とんかつ やまいち/淡路町


毎度毎度言い訳じみておりますが、私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。しかし「ここなら絶対好きになるはず!」のような、謎の推薦状が日々山のように届きます。前回のポンチ軒に引き続き、神田~小川町~新お茶の水エリアの人気店。
行列必至の人気店であるため、11時オープンの5分前集合。写真は食後の11:45頃のもの。店内まで列は伸びており、調理時間の長さを考えれば、そう、すごくすごく待つのです。

ちなみに私がシャッターするのは、行列が苦手という理由もありますが、揚げ物メインの飲食店の場合、揚げ油が傷む前に訪れたいという気持ちと、部位の売り切れを避けたいという食いしん坊根性にも因ります。
年季を感じるメニュー表。揚げ手を含め従業員は女性3名。とんかつ業界におけるキャッツアイと呼ばれる所以です。ごま油が強く香るのが印象的。私は「特ロース」に「かきフライ」を単品で一粒追加。
11:00に入店し提供は11:25と、じっくりゆっくりスタイルです。左が「かきフライ」であり、大ぶりのいなりずしほどのサイズ感。右の「特ロース」はパン粉の粒が大きく、また、揚げ油をたっぷり吸いこんでしっとりしているのが見て取れます。
個人的にとんかつ屋では豚汁を食べたい派なのですが、当店のお椀はなめこ入りの赤だし。味わいは一般的な定食屋のそれと同等です。
お漬物が美味しい。厚めにスライスされたたくあんや、ざっくりとした食感の浅漬けなどが心に残りました。
ライスも中々の美味しさ。私好みの硬めに炊きあがっており、米の一粒一粒が存在感を放つという芸風です。
主題の「特ロース」。うーん、これは普通のトンカツだなあ。かなりしっかりと火を通す調理であり、水分ならびに旨味成分肉から抜けきっています。また、一切れ持ち上げると衣が全て分離してしまうほどの一体感の無さであり、これで2,100円というのは割高に感じました。
卓上には塩に始まり柚子胡椒、とんかつソース、大根おろしダレなどなど。らっきょうも自由に食べてよいのが嬉しい。後のらっきょう・カーニバルである。
「かきフライ」は人生最大級のサイズ感。一般的なそれよりも3倍ほどの大きさがあります。とんかつに比べると火の通りがちょうど良く、カキの旨味に溢れたジューシーなエキスがドバドバと流れ出る。これは1粒350円の価値がある。
お会計は2,450円。うーん、ちょっと高いなあ。もちろん味が最上であれば金に糸目はつけないのですが、中の中の上くらいのとんかつに払う金額にしては割高です。加えてあの行列の長さと提供時間の遅さ。生活圏にある方であればたまには良いかもしれませんが、電車を乗り継いで行くには抵抗を感じたランチでした。


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私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構効高価だわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。
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とんかつを「超一流の大衆料理」として、グルメ業界の重鎮たちがひたすら議論を重ねる本。よくもまあとんかつでこれだけ語れるなあと呆れます。ここに記された「殿堂入り」のお店はさすがに外しません。