グラスワイン 桜坂 ル・ボワ/桜坂(那覇)

第二次世界大戦後の米国統治時代には数百件のバー、スナック、キャバレー、映画館などが建ち並び、歓楽街としては沖縄県内で最も賑わっていた桜坂。近年はモノレールの開通などで再び賑わいを取り戻しつつあり、また、沖縄唯一のゲイ・タウンとしても有名です。
当店のオーナーはワインショップを営む方。国内のワイナリーを訪ねるうちに、つくり手の苦労や工夫を多くの人に伝えたいという想いに至り開店したお店だそうです。
店名はフランス語で「森」の意。テラス席から公園を望むことができ、森の優しい緑色が目に飛び込んできます。
グラスシャンパーニュは1,100円。私の知る限り世界で最もグラスシャンパーニュが安いお店です。その他のワインも500円〜と酒飲みには堪らない価格設定。料理はフレンチやイタリアンを主軸に気軽な酒のアテが何でも揃うといったラインナップ。
「イワシのエスカベッシュ(甘酢漬け)」。イワシにかなりしっかりと火が入っており、思い描いていたエスカベッシュとは少し違う。しかしながら野菜の味わいや調味はバランスが取れており、これはこれでありよりのあり。
「タコと水茄子、モーウィの梅サラダ」。モーウィとは沖縄の島野菜であり、水分たっぷりの瓜系。キュウリに似た風味です。全国的には赤瓜や越瓜(えっか)と呼ばれています。

で、そのサラダなのですが、調味は梅の風味を用いた薄い調味。さっぱりと美味しいのですが、量が少なくやや物足りなさを感じました。
「芽キャベツのフリット」。シンプルな調理ですが、これが、旨い。キャベツの美味しい部分をギュギュっと凝縮した味わいです。
「カツオのカルパッチョと焼き茄子のポン酢ジュレ」。筋肉質なカツオを豪快に並べ、爽やかな風味のポン酢ジュレをたっぷり。今あなたが想像している通りの美味であり、ポーションも大きく満足度高し。
「県産マグロ 香草パン粉のカツレツ」。東京で食べるとかなり高い料理ですが、当店では奇跡の1,000円切り。淡白で品の良いマグロに香草を纏った衣がサクっと響く。なんともお買い得な1皿です。
〆の炭水化物に「エビとキノコのトマトソース オレキエッテ」。ムチムチと弾力のあるオレキエッテ(耳たぶ状のパスタ)の要所要所にゴロゴロとエビが差し込まれており恵比須顔。こちらはトマトソースですが、クリーム系で食べても旨そうである。
デザートに「うるま農場 ビーグ(い草)と黒糖のアイス」「自家製トリュフチョコ」。前者はまさに沖縄といった味わいでオススメ。後者は美味しいのですが、まあ、普通によくあるトリュフチョコであり、これまでの価格設定に比べると割高です。
たっぷり飲み食いしてひとりあたり6千円ほど。この雰囲気とこの料理のクオリティを考えれば見事な費用対効果です。客層も良く、ワイン片手に語らい合うには最適のお店。
オープンは15時〜であり、18時まではお得すぎるセットも完備。今度は早い時間に来てみようっと。


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1年で10回沖縄を訪れることもあります。1泊15万円の宿から民宿まで幅広く手がけています。
TACが世に出した一風変わった沖縄本。もはやガイドブックではなく参考書の域です。非常に情報量が多く、かつ、うまく整理されており読みやすい。大判ではないので持ち歩きやすいのも素晴らしいです。オールカラーの割に高くない。数多ある沖縄ガイドブックの中では突出した存在です。

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シャルキュ(CHARCUT)/虎ノ門

虎ノ門の路地裏の地下にある「シャルキュ(CHARCUT)」。店名の通り食肉加工品全般が主力選手。シェフはリヨンでシャルキュティエ(食肉加工技術を持つ職人)としての修業もした本格派。面白いところでは「BENOIT(ブノワ)」でサービスマン・ソムリエとしても勤務したそうな。
グラスのシャンパーニュは量こそ少ないものの、1杯950円と格安。日本で1,000円を切るグラスシャンパーニュは当店と高田馬場「ラミティエ」ぐらいではなかろうか。酒が全般的に安く、ビールは500円、グラスワインも600円~と良心的。

