宙に浮かぶバラの正体はコチラでした。「あたしああいう演出ムリ。あとバーテンダーが気の弱い就活生みたいで頼りない」と、今夜の連れは手厳しい。

「彼氏のヤキモチが日に日に酷くなってくの。自分は平気で飲み会の予定とか入れるくせに、あたしが飲み会に行くともう不機嫌になる。そこに男がいようものなら地獄なんだから」どうしてオッサンになってまでヤキモチやくかなあ、と彼女は小さな溜息をついた。
「あたしはバーではマルガリータしか飲まないの」とハードボイルドな彼女。私はというと、今日のフレッシュ・フルーツはどんな感じっすかねえ、と実にヘラヘラしており、「当店では生の果物は取り扱っていません(キリ」とバーテンダーに返される始末。
仕方がないので、柑橘系のロングを炭酸入りで、と茫漠とした注文を告げると、ギムレットハイボールをお出し頂けました。これでいい、と鷹揚に頷きながらゆったりとしたソファに身を預ける。

「嫉妬心のおかげで大成した偉人なんてどこにもいないのに」確かにヤキモチをやいて得することなど何も無い。そもそもパートナーが自分の意向にそぐわない行動を取るのは、自分自身に何か問題があると考えるべきでしょう。これ以上踏み込んだはダメだ、と相手に歯止めをかけられない原因は自分の魅力不足にある。
「ちょっとしたことでも凄く感情的になって怒るから、手がつけられないんだよね。だからあたしは決めたんだ。害が無い程度に少しづつウソを織り交ぜていくって」まるでカレーに砒素を入れるかのように彼女は語る。

「それで世の中がうまく周るなら、舌ぐらい閻魔様にくれてやるわ」二枚舌から一枚減ってちょうどいいでしょ?と面従腹背する彼女。どうか世の中から嫉妬という醜い感情が一掃されますように。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事
東麻布のお店をまとめました。東麻布は歩いてすぐそこの麻布十番に比べてリーズナブルな佳店が多いですね。
  • ローブ ←麻布界隈、いやむしろ都内でもトップクラスに好きなお店。
  • ラ リューン ←クラシックで美味。高くない。
  • ラメンサ ←ランチのカレーが絶品。テラス席でビールを飲む幸せ。
  • ゑびすや魚店 ←東麻布で100年近く続く魚屋が、魚屋料理とお酒を楽しめる居酒屋を営業
  • 旬菜本多 ←リーズナブルな和食。感動は無いけれど満足。ランチが超お得。
  • 蘭麻 ←夜は1万円超えの高級店ですが、ランチは1,000円代。追加料金でお願いできるカレーが最高に美味。
  • ビストロチック ←ランチのパスタが美味しい。店員同士が仲良さそうで微笑ましい。
  • Mixology Bar Source 2102 ←コーヒーカクテルが絶品。こんな美味しいカクテル飲んだことありません。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

関連ランキング:バー | 赤羽橋駅麻布十番駅神谷町駅