メゾンポールボキューズ/代官山

披露宴での食事がすごく美味しかったという話を聞いて、ならば行かねばならんでしょう。

予約より30分近く早く着いたので、ウェイティングスペースで待とうと思いお邪魔すると、昼から夕方にかけての披露宴客が入り口近くでたまりにたまって大騒ぎ。吸殻と痰唾がたくさんたくさん落ちてました。

それほど待つこと無く席にご案内。他のお客様も続々とご来店ですぐに満席。夜とはいえ初夏なので、もんわり暖かかったのですが、やはりミシュラン一つ星のグランメゾンでのお食事ですからパキっと麻のジャケットにタイ、カッタウェイ、コードヴァンの靴でドレスアップ。

と、思いきや、他のお客様はカジュアルな方ばかりで、男はジーパンにラルフローレルのシャツをだらしなく出し、女は謎の半そでボーダーニットなど、サイゼリアのように寛いでいらっしゃいます。私は雰囲気も楽しみに来たのですが。

チーズを練りこんで焼いたグジェールで始まり始まり。チーズの味がしっかりしててナイス。ソファで寝っころがりながら20個ぐらい食べたい。

アミューズのサーモンはスシローと大差なし。

スープ?はホワイトアスパラがオティンティンみたいに見えます。

当店スペシャリテのイトヨリのポワレは、ウロコに見立てたジャガイモがとても美味しかった。

メインの高級ロールキャベツ。

食べるのが面倒なわりに肉がモソモソしてて、、、でも、連れは美味しい美味しいと言ってたので、好みに拠るのでしょう。

デザートは目の前で焼いたり煮込んだりフランベしてくれたりするクレープ。「家のフライパンでも紙ナプキンで練習してるんですよー」と、若い女の子が素人っぽさを売りに一生懸命作ってくれます。しかし私はプロの料理を食べに来ているのである。

彼女の技量不足なのか、そういうものなのかは知りませんが、アルコールが全然飛んで無く、運転がある私は一口でフォークとナイフを置きました。 ああ、原宿のワゴンクレープが恋しい。彼女が遠くから私のお皿をチラ見チェックしており、胸が痛みました。

チョコアイスは本日一番のお味!ハーゲンダッツ級!最高!サイコォォオウ!

絶望。ポールボキューズがこの有様を見たら、ショック死するのではなかろうか。

よくよく周りのお客の会話に耳をすませると、どうやら披露宴を検討している試食客や、以前ここで披露宴を挙げて、一周年おめでとうございます無料ディナーご招待、みたいな客が目立ちました。なるほど、だからああいう服装でこういう雰囲気なのか。普通にお金を払うのがバカらしくなり、食い逃げしようかとさえ思いました。

決めたこと。
  • バンケット優先のレストランに一般客としては行かない 
  • 高級なのにドレスコードの無いレストランには行かない

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ひらまつ関連のお店にはかなり行きました。全般的に「外さないレストラン」で安心できるのですが、たまにハズレもあります。
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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