「ぷはー、やっぱり仕事終わりのシャンパーニュって最高だよね!」そうだねえ、と私は曖昧に頷く。何故ならこの日わたしは一日じゅう家でゴロゴロしていたのだ。労働などやりたい者にやらせておけばいい。
アミューズはチーズにセミドライトマトとベーシック。大げさでなくて、先の泡でクイっとやるにちょうど良い。ちなみに黒板の前菜メニューには「キャロットラペ 」「シュークルート」「リエット」など、まさにビストロといった料理が並び心躍る。
まずはスペシャリテのシャルキュトリから。3種の盛り合わせでお願いしたのですが、「レバー食べたい、レバーレバー」と彼女が前傾姿勢なので「鶏白レバーのプレッセ 」を指定。どうしても食べたいものについてはリクエストすることが可能です。
ねっとりと濃厚な「鶏白レバーのプレッセ 」に甘い系のワインを合わせて下さいました。これぞ最強といった組み合わせであり、何ともエロティックな味わいです。その他、「フロマージュ・ド・テット(豚の頭を軟らかく煮た後に型で冷やし固めたもの)」や「パテドカンパーニュ」など、まさにフランスのお惣菜という料理が続き親仏派の私としてはとても嬉しい。
自家製パンは水分たっぷりでモチモチと美味。このお店すごいなあ、何から何まで基本に忠実、全てが美味しい。

「ねえねえ今なに考えてるの?話してよ話してよ」ここのところ急峻に接近を試みる彼女。積極的な女の子は大好きです。「〇〇さん(私の名)って、見た目はアスペっぽくて何考えているのかわかんないんだよね。でも、一緒にいると、あたしが頭の中で考えていることを上手く言語化してくれる。いいなあ、その能力、欲しいなあ」どうやら私はアスペっぽくて何考えているのかわかんないらしいです。
「スープドポワソン(魚のスープ)」はとにかく濃厚。そのへんの魚介系ラーメン屋が尻尾を巻いて逃げ出すほどの旨さです。

「あたし、〇〇さんのこと好きよ。文体が好き。骨格も好き」骨格か。視点が斜め上である。要注意だ。メンヘラホイホイとして名を馳せた私が言うのだから間違いない。
「エスカルゴは絶対に食べたい」と、連れ。普通の女の子であれば敬遠する食材を何のためらいも無く勇気に拍手喝采。「珍しいかな?でも、カタツムリってすごく素敵じゃない?雌雄同体で自家受精も可能。自分ひとりだけの世界になったとしても、繁殖していくことができるのよ」
良く飲むふたりなのでボトルで行きましょう。ブルガリアのロゼ。チャーミングで親しみやすい味わいの万能選手です。

「どうして結婚指輪をつけてるの?ただの金属の輪じゃない。それに何か意味はあるの?」魔除けだね。こうでもしないと世の女性が僕を取り合って核戦争が起こるんだ。私は冗談めかして言う。「じゃあ、結婚してるってわかっていながら迫って来る女ってどう思う?その女の子は、もう覚悟はできてるってことだよね?」仮定の話はしない主義だからわからないよ、私は何とか答えをはぐらかす。
「シャルキュのサラダ」。葉物野菜とキャロットラペの奥底には大量の内臓群。鶏のレバーやハツなど深みのある味わいに舌鼓を打つ。これはサラダといいつつ酒のツマミである。ジャガイモのホクっとした食感が全体にリズムを産み、素晴らしい1皿でした。
「メインには絶対にフォアグラ」とあくまで肝臓原理主義の彼女。であればと特別にロッシーニ風で用意してもらったのですが、これがびっくりするほど旨い。どうしてもトリュフやフォアグラなどの高級食材に目が行ってしまう料理ですが、この皿に限っては牛肉の取り扱いもソースの出来も何もかもが私にツボの味わいでした。

ちなみにロッシーニ風とは、フォアグラとトリュフを贅沢に組み合わせた料理全般を指します。もちろんロッシーニとはあの有名な作曲家のこと。彼は音楽で大成功を収めましたが、食通としても有名。パリでレストランも経営していたほどであり、料理に専念しトリュフを探す豚を飼育する為に作曲活動を引退してしまった、絶対イイ奴です。
先のロゼと同じ作り手のどす黒いワインともマッチ。いやもう、本当に美味しい。こんなに美味しい料理を作れるだなんて、シェフは前世でどんな徳を積んでいたんだろう。

お会計はひとりあたり1万円強。リーズナブルかよ。何もかもが正真正銘のフランス料理であり、全てに犯し難い美味しさがあります。どうしてこんなにイケてるお店が空いてるんだろ。みんな見る目無いよなあ。

「人を愛することって、飲むこととか食べることと同じくらい自然なことだと思うんだよね」彼女はときどき詩人になる。愛は我々にとって宗教のようなものですが、同時に精神的な病でもあります。


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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

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ゴリゴリバーガー タップルーム(GORI-GORI BURGER TAPROOM)/六本木

