麻布とさか/麻布十番

存在は知っていましたが、中々お邪魔する機会がなかった当店。突発的に「今夜行ってみるか」的なノリになりそのまま突入。
焼き台をぐるりとコの字型にカウンターで取り囲む内装。他の客の容貌が丸見えの、会話の内容まで丸聞こえなのが気まずいです。オシャレな雰囲気のわりに値段がそう高いわけではないので、若い付き合うか付き合わないかぐらいのカップル多し。
大根おろしと豆腐。この豆腐がレアチーズケーキのような食感であり、周りに塗されたナッツなど、面白みを見出しました。
前菜は鶏のテリーヌに味噌漬けチーズ。決して不味くはないのですが、普段フランス料理に浸っている私としては、量も少なければ味も中くらいという意味で、全然ピンと来ませんでした。あ、隣のニイチャンがタバコ吸い始めた。
手羽先のコンフィ。それなりに美味しいですが、世界の山ちゃんとの差は大きくは見いだせない。調理に時間がかかった割に期待外れな1本でした。
せせり。歯ごたえと脂身のパンチは良いものの、肉そのものの味わいは薄い。
そで。これは美味しいですねえ。墨のプワンとした食欲をそそる香りに脂身の甘さ、筋肉質な味わいと、本日一番のお皿でした。
サドル?「〇〇の〇の方です」と、スタッフが説明してくれるのですが、5回ぐらい聞きなおしても結局何を言っているのかわかりませんでした。そう、当店は客の大半が酔っぱらいで音量が大きい割に、店員がごく普通の声量であるため、普通のテンションでは会話が成り立たないのです。

肝心のお味は、アンドゥイェット的な臭いというか、下処理が上手くいっていない内臓のような味わいでちょっと無理でした。
なんこつ。これも全然美味しくない。スーパーの1本100円のそれと大差ありません。
ハラミ。本日出される焼鳥としては中間的な味わいでしょう。
食事は鶏を用いた小ぶりの寿司が2カン。なのですが、清潔感に欠ける店員が素手でぐにゃぐにゃと米をこねくり回すのを目の前で見せつけられると、どうにも食欲が減退してしまいます。前日にきちんとしたお店で鮨を食べたばかりだったので、余計にそう思えたのかもしれません。
鶏スープは死ぬほど熱いのですが、滋味や奥行き、複雑性といったものは感じられず、割にフラットなフレーバーでした。

以上、料理だけで4,000円。いくらなんでも高杉晋作です。つい先日に鳥しき系列の名店で似たような金額の料理を食べてきただけに、この費用対効果の悪さには顎が外れてしまう。サービスの所作もぎこちなく、なぜかタメ口の店員もいたりと、色々と違和感に満ち溢れたお店でした。


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麻布十番には日本料理店も結構多いのですが、割高であることが多いです。外すと懐が大ダメージを受けるので、信頼のおける口コミと、味覚が似た友人の感想に頼って訪れましょう。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

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