石かわ/神楽坂

私の感覚では、和食ってフレンチに比べると技術がどーのこーのじゃなくて、素材で9割方勝負アリみたいなところがあって、つまりはある程度の支払いを覚悟しないとまともなモノは食べれない、なんですね。さらに、水商売同伴の不動産王がタバコをふかしながら常連ヅラでガハハハだったり、ヘンに店員が居丈高だったりして、あまり満足した経験が無いのです。

恐らく今回も負け戦になるだろうと覚悟を決めて、行って来ました、神楽坂石かわ。ミシュラン3つ星。
鰻の炭火焼。イイネ。蒸しはあんま好きじゃないのでタイプ。
ハモは印象無し
松茸と甘鯛。香りが素晴らしい。
平目。よこっちょの海苔がうまかった。
蒸しアワビとそのキモ。ものすご大ぶり!キモが最高!
太刀魚の焼き。香ばしくて素敵。ナスがとろとろ。
里芋とモモとウニと何かのゼリー。本日一番の一皿。フレンチみたいな調理です。
牛なべは味付けが濃すぎ。繊細な判断が難しかった。
〆のお食事は量がたっぷり。
食べきれない分はおにぎりにして、お土産としてくれました。
デザートの黒糖ソルベが実に美味しい。

大将は全然エラそうじゃなくて、親戚の気さくなおっちゃんのようです。普通の飲食店を真面目にやってるのに、ミシュランが騒ぎ立ててめんどくさい客が増えた、ぐらいに思ってそう。

やはり客層が特殊ですね。隣の海外からの接待客は「今日は石かわ、明日は水谷、来週はハジメ(全て3つ星)に行くんですよ~。ハジメは去年も行ったんですけど、ほんとに美味しいですよ~」と大将に自慢し始めて、大将が対応に難儀していました。今から自分ちのゴハン食べさせるってのに、他の店の話始められてもねえ。「会社のカネでスタンプラリーして自慢するんじゃねぇ!」と、怒鳴ってやろうかと思いましたが、ゲストの外人もつまんなそうにしてたので、色々と気の毒な会食です。どっちの接待だか。

隣の隣の同伴客は水商売の女性と店で待ち合わせて、着いた瞬間「ルイロデレール(ドンペリみたいなもん)をフルボトルで!」と大変景気がよろしい。2人で飲みきれるの?余るなら手伝うけど?と思ってたら、一気に飲み干し、続いて日本酒にもバンバン突入。憧れる。

個人的に瞬間最大風速としてはそれ程でもなく、どれもこれも安定して美味しい、という感想ですが、連れは大絶賛してたので、料理っておもしろい。

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神楽坂 石かわ