六本木の裏路地にあるハンバーガーとクラフトビールの専門店。オーナーはアメリカンフットボールの元プロ中村多聞であり、現在はアメフト評論家・指導者として大車輪の活躍。
細長い店内。奥のテーブル席は全て予約で埋まっているとのことで、入り口近くのスタンディング席へ案内されました。ハンバーガーで立ち食いは初めて。気分はオーシャンズ11のブラピである。
注文はテーブルに設置されたタブレットから行います。「クリスプ サラダ ワークス(CRISP SALAD WORKS)」にせよ、こういった非人間的な仕組みは好きじゃないのですが、当店に限っては店員がベタ張りで操作方法などを解説してくれるので、ある意味普通の接客よりも密度は濃い。
店名を冠した「ゴリゴリバーガー」は1,944円。1枚180グラムのパティが2枚入っており、肉だけで360グラムもあります。野菜は一切入っておらず、バンズ・チーズ・パティのみという潔い仕様。バンズには全粒粉パンを選択しました。
火は割としっかりめに入っており、粗目に挽かれた肉がボロつきがちです。肝心の味覚ですが、これが全然美味しくない。肉質が悪くそれを糊塗するためにか異常なほど調味料がぶち込まれており、肉の旨味どころかしょっぱさしか感じませんでした。

チェダーチーズの質も悪くまさに業務用といった味わい。量こそはたっぷりありますが、2,000円の食事としてはレベルが低い。悪い脂にやられたのか、食後3時間は胸と胃のむかつきが止まりませんでした。
「若き血バーガー」「紺碧バーガー」など笑えるメニューが多く、いずれもアンシラリーに注文することができるので(ポテトも別)、塩気の強いハンバーガーをツマミにクラフトビールを飲むといった、ある意味飲み屋として使うのが正解なのかもしれません。ピュアにハンバーガーを味わいに行っても喉の渇きしか得られないのでご注意を。


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六本木は難しい街です。おっと思えるリーズナブルな店から、高くてギラギラしてるだけのハリボテのようなお店も多い。私が好きなお店は下記の通りです。
レストランの在り方に迫るというよりは、六本木の今にクローズアップした特集。ラグジュアリーで儚い夜の街へと誘うガイドブック。紙媒体は売り切れちゃうのでお早めに。

台湾一周旅行(6/6)/太魯閣→台北

台湾一周旅行も大詰め、ついに出発点であり終着点である台北に到達しました。


花蓮車站(Hualien Station)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E8%93%AE%E9%A7%85
旅行も6日目に入り、5日間乗り放題パスの有効期限が切れたので普通に切符を購入します。事前に乗る列車や時刻をメモしておけば、窓口に見せるだけでお目当ての座席を確保できます。日本人で良かった。漢字圏でないヒトが英語が通じない土地を旅行するときってどうしてるんだろ。


■茶湯會(TP TEA)/花蓮
https://en.tp-tea.com/
タピオカミルクティーの元祖「春水堂」がプロデュースするテイクアウト専門のドリンクスタンド。「春水堂」と同じく紙コップでの提供であり、中身は透けず映えません。また、当系統のタピオカは黒糖シロップを纏っていないので、お茶を無糖にすると物足りなく感じてしまいます。「春水堂」系列は微糖でどうぞ。


■WESTGATE HOTEL 永安棧/西門https://www.takemachelin.com/2019/09/westgate-hotel.html
台北の渋谷的な繁華街「西門」のすぐ近く。駅の目の前のオシャレよりのホテルです。英語も通じチェックインもスムーズ。なぜか無料で部屋をアップグレードしてもらえました。詳細は別記事にて


■鼎泰豊 信義本店(Din Tai Fung)/東門https://www.takemachelin.com/2019/09/din-tai-fung.html
さすがは鼎泰豊と思わず唸ってしまった食事。これまでに色々な小籠包を食べてきましたが頭ひとつ抜けていると思います。もちろん価格も他店に比べると飛びぬけて高いので評価は分かれるところでしょうが、観光客が安心して高品質な名物を楽しめるという意味で、台北観光では外せないお店でしょう。オススメです。詳細は別記事にて


■ICE MONSTER 永康創始店 /東門https://www.takemachelin.com/2019/09/ice-monster.html
台湾で一番人気のカキ氷とも言われる「ICE MONSTER」。2015年に日本に進出し待ち時間は5時間にまで達した話題店の本店です。小籠包の名店「鼎泰豊(Din Tai Fung)」の数軒隣にあるので、観光客であれば連続で訪れれば効率が良いでしょう。詳細は別記事にて


■故宮博物院/士林https://www.npm.gov.tw/ja/
台湾で最も重要な観光スポットと言えば「国立故宮博物院」。世界5大ミュージアムのひとつであり、世界一の中国美術工芸コレクションとして名高い博物館です。

