小笠原諸島 vol.3~イルカと泳ぐ~

朝食。
そうそう、ゆうべの食事でもイラついていたのですが、同宿の別の客が極めてやかましい。70過ぎの爺さんが異常に声がデカいのは耳が遠いことに起因し、いずれ私も行く道であるため仕方ない、許そう。だがしかし60ぐらいのババアがどーでもいいことに対していちいち騒ぐのは辛抱ならん。「はあーい!写真とりますよー!!あらー!SDカード入れるの忘れてたー!大丈夫大丈夫!ギャハハハ!」大丈夫じゃない、問題だ。

小笠原はGWであっても10万円でお釣りが来る旅行地であるため、品のない客が結構います。一方で、どんなにお金を積んだとしても旅の質には限度があります。今回は選択肢の中では最も高価な宿を選択してこのザマ。沖縄の高級リゾートのように、全てがプライベート空間で完結できるような仕組みは皆無。有名人がお忍びでとかは絶対に無理。

飛行機や列車のクラスやホテルの格は、物理的な設備を買うだけでなく、雰囲気や客層などの形而上的な空気を買うということを再認識。ちなみに、不動産にも同様のコンセプトが当てはまり、ハコを買うのではなく立地と近隣住民と歴史を取得するものであると考える今日このごろ。
バナナジャムにサラダ、りんご、ヨーグルト。バナナジャムがすっげー美味しかったんですけど、連れはイマイチとのこと。味覚とは摩訶不思議なり。
ミネストローネも上々。やはりこの宿は小笠原の中では間違いなく素晴らしい方だと思います。
パンとコーヒーはおかわり自由。「あらぁーーー!あたしコーヒー1杯でパン1個イケちゃうわ!ギャハハハハハ!」おばはん何がおもろいねん。
気を取り直して出港。本日も「竹ネイチャーアカデミー」さんに全ておまかせ。海です。3日間通しのガイドをお願いすると、天候によって最高の場所を案内してくれるのがいいですね。晴れなら晴れに向いたアクティビティ。
出港していきなりクジラに遭遇。手をヒラヒラヒラでヒラリーと振ってくれたり、尻尾を見せつけながら潜ってくれたりと、サービス精神旺盛。色々なルールがあって、あまり船で近づけないのが残念。
南島へ上陸。世界遺産的にすごく重要な島らしいです。1日の入島制限100人。認定ガイド必須という難所。写真上部のテントから、双眼鏡で監視されている。
絶景。いつかのマリオカートで見たやつや。
しつこいようですが、ここは東京都です。最寄り駅は浜松町。
監視社会。
水に入ると意外にも透明度は低い。遠くから写真を撮るのが良いでしょう。
カニの動きが機敏で、トランスフォーマーの悪いやつを思い出す。
サメやエイもいます。
ガイドの同業者から「イルカの群れ発生中」の無線が入る。あわてて向かうと、混じりっけなしのイルカが5頭も。
慌てて飛び込むと、手の届く距離にイルカイルカイルカ!これは決してヤラセや合成ではありません。
同じ哺乳類とは思えないスピード。息も長い。私は泳ぎが得意な方ですが、彼らには完敗です。
たまに目も合う。「おめー、おせーな」みたいな顔されます。うるせーよおめーら陸の上歩けんのかよ。

このように、イルカに遭遇できるポイントを次々とめぐり、そのたびに全力で泳ぎまくるので、めちゃくちゃ疲れます。それでもこのフットワークの軽さはシュノーケルの醍醐味ですね。

ところで、「きゃあんイルカ大好きぃ!」「子供のころはイルカの調教師になりたかったのぉ!」と主張する女子は、統計上自己中心的な確率が高い(NASA調べ)。君たちが好きなのはイルカではなくイルカが好きな自分でしょ?「イルカだとどの種類が好き?」と聞けば化けの皮が剥がれるのでお試しを。即答で「バンドウイルカ」と返ってきても、それはそれで嫌だけど。
兄島の近くで停泊し、ランチ。
用意してくれたお弁当がおかずギッシリで満足系。ごはんに無理やりシャケをのせるセンス好きだわー。
余ったお弁当はエサとして海にまいてくれるので、魚が一気に押し寄せる。でもこれ、いいの?外来種が〜生態系が〜とうるさい割に、こういう点は寛容だったりする。
別のポイントへ移動中、いきなり巨大なクジラが10メートルの距離で飛び出して来た。うおーーーー!心臓バックバク!ドッキドキLOVEメール!慌ててカメラを用意すると、既に遠くでお尻フリフリしてる。あーんもっぺん近くに出てきたげてよぉ!
沈船へ。そう、小笠原諸島には戦争の関係上、20近くの船や飛行機が沈んでいるのです。
戦争の爪痕が今では熱帯魚の住処。
ウミガメがいたりもします。ちなみに、小笠原には仰々しいウミガメ保護施設があったり、絶対ウミガメに近づくな卵とか超気をつけろ観光客は自然を壊すんじゃねえ、みたいな風潮がある一方で、ガンガンにウミガメを食べたりもします。居酒屋ではどこでもウミガメ料理を出すし、スーパーでは刺身や卵も並ぶ。知識に乏しい観光客はリアクションに困る。

ともあれ、たっぷり7時間、素晴らしいマリンアクティビティを楽しむことができました。ポイントも天気も申し分なし。ツイていたなあ。
 陸に戻りシャワーを浴びて洗濯を済ませ、街を散歩。ゆうべのパッションフルーツが美味しすぎたのでもうちょい買い足そうと農協を訪れると、売り切れ間近。勢いでハコ買いして自宅へ送りました。

 同宿のババアたちがうるせーから食事の時間をズラそう、あいつらバカだから食事開始と同時に食いにくるぜ、それをやり過ごしてからメシ行かね?でもそれまで待つのはハラ減らね?ということで、
宿のカフェでおやつにメカジキのグラコロバーガー。揚げたてでマックより美味しかった。
 サメバーガーもペロり。サメとは言われてもわからない、というかそもそもサメの味を知らない。フィレオフィッシュと大差なし。
 夕食はパパイヤサラダ。南国を感じます。
 なすとピーマンの味噌炒め。こちらも自社農園とのことですが、うーん、いまいち野菜の味が薄い。土壌が向いていないのかしら。
 牛肉のマリネ。おかんが作った牛丼が冷えたような味。
 大根と手羽の煮物。妙な酸味がありイマイチです。
 島寿司。島魚(今夜はカンパチ)の醤油漬けをカラシで握る。寿司酢はダイダイの果汁。観光客が求める郷土料理を素直に出してくれるので嬉しいですね。
 キュウリも自社農園とのこと。何も言うまい。
 すまし汁はニラがアクセントで良かった。白米は数口にとどめ、ごちそうさまでした。
 デザートに揚げバナナ。なんか、発想が東京の人だよなあ。バナナの甘みが温度で強調されてねっとりと官能的。
満月。アクアヴィレッジでも感じましたが、お月様って、信号や街灯と同じぐらい明るい。頑張れば漫画読めルクス。

「小笠原諸島」シリーズ目次



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国内旅行もすごく大事にしています。なんてったって安い。みんなハワイなんか行くだけでなく、日本の名所と美食を巡る人生の豊かさも知って欲しいな。