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ヴィヴィド(vivido)/恵比寿

ピエモンテ料理に特化した「ヴィヴィド(vivido)」が恵比寿に開業。代々木八幡の「LUCE」、三軒茶屋の「ネオトーキョー」の姉妹店にあたります。恵比寿駅から歩いて7-8分で、ラジオの放送スタジオのようなエクステリアが目印です。
コンクリート打ちっ放しで入口側の壁が全面ガラス張りの開放感ある店内(画像は食べログ公式ページより)。一風変わった座席構成で、U字型カウンター席とテーブル席があります。

三輪智一シェフは私の推しの「Antica braceria bell'italia」でスーシェフを務めた後、渡伊。帰国後は代々木八幡「LUCE」のシェフとして腕を振るい、2026年3月に当店の料理調に就任したようです。
アルコールにつき、マスターズドリームは千円を切り、グラスワインは千円強~といったところ。周辺相場を考えれば悪くない価格設定です。コース料理に合わせたペアリングの用意もありました。
 お通しはシュー生地にハーブバターを詰め込み、ハモンセラーノをトッピングしたもの。アンチョビの芳醇な塩気とセミドライトマトの凝縮された旨みも感じられ、生ハムのまろやかな脂身と熟成したコクが重なり合い泡が進みます。
前菜盛り合わせ。ピエモンテの伝統的なおつまみを少しずつ楽しむ試みです。中でも馬肉にトリュフの香りを纏わせたタルタルがいいですね。香りも味もいい。序盤から赤ワインを頼んでしまいそうな、迫力のあるアンティパストです。
パスタはもちろんピエモンテ名物の「タヤリン」。たっぷりの卵黄を練り込むことで生まれる鮮やかな黄金色と細い麺体が特長で、滑らかでありながらしっかりとしたコシも残します。ピエモンテの伝統麺に日本の夏の風物詩である鮎を合わせており、程よい苦味が大人の味わいを演出します。カラスミもたっぷりで酒が進む進む。
 お肉料理は近江鴨の炭火焼き。適度な脂肪と赤身のバランスが優れており、脂は甘くクリーンで嫌味がなく、肉質はきめ細かく柔らかい。炭の香りが鴨の脂の甘みをさらに引き立ており、噛み締めるたびにジューシーな肉汁が口いっぱいに広がります。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は1万円強。上質なピエモンテ料理をアラカルトで楽しんでこの支払金額はリーズナブル。外観の雰囲気からコンセプト先行型レストランと思いきや、シェフの硬派な料理哲学が店の土台を支えており、こういうお店がサラっとあるのが恵比寿という街の懐の深さと言えるでしょう。パスタランチは色々付いて1,540円とぶっとび価格なので、次回はソチラを試してみたいと思います。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。

Cesco (チェスコ)/恵比寿

恵比寿の「Porto Bello(ポルトベッロ)」が「Cesco (チェスコ)」として再始動。もともと地域住民や近隣のオフィスワーカーから支持を集めていた一軒家イタリアンですが、2025年9月に閉店した後、岡山のMOKUSON(パティスリー&ブーランジェリー Art Brut運営)が引き継いだようです。荻窪の「ALCOLI」とも繋がりがあるようです。
店内は居抜き、というか何も変わっていない気がする。1階はハイチェアのカウンターとテーブル席で構成され、2階はテーブル席が中心で、船内を思わせるアンティーク調の空間が広がります。
ランチのパスタセットは1,500円~。選べるパスタに加え、サラダに運営元「Art Brut」のパン、カフェが付きます。私は1,600円の「自家製ボロネーゼ」をお願いし、プラス300円でラージサイズに変更してもらいました。
付帯するサラダが中々の美味しさ。野菜の質がよくシンプルな調味ながらセンスを感じさせる味覚です。これは夜にお邪魔しても期待できそうだ。
主題の「自家製ボロネーゼ」。いわゆる挽肉のミートソースというよりも、ハンバーグを崩したかのような迫力があります。ゴロゴロとした大きな塊肉が贅沢に使われており、噛むたびにジューシーな肉の旨味が広がります。ソースからは仄かな酸味が感じられ、力強いお肉の存在感を引き立てます。
麺が美味しいですねえ。「ニューオークボ」謹製の生麺だそうで、もちもちとした食感が特長的。つけ麺のような太麺であり、強いコシを兼ね備えつつも、小麦本来の豊かな香りとほのかな甘みがあります。大盛にして本当によかった。
パンがびっくりするほど美味しい。岡山県にある姉妹店の「パティスリー&ブランジェリー アール・ブリュット(Art Brut)」で製造された天然酵母パンを空輸・直送しているそうで、これはロブションのパンスタンドに紛れ込んでいても、いや、それ以上のクオリティかもしれません。パンだけお土産に買って帰ろうか真剣に悩んだほどです。
大満足のランチでした。「Porto Bello(ポルトベッロ)」という既存のブランドアセットを居抜き以上のレベルで引き継ぎ、スタッフや常連客は確保したままソフトな移行プロセスを完了させた段取りの良さは賞賛に値します。こういう事業承継の巧拙は今後の日本の飲食市場における重要なケーススタディになると思う。