元々は北京にあったのですが、満州事変による戦火を避けるために南京に移され、日中戦争時は四川省に疎開し、戦争終結後に再び南京に。その後、毛沢東の共産党と蒋介石の国民党の間で内戦が勃発し、劣勢の国民党が台湾に逃れる際にトップクラスにイケてるグッズを持ち出し台北に保管したのが当館の始まりです。
人気のツートップは「翠玉白菜」と
「肉形石」。うーん、確かに細かい造形で美しくはあるのですが、この2つが目玉というのは博物館として物寂しい。本当に世界5大ミュージアムのひとつにカウントすべきか疑問を覚えました。

ところで、この1年で5大ミュージアム(ルーブル大英エルミタージュ・故宮・メトロポリタン)制覇!次の目標はフェルメール全35作品にしようかしら。


■金峰魯肉飯(Jinfeng Luroufan)/中正紀念堂https://www.takemachelin.com/2019/09/jinfeng-luroufan.html
台北で魯肉飯と言えば「金峰魯肉飯(ジンフォン ・ルーローファン)」。営業時間中は行列が絶えず、地元の方に大人気。一大観光地「中正紀念堂」のすぐ近くであり、地下鉄とのアクセスも便利なので、観光客にとっては使い勝手の良いお店です。詳細は別記事にて


■Coco都可/西門
https://cocofreshtokyo.amebaownd.com/
台湾発、世界に3,000店舗以上を展開するジューススタンド。ここのところコレ系のお店と言えばタピオカミルクティー推しであることが殆どですが、当店はフルーツジュースが豊富な点が特徴と言えるでしょう。

一番人気の「百香雙響炮(タピオカ&ナタデココ パッションフルーツティー)」を注文。ナタデココやパッションフルーツは美味しいのですが、とにかく甘い。言葉ができればもう少し上手くカスタマイズできたかもしれません。1杯200円と日本の半額以下なので、コンビニで飲み物を買うノリで具沢山のジュースを飲めるのは嬉しい限り。


■Airlines VIP Lounge/台北松山空港
https://www.jal.co.jp/inter/service/lounge/tsa/
台北松山空港には各航空会社のラウンジはなく、Airlines VIP Loungeとして共用しています。小籠包や焼売、魯肉飯(ルーローファン)など最後まで台湾名物が食事として提供されるので嬉しい。
ちなみに帰国時の機内食は「糖尿病ミール(DBML)」を事前指定。ベジタリアンミールを指定した時はCAから名前を呼ばれ「ベジタリアンミールです」と言って手渡されたのですが、今回は「お名前と指定した食事をおっしゃってください」と問われ、赤いシールまで貼られるという念の入れよう。ううむ、これはちょっとビールを頼み辛いぞ。


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台湾一周旅行「環島」目次
1年に何回もLCCで弾丸日帰り台湾旅行を敢行する美容ライターのB級グルメ本。1日で十数軒を連食する彼女の神経症的な食への執念が輝くガイドブック。高級グルメは台北ミシュランに任せ、カジュアルなお店の予習はコチラで万全!

あるグルメな乞食の話

「女友達がお金を返してくれないんですよ」開口一番、後輩はこう述べました。

「2万円だから経済的なダメージはそれほど大きくないんですけど、僕との人間関係は2万円程度で踏み倒せるものだったのかと思うと悲しくって」何もかも嫌になった、という表情を浮かべながら後輩はため息をつく。

なんでも彼には東京から離れた大都市に住む古くからの女友達(既婚)がおり、出張でその地を訪れる機会があり夜は時間があったので、当該人妻に食事でも行かないかと数日前に誘ってみたとのこと。彼女からはすぐにOKの返事が来、続けて「ココ予約しといたよ」とのメッセージが届く。

リンクを開いてみると、ミシュランガイドに載るような立派なお店であり、客単価は2~3万円といったところ。まさか驕ってもらうつもりでこんな高いお店を選んだんじゃなかろうな、と一瞬訝しんだものの、グルメ気取りの彼女にとっては普段使いなのかもしれない、と思い直し、特にコメントするでもなく後輩はそのお店での食事を了承しました。

豪奢な雰囲気、完璧なサービス、美味しい食事と、お店そのものについては大変満足し、さてお会計。後輩と人妻の間には特別な関係は何もなく、しかるにご馳走する義理など1ミリもないのですが、一方で、男子として多少は傾斜をつけるべきかとも考え、結果として合計4万円のところ後輩は2.5万円を負担し、彼女に1.5万円の支払いを求めました。

「あたし、お金持ってない」瞬間、空気が止まる。なるほど、現金の持ち合わせがないという意味か。確かに数万円ともなる支払いともなれば、そのような額の現金を持ち歩かない主義の方も多いであろう。なんせ時代はキャッシュレス。クレカ払いが主流の世の中である。

