オー・グルマン(Aux Gourmands)/麻布十番


麻布十番駅からは歩いて十数分。飯倉片町交差点からすぐにあるフランス料理店。オー・グルマン(Aux Gourmands)とはフランス語でフランス語で「食いしん坊」という意味であり、「明日への力を養うための料理と時間を楽しむレストラン」がコンセプトです。
ドアを開けると横崎哲シェフがにこやかにお出迎え。筋骨隆々とした体躯にスキンヘッドにヒゲという特徴的な外観。そう、彼はボクシング元ミドル級王者であり、かつては「お願い!ランキング」というテレビ番組にも出演していたので、記憶にある方もいらっしゃるでしょう。ところで五反田のヌキテパのシェフも元ボクサーだったなあ。ボクシングとフランス料理は親和性があるのかしら。
さてこれから何を食べるかというと、ラーメンなのです。公式ホームページには記載されていませんが、なんと平日ランチには1,000円前後にてラーメンを提供中。フレンチの技巧を駆使したラーメン。しかもたった千円。フランス料理ファンにもラーメンファンにも魅力的な企画。
普段はプラス100円で白米を用意し、麺を食べ終わったスープで雑炊風に食べることを推奨されているのですが、この日は運よく炊き込みご飯でのご用意。アサリと生姜風味の炊き込みご飯。プラス300円です。

生姜の量が驚くほど多く、よくできたジンジャーエールを食べているかのような味覚。旨味が強く、反発力のあるアサリもアクセントとしてグッド。全体をまとめあげる、溜まり醤油の香りも堪らない。
ラーメンのトッピングが別皿で到着。ラーメンのガルニチュール(付け合せ)というコンセプトが面白い。清澄な肉を用いた鶏ハムが文句なしに旨く、量も多い。野菜にも品の良い味付けが施されており、これ1皿で前菜として成立しています。なんならこれに白ワインで食事が完結してしまいそうです。
真打登場、茨城産蛤の潮ラーメン。スープはまさにポタージュ・クレール(フランス料理における澄んだスープ)であり、ハマグリの風味が強烈に響きます。優しい塩味に強い旨味。もちろん化学調味料など一切用いておりません。まさに完成された簡素さといった味覚であり、寒い中、鼠坂を登って来た甲斐があったと満足した瞬間、サティスファクションです。

目を引くカスタネットのように大きなハマグリも実に旨い。優しいピンク色のエロめな肉体美に、見た目の通り弾力のある食感と味覚。

ちなみにこの日は
  • 塩ラーメン ¥900-
  • 溜まり醤油の醤油ラーメン ¥900-
  • 本日のラーメン(茨城産蛤の潮ラーメン) ¥1300-
というラインナップ。この値段でフランス料理の正統的なポタージュを楽しむことができるだけでも奇跡なのに、前菜(?)や麺までついてくる。これはラーメン業界におけるコンキスタドールとなり得る1杯です。是非ともラーメン・マニアの方々に訪れて頂き、意見を伺いたいところ。オススメです。


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東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。