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酒と焼肉ニュートミー/恵比寿

恵比寿駅を出てすぐ、恵比寿銀座通り沿いのビカビカなネオンが印象的な「酒と焼肉ニュートミー」。単なる焼肉屋ではなくお酒の提供にも力を入れているようです。昼過ぎから明け方まで通しで営業しており使い勝手良し。
店内もネオンがビカビカな上、遊郭(?)をイメージしているそうでヘンテコな雰囲気。カウンター席とテーブル席の用意があるのですが、店内に高低差があり珍しい構造です。スタッフは外国人が中心ですが、皆、ニコニコと楽しそうに仕事に励んでおり仲が良さそうです。
飲み物はビールもマッコリも謎のビーカーで用意されます。これにはどういう意図があるのだろう。普通に飲みづらいし面白くもないので、普通のグラスを用意して欲しいところです。
コースもありますが、我々はアラカルトで注文しました。まずはチョレギサラダ。ごま油の香ばしい風味と塩気がきいており、シンプルでありながらクセになる味わいです。人数分に取り分けて提供してくれるのでラクチンです。
ニンニクの芽ナムル。こちらもごま油の風味がきいており、ニンニクの芽が持つ独特の香味とよく合います。ニンニクの芽ってナムルにできるんだ、と、ナムルのポテンシャルについて考えさせられたひと品です。
ネギロース。薄切りのロース肉にネギをたっぷりとのせ、お肉でネギを包み込むようにして頂きます。ご想像の通りそこそこ美味しいのですが、これで1,980円というのは割高に感じました。
2種の鶏肉のせせりの盛り合わせ。首肉ならではの引き締まった弾力のある歯ごたえが心地よく、脂乗りは良いもののしつこさは感じさせません。
上ミノ。コリコリ・サクサクとした小気味よい食感を楽しみつつ、甘辛くスパイシーなタレのコクがいいですね。お酒はもちろん白ゴハンも欲しくなる調味です。
小鍋はミックスホルモン、右は生ラム。ミックスホルモンは左記の上ミノの調味の方向性を引き継いでおり、やはり酒を呼ぶ濃厚さ。生ラムからは特有のミルキーな風味が心地よく、質の高さが感じられます。どうしてこの生ラムのほうが先のロースより安いんだろう。謎は深まるばかりである。
〆に石焼カルビビビンバ。上ミノ・ミックスホルモンに負けない味の濃さであり、そこにキムチやナムル、卵黄も加わり口の中が大騒ぎ。石鍋に接したパリパリのオコゲ部分も食欲を刺激する食感で、荒々しくもスプーンが止まらない後を引く美味しさです。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は7千円ほどと、立地を考えれば悪くないディールです。コース料理であれば飲み放題プランもあるようで、変な居酒屋に行くよりも素材コンシャスな当店の方が満足度は高いでしょう。良く飲むチームの飲み会に是非どうぞ。

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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。お気に入りのお店をご紹介。
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フード・ラック!食運 [ EXILE NAOTO ]
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寺門ジモン監督の焼肉映画。焼肉文化についてここまでシリアスに描けているのは監督の焼肉に対する並々ならぬ拘りに因るのでしょう。焼肉業界の有名店や有名人も沢山登場するので、焼肉通を標榜するのであれば必修科目の1本です。