「それじゃ、カードで払いなよ、俺は現金あるから」と、後輩は人妻に提案。すると彼女はこう返してきました。「うーん、旦那のカード、使いたくないんだよね」

何かがおかしい、と思いつつも、なるほど今夜の食事は旦那に内緒で出てきてくれたのであり、その証拠となるような支払履歴は残したくないのかと解釈。しかしながら、旦那由来の家族カードではなく、自身のクレジットカードを使用すれば良いだけとの説もある。

「あたしは収入が低いから、クレジットカード作れないんだよね」このご時世、まさかそんなことは無いだろう。クレジットカードなんてそこらへんのフリーターや大学生だって持っている。それでも無いと主張されればそうですかと答えるしか術はなく、さてどう出るべきかと後輩はしばし思案する。沈黙に耐えかねたのか、「だからさ、振り込むよ。振り込む振り込む」と人妻は述べ、その場のやりきれない雰囲気は回避されました。

店を出て人妻は言います。「もう1軒行こうよ、近くに良いバーがあるんだよね」耳を疑うとはこのこと。カネの持ち合わせは無くカードでも払いたくないとゴネながら2次会に誘うその神経。普通、女の子からもう1軒行こうよ、などと誘われればワンチャンあるかとチンコが小躍りするものですが、今夜に限っては後輩の言葉を借りると「反吐が出た」とのことでした。そしてやはり覚悟していたことですが、当該バーでの支払いについても「さっきのと合わせて振り込むね」です。

気分が乗らない2次会は解散も早い。まだまだ電車は走っているのですが、当然のように彼女はタクシーを呼び止めます。加えて明らかに後輩の宿泊先のほうが近くなのに、「あそこはイッツーで、ここはウセツキンシで」などともっともらしい理由を述べながら、人妻の自宅経由でのルートをドライバーに指示。彼女との未来はもう無いな、もともと無いけどな、と、半ば投げやりな思考が脳内を支配する頃、人妻は破滅的な発言を放ちます。

「振り込みのことだけど、あれ、やっぱ振り込んだ方がいい?また会うでしょ?その時でよくない?」

ダウト。これは、貸してる側のセリフである。決して借りてる側が言うべきではない。「もちろんまた会うだろうけど、それとこれとは話は別だから」金を貸している側だというのに、なぜかこっちがカネに汚いかのような物言いになってしまう。旧交を温めるために会ったはずなのに、最後はカネの貸し借りの話をしてお別れ。なんともやりきれない夜である。蛇足ですが、彼女はタクシー代を1銭も置いていかなかったとのことです。

さて翌日、後輩は人妻に口座番号など必要情報を連絡するのですが、すぐさま処理される兆しは見えません。何か事情があって忙しくしているのだろうと忖度し、数日間は待ってみるものの特に連絡は無く、もちろん振り込みの気配は微塵も感じられません。

奸智に長けた後輩は「振り込んだら連絡してね、口座確認するから」と軽いジャブを放つのですが、やはり口座の金額は微動だにせず、陽はまた昇り繰り返し、時はそのまま流れ続ける。彼女からの連絡は何もなく、驚きや当惑が反感や恨みに変わるにそう時間は要しない。結果、冒頭の悲痛な叫びへと繋がりました。

「はあ?何いってんの?あんたバカじゃない?信じられない」とは飲み会に参加していた港区女子の発言。女性を食事に誘うのであれば全てご馳走しろということか。これだから港区の女は。びくりと肩を震わせながら男性陣は顔を上げる。彼はこんなにも苦しんでいるのだから、これ以上傷口に塩を塗るのはやめてやれ、と、私は彼女を目線で諭します。

「違う違う、それ、あの子の常套手段だから!今さら気づいたの?遅いって!むしろ今まで被害にあってなかったほうが驚きだわ」彼女は愉快で仕方がないといった表情で言い被せます。「あの子は最初っから自分が払うつもりなんて一切ないんだって。むしろ、あんたのこと、すげえケチな男ぐらいにしか思ってないから」まるでシャイロックね、と港区女子はせせら笑う。

「〇〇ちゃんのことでしょ?有名だよね」とは渋谷区女子の談。「あんたなんてまだマシだよ。あんたは異性で年上じゃん。おごるのは当然って考える女の子は一定層存在するよ。あたしたちなんて、同級生で同性なのに、同じ手口使われるんだから

「そうそう、お金にルーズなふうを装っておいて、そのルーズさは不思議と全部自分が得するように設計されてるんだよね。『あの時のアレと相殺ね』とか言っときながら、毎回毎回チョイチョイ足りない」あの時あたしは1杯しか飲んでないのにあの子はガブガブおかわりして、お会計はぴったりワリカンだった等、被害報告の雨あられが続きます。

タクシー先降りの術とか未だにやってんだw。なんだかんだ理由をつけて、ちょっと手前で降りていくんだよね。バイバーイとか言って、置いていくのは笑顔だけ。高々1,000円か2,000円だから請求もし辛いんだけど、チリツモで結構な金額にはなる。無駄に悔しいから、あたしはあの子と絶対同じタクシーに乗らないって決めたもん。同じ料金払うなら独り乗りのほうが精神衛生上健やかよ」

