レストラン東洋軒/別府(大分)

鶏肉消費量が全国トップならびに指原で有名な大分県。その消費量の一角を担うのが「とり天」。「とり天」とは鶏肉を一口大に切り、醤油やニンニクなどで下味を付け、天ぷらとして揚げたもの。カラシをつけ、ポン酢や酢醤油、カボス醤油などに漬して食べる大分県の郷土料理です。
その「とり天」発祥の店が当店です。あれ?とり天の元祖って大分市の「キッチン丸山」じゃなかったっけ?どういうこと?

わけがわからず色々と検索してみると、別府市の「レストラン東洋軒」説と大分市の「キッチン丸山」説があるらしいです。大分市が発行した観光パンフレットに「とり天は大分市内の食堂で生まれた」と紹介したことにつき、別府市が異議を申し立てるなど穏やかではありません。

1月3日にお邪魔しました。三が日であれば多少はマシかなと正午前に到着すると、既に何十組もの待ち順列。なんだかんだで1時間程度待ち、食事にありつけたのは13時すぎ。
とり天定食1,350円です。田舎の不便な場所に位置する大衆料理店としては異例の高価格。
とり天。1人前は220グラムとのこと。水を用いず新鮮な卵のみで小麦粉を溶き、やさしく揚げた鶏肉はどこまでも柔らかく、甘噛みしただけで慣性の赴くまま真っ二つに割れてしまいます。程よい醤油とニンニクの香り。そのまま食べても充分にイケますが、自家製のカボス醤油をつけると途端にビールを飲みたくなる味に。
卵スープも上々。そう、当店の本分は中華料理でありこのような料理はお手の物。県外客は当然に名物のとり天を注文するのですが、玄人筋がチンジャオロースや水餃子などを旨そうに頬張っているのがとても気になりました。
ごはんと
お漬物はまあ普通の定食屋のそれです。
勢いづいて単品で「柚子とり天」も。こちらは昆布出汁と柚子の風味。塩で食べます。たいへん上品なのですが、個人的には普通のとり天のほうがパンチがあって好き。値段も高い。

素直に美味しく、近所にあれば何度でも通いたい味なのですが、別府市街地から結構離れていて、1時間も待った上にひとり2,000円のランチでこれだと再訪はちょっと厳しいかなという印象です。他店と劇的に何かが違うというわけではなく、聖地巡礼の参拝料として捉えたほうが良いでしょう。

何が何でも当店に来たいのであれば、夜のコース料理を予約するのが良いと思います。それなら旅行中の貴重な時間を待ち時間に費やす必要は無くなるので。

ちなみに「レストラン東洋軒」と「キッチン丸山」のどちらがオススメかというと、どちらも決定的な違いはありません。「キッチン丸山」は平日のランチしかやっていないので、それをレアと捉えるか不便と捉えるかによって、訪れる先を選択すれば良いでしょう。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事
クルーズ旅行が好きです。ホテルごと移動して、朝起きたら違う土地に着いているという手軽さがいいですよね。煩雑な荷造り&荷解きとは無縁。交通費と食費も込みなのでリーズナブルです。
子育て中のイラストレーターが漫画でクルーズの素晴らしさを伝えてくれるエッセイです。クルーズ旅行って、高級なイメージがありますが、子連れなどの場合は総額では割安になることが多い。そのような事実や基礎知識を非常に解かり易く著している良本です。クルーズをまだ一度も経験したことが無い人が読むに打ってつけ。

とり天発祥の店 レストラン東洋軒
関連ランキング:中華料理 | 別府大学駅