四一一 はなれ(ヨイチ はなれ)/恵比寿

恵比寿の街を歩いていると「肉そば 1000円~」の看板と目が合う。「四一一 はなれ(ヨイチ はなれ)」という和牛創作料理店が平日限定でランチを提供している模様です。行列ができる人気餃子店「えびすの安兵衛」と同じビルの3階に位置します。
店内はカウンター5-6席にテーブル席がいくつかで、トータルでは20席ほどでしょうか。ゲストの殆どは近隣の勤め人のようで、皆、仕事関連の会話や電話で忙しそうです。それにしても、食事中に仕事の電話に対応するだなんて、仕事ができるのかできないのかどっちなんだろう。
メニューを見て違和感を覚える。1階にあった看板には「肉そば 1000円~」と記されていたのに、実際には1,200円でした。卵かけまぜそばの「TKS」は1,000円で、プレーンな「ざるそば」は700円。これを「肉そば 1000円~」と表現するのはDAZNもかくやのダークパターンである。
そのまま帰るのもアレなので仕方なく1,200円の「肉そば」を注文。つけだれは「ラクサ」を選択し、「麺大盛」がプラス250円、「野菜まし」がプラス250円で、合計が1,700円。当初の計画からは随分と高くついてしまいました。来月のバイトのシフト増やさなきゃ。
なるほど「麺大盛」と「野菜まし」でお願いしただけあって迫力満点の盛りつけです。ただ、あれ?「野菜まし」ってモヤシしか入っていないんだけど。え?モヤシって野菜なの?豆じゃないの?

もちろん二郎系の店で無料の「野菜マシ」でお願いしたら、その殆どがモヤシだというのは義務教育で習う常識ですが、あれは無料だから笑い話で済むのであって、それでも多少のキャベツは含まれていたりもします。しかしながら当店は250円の追加料金の「野菜まし」がモヤシのみ。スーパーなら特売で10袋は買える計算です。
蕎麦は一般的な繊細な日本蕎麦とは一線を画す、野性味あふれる極太麺。色が濃く田舎蕎麦のようなワシワシとした非常に強いコシと歯応えがあり、ツルツルと喉越しを楽しむというよりはしっかり噛み締めて味わうタイプ。ラー油を主体としたつけだれでお願いすれば伝説の立ち食いそば「港屋」のジェネリックとして輝いていたかもしれません。
つけ汁の「ラクサ」。めんつゆの風味に加え、ココナッツのまろやかさとスパイスの香りが特長的。ただ、いわゆる本場のラクサに比べると複雑性に欠け、平板な味わいに感じました。大量のモヤシが水分を吐き出し味わいが薄まった感もあります。成城石井の「シンガポール風ラクサ」のほうが私は好き。
結局、ひたすらモヤシと格闘して完全に不完全燃焼のランチでした。蕎麦そのものは美味しかったので、「野菜まし」なんて注文せず、素直に「麺特盛」に全振りすれば良かったなあ。悔しくて家に帰ってヤケ食いでサラダを食べようとしたのですが、こんな日に限って冷蔵庫には何もない。

いつでも捜しているよ どっかに野菜の姿を
野菜室でも 戸棚の中でも こんなとこにあるはずもないのに

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35年ぶりに恵比寿の地で醸造を再開した「YEBISU BREWERY TOKYO」の特集に始まり、工場のあった明治から昭和、そして都内屈指のグルメタウンとなった現代まで、恵比寿のまちの歴史を振り返ります。これで貴方も事情通。