「あたしもずっとこういうこと繰り返されててさ。あたしは1,000円か2,000円以下のどうでも良い存在なのかなって、一時期真剣に悩んでたんだ。耐えきれなくなって、友達何人かに相談したんだけど、みんな全く同じ目にあっててさ。誰にでも同じことやってるってわかって、ある意味救われたんだよね」

でもさ、今も友人関係は続いているわけ?僕が同じことされたら即ブロックなんだけど。決して短いものではないブロックリストを有する私は興味本位で尋ねる。「うーん、続いてる、かな。そこらへん女子たちは上手くやっちゃうんだよね。でも、大きなお金が動く場所では会わないように気をつけてる。ひとり1,000円のランチとか、先払いのスタバとか、会うシチュエーションはそれぐらいかなあ」「確かに、そのあたり男子はシビアだよね。あの子の周りの男性って、新規の男の子か年齢以外取り柄がないオッサンしか残ってないもんね」

「『収入が低くてクレジットカード作れない』もお決まりのフレーズだから。だってあたし、旦那さんにグチられたことあるんだよ。『ウチの嫁がカード作れないって言い張ってオレのカードを打ち出の小槌のように使うんだけど。普通に働いているから自分のカード作れないわけないんだよね』って」旦那さんにまで設定がブレないのはやおら見事としか言いようがない。

「家賃とか生活費とかは全部旦那の稼ぎでやっててさ、自分で稼いだお金は全部自分のお小遣い。実家だってそれなりのお金持ちでしょ?どういう思考回路でああいう行動に出るんだろね」「ビョーキなのよ、ビョーキ。遺伝子レベルで貧乏なのよ」「前世はシェアクロッパーなんじゃないの?」「でも性格はヒラリー・クリントンなんだよね。お山の大将じゃないと気が済まない」「げげー、2万円踏み倒すヒラリー・クリントンとか地獄じゃん」以降、このような悪口大会が都合120分ほど続きました。

「20代前半のバカな読モとかならまだわかるけどさ、30過ぎてアレは痛いよね。最近は顔面がフィレオフィッシュに近づいてきたし」どんな顔面だよ、と、われわれ男性陣は写真の提示を求める。どれどれ、と、背中を丸めて人妻のインスタの画面を覗き込むと、ある男子が唐突に大声で叫びました。

「やべえ!オレ、こいつとヤったことある!」現実は小説よりも奇なり。あまりにも出来すぎた話ではありますが、これは本当にあった笑える話。ていうか一夜限りの関係だったとしても、エチエチに性交したのであれば名前ぐらい覚えておいてやれよ。

「しかも!すげえマグロで!超イマイチだった!」やっぱフィレオフィッシュじゃんかよーゲラゲラゲラ。2時間近く悪口を言われ続け性癖までも暴露された強欲な人妻。2万円にしてはあまりに高い代償。金は借りてもならず、貸してもならない。貸せば金を失うし、友も失う。借りれば倹約が馬鹿らしくなる。わずかな金で満足すること、これもひとつの才能である。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

すし匠(Sushi Sho)/ワイキキ(ハワイ)

都内でトップクラスの人気を誇り、「すし匠グループ」なる派閥まで築き上げた中澤圭二シェフ。旗艦の四谷店は後進に譲り、有能な弟子たちを引き連れハワイへと上陸。ザ・リッツ・カールトン・レジデンスのメインダイニング「BLTマーケット(BLT Market)」の奥にあります。
ワオ!大将が本当に目の前にいる!!料理界のレジェンドを前に背筋が伸びる。我々の緊張をよそに大将は気楽に出迎えてくれ、決して高飛車になることなく、あくまで一鮨屋のオッチャン的に接してくれます。気の良いお弟子さんたちが集まるわけだ。

ちなみに彼が新天地を求めた理由は「日本の魚が危機に瀕しているから」。世界の富裕層が日本の魚を常識はずれの価格で攫い無駄な暴騰に直面して久しいですが、なぜ日本の魚がそんなにも人気なのかというと、漁師の釣り方や中間業者のケアが世界一上手いからだそうです。その部分の底上げさえ図ることができれば、漁場は日本近海である必要は決して無く、海外にも可能性は広がるのではないかというロジックです。
ところで、酒の値付けは爆発的に高いです。ビール12ドルはまあ良いとして、一番安いグラスのシャンパーニュは25ドル、酒は半合で10ドル強〜、グラスの白ワインに至っては「ケンゾーのあさつゆなどいかがでしょう?」から始まるので、アルコールを愛する者ほど飲む気が失せてくる価格設定に感じました。

