キッチャーノ/赤坂



Specialita di Carne CHICCIANO。ヴァッカロッサと双璧をなす赤坂の肉の聖地。
ワインの値付けがバランバランなのでワインリストをじっくり読み込む必要があります。コチラは安くて大変良かった。そのピンク色とは裏腹にドライ。厚みがあって、スパイシー。食前食中いずれにも大活躍。おすすめです。
専用の機械で薄く薄くスライスされた生ハム。脂がふんわりと舌先と解けてゆく。赤肉メロンも食べ応えがあり、シンプルながらも実力のある前菜です。
一気呵成に並べられるシャルキュトリ。そう、このお店の注文方式は変わってて、肉の種類と量を指定すると、後はお任せなんです。

手前のハムは割に普通。日進でよく買う塊と同等です。左上はスパイスがピリっときいていて酒の共に最適。右上の生ハムも悪くは無いのですが、先ほどの赤肉メロン添えも含めるとかなりの塩分摂取量。人に拠っては食欲が削がれるかもしれません。
パンの中にモフっとしたクリが!これは美味しい。内山理名のように安定感のある味わいです。
サーモン。美味しいですがあまりにシンプル。レストランで気合を入れて食べる佇まいではありません。

ところで当店はサービスがとってもイマイチです。ぶっきらぼうに皿を置いていくだけであり、食材についての細やかな説明などは皆無。
メインにはタウラージを飲むと決めていたので、同郷の白を選択。
ブッラータの燻製。このチーズを燻製にしてしまうというアイデアは拍手喝采。ぷうんと香る薫香を楽しみながらジューシーなチーズを口に含む幸せ。大好きです。

ただし「ブッラータ」についての説明が1ミリもないのはいかがなものか。テーブルにて私が皆に説明するのは何か違う気がします。
カラスミはいつだって最高。日本酒が飲みたくなります。頂上の塊はアクセントとしてさておき、パスタへの絶妙な塗布量が素晴らしかったです。カラスミのパスタはいきおい下品な味になりがちですが、当店のそれはバランスが取れておりとても美味。
ラグーは標準的。あと心から一口サイズなので大食いの私にとっては若干のストレスです。もっと食べたい。
本日の特選グリリャータミスタ(本日のおすすめ肉3種類 食べ比べ)。通常はひとつソーセージが入るところを、2,000円の追加料金でお肉に変えて頂きました。

右から北海道、島根、佐賀のお肉です。北海道と島根の味わいは想定の範囲内。まあ美味しいけれど価格帯考えればこんなもんだよね、という印象。

白眉は島根。食感が不思議なんです。サックリと柔らかく歯が入り、その後はザラっとした舌触り。粗挽きのレバーを食べているような錯覚。味わいも複雑で深みがある。3種の中では突出して私の好みでした。

付け合わせは右下のジャガイモが秀逸。とにかく甘く、それでいてクドくなく食べやすい。この素材を用いてジャガイモ料理を食べてみたい。
アリアニコ大好きなんです僕。先ほどの肉たちに合わせると若干パンチが強すぎですが、好きなワインなのだから仕方が無い。機会主義的行動はワイン選びを任された者の特権である。
葉物野菜も出して頂けました。これが地味に嬉しい。肉とワインで毒々しくなった口腔内がリセットされて食べ易くなりました。
アイスはなんだっけなあ?スミマセンこのあたり会話が盛り上がって食べることに集中していませんでした。あと、ティラミス的なものもあったのですが、写真を撮り忘れる。
歓声があがったのはコチラ。マスクメロンほどもある巨大なお茶菓子。両手にもって千切ったりかぶりついたりと楽しい甘味です。それでいて品の良い甘さなので、意外とパクパク食べ進むことができました。

飲んで食べてひとり25,000円。うーん、ちょっと高いなあ。どの料理もそれなりに美味しくはあるのですが、(島根の肉を除いて)おっ、と思える驚きが無いんですよね。フロリレージュと同価格帯であることを鑑みると、色々と考え込んでしまいます。

あと、サービスはもうちょっと何とかして欲しいですね。とにかく素っ気無く、歓迎されていると感じたことは一度もありませんでした。これが客単価数千円のオステリアであれば何も言いませんが、25,000円でこの対応は厳しい。大切な人をおもてなしするにはちょっと難しいお店だと思います。

ところでこのあと十番に戻ってひとりで飲んでいたら、女性ふたり組に逆ナンされてワインを1杯ごちそうになりました。相変わらずモテ男の私(※ただしイケメンではない)。しかしすっかり飲みすぎてなるほど4時じゃねーの。


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十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。