鶏敏(とりとし)/恵比寿

ビール坂にあり、恵比寿の焼鳥店としては安定した人気を誇る「鶏敏(とりとし)」。ロブションのスタッフ御用達の「ちょろり」のすぐ近くに位置し、恵比寿駅から歩いて7-8分といったところでしょう。
店内はL字型のカウンター席に加えテーブルが数卓。予約が必須というわけではありませんが、基本的に満席の人気店なので、予約をして訪れたほうが無難です。スタッフのオッチャンたちは声が渋くイカついものの、気さくで感じが良く、いい味出してます。
「ビール坂」の中腹に位置しているので始まりはもちろんビール。中瓶は800円で生ビールは700円と、周辺相場に準じた価格設定です。サワー類はもちろん日本酒やワインの用意もあり、居酒屋らしいアルコールのラインナップです。
お通しのめかぶ。程よく粘り気があり、口に含むとトロリとした滑らかな食感が広がります。まろやかな酸味も感じられ、鶏の脂をすっと流してくれます。
こちらもお通しの香の物。この日は大根とキュウリであり、どちらも主張しすぎない控えめな味付けで余計な雑味がないため、串の合間の味覚の空白を埋めるに丁度良い塩梅です。
コールスロー。粗い千切りのキャベツに器の底に溜まるほどたっぷりと注がれた特製ドレッシングが絡みます。やはり焼鳥の脂を中和し、食欲を加速させる不思議な中毒性があります。
焼鳥に入ります。まずはササミさわび。表面をさっと炙り、中心部は絶妙なレア感を残すことで、鶏肉本来の繊細な甘みを引き出しています。そこに添えられた本わさびが、キリッとした刺激を与え、淡白な中にも一本筋の通った深い味わいを演出。肉厚ゆえに噛み応えがあり、咀嚼するたびに新鮮な肉汁がじゅわっと染み出します。
レバーも一粒一粒が大きく、エッジが立っています。炭火で外側をカリッと、内側をとろりとフォアグラのような質感に焼き上げており、口に入れた瞬間に濃厚なコクが広がり、雑味や臭みは一切ありません。これは赤ワインが欲しくなる。
うずらの玉子。表面は薄く焼き色がついて香ばしく、白身はプリッとした弾力。真骨頂は中の黄身にあり、半熟状態がキープされており、歯を当てた瞬間に濃厚な黄身がとろりと溢れ出し、口内をコーティングします。
ハラミのオクラ巻き。鶏ハラミの力強い旨味とオクラの個性が融合した創作串。ハラミは独特の弾力があり、それに繋がるオクラが熱を通されることでトロリとした粘り気を出し、肉の脂と一体化しています。
団子。「つくね」ではなく「団子」であり、武骨で愛らしいボリューム感。挽肉の柔らかな質感の中に、細かく刻まれた軟骨がたっぷりと仕込まれており、このコリコリとしたアクセントが食べていて実に楽しい。
ソリ。いわゆる鶏の足の付け根にある希少部位「ソリレス」であり、モモ肉をさらに濃縮し、究極の弾力を与えたような味わいです。筋繊維の強さが感じられ、噛み切る際のブリンッとした反発力が心地よい。
名物の「もんもん串」。せせりとにんにくスライスの挟み焼きであり、じっくり焼かれたニンニクはホクホクとしてジャガイモのような甘みを持ち、その強烈な香りがせせりの脂に乗り移っています。ひと口ごとにガツンとくるパンチの効いた味わいだ。
ネギマ。焼き鳥の王道であり、肉厚なモモ肉は皮はバリッと思い切りよく火が入っており、その間に挟まれたネギは鶏の脂をたっぷりと吸い込み、中心部までとろけるように甘い。
ハツモト。心臓の付け根にあたる部位で、ハツのプリッとした質感と、レバーのような濃厚さ、そして管の部分のコリコリとした食感を併せ持っています。脂の乗りが良く、口の中でじゅわっと広がる脂の甘みが心地よい。複雑な食感のレイヤーが重なり、1本で多様な表情を見せてくれます。
ナス。皮目は香ばしく中は蒸し焼き状態でとろとろのペースト状態。たっぷりとかけられたカツオ節の踊るような旨味と、おろし生姜の清涼感のある辛みが加わり、肉厚な串が続く中で心が安らぐ1本です。
手羽先。強火で焼き上げられた皮が煎餅のようにパリパリと香ばしく、その内側にはラーゲン質と肉汁が閉じ込められています。骨の周りの肉こそが最も旨いことを再認識させてくれる濃密な味わいです。
宴の締めくくりを飾る鶏スープ。鶏ガラを長時間じっくりと炊き出しているのか、余計な調味料に頼らずとも鶏の純粋なエッセンスがビンビンに伝わります。五臓六腑に染み渡るような優しくも深いコク。これまでに食べた多くの串たちの脂を温かく包み込み、整えてくれるような安心感があります。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は7千円と少し。暴騰に暴騰を重ねる東京の焼鳥業界に一石を投じる価格設定であり、焼鳥そのものは客単価2万円を超えるお店に勝るとも劣らず。次回は鶏そぼろ丼やラーメンなど、炭水化物系も試してみたいと思います。

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素人にとっては単に串が刺さった鶏肉程度にしか思えない料理「焼鳥」につき、その専門的技術を体系的に記しています。各名店のノウハウについても記されており、なるほどお店側はこんなことを考えているのかという気づきにもなります。