客層はここ数年訪れたレストランの中で最も悪く、不倫カップルと億り人ばかりであり総じて我が物顔です。ひたすらに予約困難店訪問マウンティングが続き、その他の話題はカネと車と不動産。お邪魔する前からある程度予見はしていましたが、ここまで酷いとは思いませんでした。
ワシントン牡蠣。サイズは小さいながら凝縮感があり、出汁の旨味と相俟ってグッド。
すし匠風のポキ。アラ・サーモン・アヒ(マグロ)のトリオであり、サーモンにバナナの葉の薫香をつけているのが面白かったです。
煮イカの印籠。いわゆるイカめしであり、ベーシックな味わいです。「さすが中澤さん!」みたいに拍手をし始める輩がいましたが、この皿でべらぼうに褒められても複雑でしょう。
シアトル産のミル貝にハワイ産のクレソン。味わいは中くらいですが、徹底的にアメリカ産に拘る点については哲学を感じました。ちなみにシャリの米はカリフォルニア産です。
小鯛のおぼろじめ。これは美味しいですねえ。一般的なタイに比べるとググっと味わいが強く、舌触りもザラりと独特。
ヤシの木の中心部分を活用したガリ。悪くはないのですが、ここまでする必要あるのかなあとも思います。普通にショウガでいいじゃん。
こちらではハプープと呼ばれるハタの一種。少し熱を加えられているためか、甘みが増してナイスでした。
アラスカのボタンエビを昆布締めで。コチラは問答無用で美味しいですね、アラスカ産だろうが日本産だろうが関係なく、間違いのない味わいです。
シアトルミル貝。ミル貝とても大きく育つ漁場だそうで、その肝の部分をレバ刺しのように食べるという試みです。
カッパーリバー(Copper River)という、アラスカのブランド産地のサーモン。味が濃く筋肉質。思ったほど脂っこくなくマッチョな味わいです。
ラウラウという、タロイモの葉で包んで調理するハワイの伝統料理のすし匠版。サーモンとアカマンボウにアスパラソースという出で立ちなのですが、これは、まあ、企画モノといったところです。
日本のマグロのヅケ。サクのまま漬けたマグロを滑らかにスライス。見るからに美味しいそうであり、そして実際に美味しかった。やはり日本のマグロは最強である。
メイン州のロブスターを紹興酒に漬け、酔っぱらいエビのすし匠版。これは素直に美味しいですね。ねっとりと官能的な舌触りに凝縮感に溢れるエビの旨味。
ストロング系の日本酒が合うだろうとメニューを眺めると、オレゴン産の日本酒がありました。かなり強烈なSAKEだとの案内もあり渡りに船と注文。なるほど強烈。飲んだそばから二日酔いになりそうな味わいでした。
サンディエゴのイワシをハワイの野菜と共に磯辺巻き。味の濃いイワシにシャキっとした野菜が素敵な組み合わせでありよりのあり。
大間の中トロ。これまでの努力が水の泡となりそうなほど、問答無用に美味しい魚です。ハワイでもマグロはよく採れるのですが酸味に乏しく、白ご飯と共にポキ丼にするには悪くないのですが、やはり酢飯には酸味のきいた日本のマグロが一番とのこと。
タロイモを用いたゴマ(?)豆腐に、アラスカのニシンの卵をトッピング。まさに創作料理でありアイデア勝利の一品でした。
ダンジネスクラブのにぎりには酢おぼろ。カニの旨味は一般的に暴力的であり、魚に比べると繊細さに欠けるので、このカニがダンジネスクラブであることに全く違和感はありませんでした。東京の一流店と遜色ない味わいです。
サンタバーバラのウニ。水分量が多くデロりとした個体であり、不思議な食感でした。
ハワイのキュウリでお口直し。
モイの飯寿司。ハワイの王族しか食べられなかった高級魚であり、「Roy’s」のRoy Yamaguchiシェフがその美味しさを世に知らしめた魚。しっかりとした脂が感じられ、なるほど鮨に用いても悪くありません。

ところで射精してるんじゃないかと思うほど感動にむせび泣いている客がいたのですが、もはや滑稽でしかありません。「面白い」「興味深い」「勉強になる」というコメントならわかりますが、「美味し過ぎて死ぬ」はちょっと違うでしょう。
ハワイ産のチェリートマトをピクルスに。キュウリもそうですが、野菜系は抜群に美味しいですね。野菜を用いたツマミについては日本のそれと同等かそれ以上でしょう。
オパと呼ばれる深海魚にフィンガーライムをトッピング。オパすなわちアカマンボウは沖縄では普通に食べられている魚であり、沖縄フリークの私にとっては親しみ深い魚なのですが、当店で食べるそれはまるで別物に感じ、これが江戸前の仕事かと思わず唸ってしまいました。フィンガーライムを絞り出すプレゼンテーションが楽しむ、何なら客にやらせてしまっても良いかもしれません。
ホワイトサーモンとウニの松前漬け風。ホワイトサーモンという魚を初めて知ったのですが、元々サーモンは白身魚であり、エサとして甲殻類を食べるので身がピンク色に染まるそうな。全てがねっとりとした食感であり、味も味付けも濃い。日本酒の進む味わいです。
10日間熟成させたトロ。酸味と旨味が増し、先のマグロとはまるで異なる味わいでした。個人的には魚の熟成には否定的でありフレッシュに食べたい派ですが、このにぎりに関しては絶品と形容して差し支えないでしょう。
いちご煮風の茶碗蒸し。いちご煮とは青森の郷土料理であり、その語感に反して具材はウニとアワビという最強クラスのお吸い物。当店は加えてキャビアや松茸まで放り込んで茶碗蒸しに。美味しいのですが、そりゃあ美味しいよねという感想です。
スイカを用いた奈良漬けにボストンのあん肝。これは個人的にはかなりツボ。奈良漬の大人の味わいに、それほどコッテリとはしていないニュートラルなあん肝がとても良く合う。
すし匠のスペシャリテ「おはぎ」。マグロの中落ちで小さなシャリを包みます。たくあんの食感やマウイオニオンの風味が小気味良いアクセント。マカデミアナッツをトッピングする遊び心もグッドです。
シャリを発酵させチーズのような状態に持っていき、いぶりがっこで包みます。これが米なのかと疑ってしまうほど濃厚な味覚であり、まさに料理とはサイエンスであると唸ってしまう一品でした。
カンピョウはユウガオの果実(ふくべ)を紐状に剥いて乾燥させた食品ですが、当店では青パパイヤで作り上げてみせました。いわゆるカンピョウと遜色のない味わいであり、ここに至る労苦が手に取るように理解できます。
ここからはお好みで5~6種類が用意されており、また、これまでに食べたものをおかわりしてもOKです。私はボストン産のホタテを注文。おまんじゅうのように厚いホタテにほんの少し熱を入れ、丁寧に包丁で飾ります。上品に甘く奥行きのある味わいで、ボストン産だろうが何だろうが、ホタテとして素晴らしく美味。
連れは大トロを炙りで。いやいやいや、これまでの実績からそりゃあ当然美味しいでしょうよ、でもそれをハワイに来てまでお好みで注文するってどういうこと?「一番おいしそうなものを注文して何が悪い。胃袋は限られているのよ」そして実際に一番美味しいとのことでした。
ギョクは2種。アオヤギの出汁を楽しむ出汁巻きに、タロイモと甘えびを練り込んだケーキのような作品。同じ卵料理とは思えないほどベクトルの異なる味わい。これだから料理は面白い。
お椀はアヒ(マグロ)の出汁。美味しいのですが、終盤のコッテリした味覚に対峙するにはパンチが弱く、また量も少なく感じました。
デザートにはモロカイの塩を用いたミルクアイス。上品な素材の味覚に舌鼓。そのままで良し、ブラウンシュガーの黒蜜をかけても良し。
連れは葛切りをチョイス。まさかハワイでこんなに本格的な葛切りに出遭えるとは。
お会計はひとりあたり400ドルでした。これはお酒をケチって飲んだ結果であり、いつものペースで飲んでいればひとりあたり5〜6万円は堅いです。そしてその価格に見合った美味しさがあるかというと、答えは絶対にノーです。

ハワイで地元の食材を用いてこのレベルの鮨を出せることは凄いとは思いますが、目をつぶって都内の名店と食べ比べると遜色ありまくりです。このお店の真価が問われるのは数十年後のはずであって、現段階をもって礼賛する風潮には甚だ疑問を感じます。長期的な文化貢献事業に寄付する貴族的パトロン的な心意気が無いと、満足を得ることは難しいはずです。

加えて私は純粋な美味しさや費用対効果を求めるタイプの人間なので、この程度の味わいの鮨に5万も6万も払うなら、日本の地方の名店を2〜3回訪れたほうがいいじゃんと考えるタイプ。誰が悪いとかではなく価値観の相違でしょう。私はメディチ家の一員ではないのだ。

さて、客層が最悪であることは既に述べましたが、基本的に一見の観光客が多くその全員が同時多発的にマウンティングを開始するので、お店側が会話をコントロールする余地は殆どありません。これはこれで仕方の無い部分が大きい。なので客側ができる唯一の対抗策は、(できるかどうか知りませんが)貸し切りにしてしまうことでしょう。

「すし匠!中澤!ハワイ!」と盲目的に訪れるのではなく、きちんと意義などを理解した上で訪れるべきお店だと感じました。


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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。

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